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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

「語り芸パースペクティブ」
玉川奈々福 編集、拝読。

浪曲でいまもっとも人気のある
玉川奈々福が中心になって行った
2017年-2018年の
貴重なる講演と実演の書籍化。

ラインアップは
ごぜ唄、説教節、義太夫節
能、講談、落語、ラップと謡などなど。

パーっとこれだけのものを
見渡せる構成です。すごいな。

篠田正浩監督がまず登場するので
なんで? と思いましたが
深い知識をお持ちの方でびっくりしました。

そのなかで、
日本の芸能では新作落語とか新劇とか
当世風の演劇ができてはいるが
そこにどうしても抜きがたい
判官贔屓、義経に対するひいきがある。
義経を勉強することで
日本の芸能の本質がみえる。
という話がでて
義経が重要なんだ、
はー、そうなんだそうなんだ、と
膝ポンの連続。

義経が活躍したのはわずか7年間なのに
日本の芸能の中にはどうも義経に代表される
権力に疎外されて排除されたもの
つまり、敗者に対する哀れみがある。

ということです。

曽我ものと義経ものだけで
歌舞伎の演目は2000以上あるのだとか。

このあと「安寿と厨子王」など
興味深い解説が続きました。その
知識の研究熱に感服。

瞽女については、昔から興味があるので
この項も面白く読みました。
存在自体は底辺で生きてるような
集団ですが、一人一人は
「三味線が弾ける」ことを
誇りにしていたというのが印象的。

譜面もない。語りも変動していく。
伝承芸能等ではなく、これは
究極の娯楽芸である、という
言葉が刺さりました。

そして
「義太夫節」の方には
わたくしの大好きな呂勢太夫と
三味線の藤蔵が登場。
どのようにしてこの道に入ったのか
練習はどのようにするのか
色々話してくれれいます。

藤蔵さんは今一番の、パワーで
ねじ伏せるタイプの三味線弾きですが
うなり声も含めて、昔はよくあった
スタイルなんだそう。
あるときから
うるさいから止めようって
ことになったそうですが、私は
好きなのでやり続けてほしいものです。

最後に、いとうせいこう氏と
能の安田登氏が登場します。

様々な音楽を見渡してきて、現在
義太夫、小唄、謡の稽古をしている
いとうせいこう氏は当然としても
安田登氏がめちゃくちゃ外国の音楽や
ヒップホップに能との共通点を
見いだしており、その感覚の鋭さに
ひれ伏す思いでした。

現在こういったものに興味を寄せ
自分でもやってみたいと思う人というのは
社会の底辺どころか、むしろ
高学歴で裕福な人が多いのでしょうし
角付けで三味線弾いて、体も売る人など
絶滅しているわけです。

だからといって身をもって
理解できないということではなくて
少なくともこの企画は

「日本に古くからあった
語り芸のあれこれってすごく魅力的、
だから自分も会得して、この
芸能に融け合ってみたい」

という
シンプルな情熱をもつ人たちの
手によって出来たことだと思うので
私もその末席にいる感じがして
嬉しくなったのです。

DJ KAZURU


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