サントリーが出版している広報誌
Quarterly

これ自体は２００１年のものですから
相当前のもの。
「ミュグレーの君」（近所の美青年。
グルメ本を読み漁っている割には
ヘビースモーカーだったり
的確にワインを選べなかったり
ある時には、矢鱈大量の錠剤を所持していたり
どうも得体が知れない）が
持ってきて下さいました。

彼はスコッチ愛好家なので、この
シングルモルト特集を選ばれたのでしょうが
大岡玲とか江国香織とか大勢の作家が
スコッチに纏わる短編を寄せていて、結果
素敵な小説が沢山収まっている雑誌になっており
読み応え充分。

どうしてお酒は素敵な恋愛小説の
元になってしまうのかな。

熟成したスティルトンにヒースの蜂蜜を
かけたものをボウモアと共に差し出されて
陶然たる心地で
目の前の男性を見つめてみたり。（大岡）

国道沿いのディスカウント店でたったいま
買ったばかりの小さな壜に入ったウイスキーを
喉に滑り込ませた瞬間、とうに
誰かを失っていたことに気がついたり。（江国）

作家の書いたものの他に
ランソン社、副社長アルノー氏の文章なども素敵でした。
こういう発言をするトップが居る
会社の製品は大事にしたいなと思ってしまいます。

「十年ほど前にもシャンパン業界では
製法の大きな変革期がありましたが、ランソン社は
それに組しませんでした。そして、それは正解でした。
エレガンスを守るにはやはり頑固さも必要なのです」

いいこと言うなあ。

エレガンス
頑固
組しませんでした

どれもいい。

（DJ KAZURU）