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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

まっくら

1961年に刊行された
森崎和江 著
「まっくら~女坑夫からの聞き書き」
の文庫復刊拝読。

筑豊の炭鉱で働いていた女性たちの
インタビュー番組を見て以来
命の危険と隣り合わせの労働を
男と同じようにしていた女性たちの人生に
興味をもち、写真集なども
見てきた流れで手に取りました。

炭鉱といっても地域によって
色々だとわかりましたが
「まっくら」を読むと
組に縛り付けられた構造で
朝から晩まで労働していたことが分かります。

あまりにも安く使われる
人力、粗末な住居、いざ
脱走発覚となれば

「足の親指と親指を
きりきり巻き上げて
ぶらさげよったそうですばい。
そして青竹でばんとぶっ叩く。
ぶらんぶらん
あっちいき、こっちいきしますげな」

といった壮絶な暮らしの話が
次々出てきてうすら寒くなります。

朝の3時には暗闇の穴深く入り
夜まで働くから太陽を見たことがない
との語りからは凄まじい労働環境が
伝わります。

「まっくら」の森崎和江氏は
谷川雁氏とともに
サークル村の発行に
関わっていたということで、独特な
聞き書きの手法は
かの石牟礼道子氏にも
影響を与えたということです。

なるほど、「苦海浄土」も
確かに聞き書きスタイルがつかわれており
それが、より胸に迫る
という効果を生んでいますが
もっと作者の色というか、
文学を感じるし、素材はノンフィクションでも
あれを水俣の誰かが語ったそのままであるとは
読み手は思わないでしょう。

一方「まっくら」は方言を直接知らぬ
私にはなんだか理解するのに時間がかかる
文章ばかりで、言ってみれば
リアリティー重視の文体。

何度も同じく話を繰り返す
「まっくら」を生き延びてきた
女たちの言葉尻ひとつも
聞き逃すものか
という気迫を感じます。

私が以前大変心を奪われた
筑豊の女坑夫にインタビューした
井手川泰子氏の「火を産んだ母たち」も
「まっくら」を継承して聞き書きとなったと
いうことですので、パイオニアでもあるわけです。

石牟礼道子氏の
「熊本のただの主婦だった」という
プロフィールに卒倒した身としては
インテリ家庭出身で学問のあった
森崎和江の導きがあったということは
ホッとする話のような気もしますが
学があろうとなかろうと
刮目して眼前の出来事を見よ
考えよ、という先輩女性たちの姿を
しっかりと覚えておかなくては!

DJ KAZURU


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