池波正太郎の
エッセイと自身による挿絵がついた
素敵な一冊「ル・パスタン」拝読。

80年代後半の連載を纏めたものなので
最晩年のエッセイですね。
タイトルは「暇つぶし」
みたいな意味だそうです。

鑑賞した芝居や映画の感想に
パリの旅行記、食べ物にまつわる
あれこれが素敵なスケッチ画とともに
楽しめます。

思うに
二世中村吉右衛門も
フランス紀行に本の感想に
挿絵をつけて表現する
こんなことがやりたかったのでは
ないかな、と。
絵のタッチとかも少し
似ているのです。

鬼平犯科帳の原作者である
池波正太郎のことは尊敬していたでしょうから
無理からぬことですね。

パリのフランス料理、郷土料理も
居酒屋料理も、星付きの店も
どこも好きな店でいっぱいなのに
日本のフレンチはチマチマしてて
気取っていてお気に召さなかったようで
かなり辛口です。

あと、観劇時にはどうしても
パンフレットを買ってしまうものですが
スポンサー企業の挨拶文とか
どうでもいいものばかりで分厚くなって
いるのが気に食わず
高い、内容が薄い、と
カンカンでございます（笑）

バブル期にそんな感じだったのかな
という気もしますが、私も
パンフレットは必要な情報が書いてあって
安くて薄いにこしたことないと思いますね。

子供時代には小学校を出ただけで
働きに出た自分のことも
正直に書いています。

小さな頃から働いて
自分の金で歌舞伎座へも行き
弁当も買ったと言いますから
身銭を切って観劇して、駄目ならだめと
感想を述べる。
金は払うが真っ当に文句も言う
そういう流儀を
ずーっと貫いて来た人なのでしょう。

DJ KAZURU