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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

日本は歌でできている

松岡正剛 著
「うたかたの国~
日本は歌でできている」拝読。

松岡正剛の文章は
ハッとさせられるものだらけですが、中でも
詩歌についての文章を
リミックス、再編集してみようという
アイデアで出来たのが本書です。

松岡氏の編集学校で
学んだ「師範代」の方の手でなされた
リミックスは、見事。レイアウトも絶妙で
こんなやり方で文章を際立たせることが
できるという発見がありました。

松岡正剛氏といえば、その
博識さにいつも唸らされますが
ひとつの書物について語るときも
とても書評なんていう言葉では
おさまらない、多角的な評論がされますので
今回のような試みも
面白くなるのだと思います。

しかしまあ、冒頭からして
なるほどなるほど、の連続で
この本を読んでいくことは
日本語を再度確認、歴史とともに検証する
試みにも近いのだとわかります。

また、どこから読んでも
グッとくる文章が掲載されているのが
いいですね、厳選された素材
それに見あった配置、まさにDJみたいに。

例えばパッとめくった27ページ。

《日本の間拍子というのは
表と裏の拍子を持っていて
歌謡曲のなかでは
ニ音一拍、四音一拍
というリズムになる。

日本人はいまなおなぜか、
リストラとかパソコンとか
ゼネコンとかコンビニというように
英単語を省略して四文字にしてしまうという
クセがあるが、ここにも
「四文字で一拍」という日本的な
リズムが関係しているのではないか》

《日本における漢字と言葉づかいという
テーマひとつをとっても
淡海三船によるといわれる
天皇の漢風諡号の与え方、
藤原公任による
「和漢朗詠集」の編集、
西行による
歌枕の使い方、
近松が上方弁を浄瑠璃にしたこと、
珠光や利休による
草庵の茶の湯、
端唄や小唄や
オッペケペー節、
昭和の演歌や
日本語フォークソング、
桑田佳祐の歌詞の漢字のルビづかいまで、
こういうものを全部見ないといけない。

そこに
「日本という方法」があります》

・・・どのページを開いても
この調子で日本を解き明かしてくれます。

最高でしょ?

義太夫、三味線音楽についての
鋭い考察もあり、実際に
三味線を学んでいるものとして
「この人マジで只者じゃないな」と
思います。

わたくしは少しでも学ぶため
彼の書いたものを追いかけたいのです。

また、和漢朗詠集の
紹介の仕方がたまらなく魅力的だったので
引用しておきます。

わたくしも美しいものを
美しく説明できる人間になりたいものです。

《菅原道真の「新勅万葉集」で
漢詩と和歌を対応させた編集方法を
さらに発展させたのが関白頼忠の子の
藤原公任が編集した「和漢朗詠集」でした。

勅撰ではなく、自分の娘が結婚するときの
引出物として詞華集を贈ることを思いついて
作ったものです。

当時、貴族間に流布していた朗詠もの、
つまりは王朝ヒットソングめいたものに
自分なりの手を加え、新しいものをふやして
贈ることにした。

それだけでは贈り物にならないので
これを達筆の藤原行成に清書してもらい
粘葉本(でっちょうぼん)に仕立てます。
まことに美しい。

料紙が凝っていました。
紅、藍、黄、茶の薄目の唐紙に
雲母引きの唐花文を刷り込んでいる。

行成の手はさすがに華麗で
変容の極みを尽くし
漢詩は楷書・行書・草書を
みごとな交ぜ書きにしています。
和歌は行成得意の草仮名です。
これが交互に、息を呑むほど巧みに並んでいる。

部立ては上帖を春夏秋冬の順にして
それをさらに細かく、たとえば冬ならば
「初冬、冬夜、歳暮、炉火、霜、雪、
氷付春氷、霰、仏名」と並べています。
すなわち時の「うつろい」を追ったのです。

これに対して下帖は、もっと自由に組み
「風、雲、松、猿、故京、眺望、祝・・・」
といった四十八の主題を並べた。
最後はよくよく考えてのことでしょうが
「無常」と「白」というふうに
すべてが真っ白になってしまうように
終えています。

これをアクロバティックにも
漢詩と和歌の両方を交ぜながら
自由に組み合わせたのです。

漢詩が五八八詩、和歌がニ一六首。
漢詩一詩のあとに和歌が続くこともあれば
部立てによっては和歌が続いて、これ
漢詩が一篇でうけるということも
工夫している》

DJ KAZURU


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