本日のお茶請け
神戸栄町モン・プリュの焼き菓子
モンコパン。
・・・
このところ
武田百合子を再評価するうごきが
高まっているような気がするのだけれども
私も
どうしようもなく好きになってしまった。
有名な「富士日記」をはじめ
日記、雑文の類は秀逸。
「日々雑記」は1990年前後に
書かれたもの。
なので
比較的新しく、70年代生まれの
私にも親しみやすかった。
この本の出版直後に亡くなっていますが
現在、ご存命であったなら
どんな言葉で今の時代を
書き留めたか、興味あるな。
なんという事ない
夫、娘、猫との暮らし(「富士日記」では
夫と幼い娘との生活であったが、「日々雑記」では
武田泰淳はもうなくなっており
娘は離婚している)。
今日は何を買ったとか
何食べたとか、覚書程度のことから
たまたま目にした人と人との
遣り取りから頭に浮かんだよしなしごと。
それが
淡々と描かれているだけ。
特に気の利いたことを言ってやろうという
料簡も感じられない。
しかし、抜群に面白く感じる!
付き合いがあった
埴谷雄高や大岡昇平ら
大物文学者が登場するのも
読み手としてはおおっという感じですが
有名人など登場しない日、むしろ
何でもないことが彼女の記述で
光る。
日記というのは不思議なもので
その人の経験が一般人には
得難いものであるとか
また
芸術家など感性の豊かと思われる人の
ものならば面白いというものでもない。
武田百合子は当然
鋭い感性の持ち主に違いないのだけれど
短い文章に心を落とし込むのが
実に上手い。
なんてことのないベーシックな服でも
着こなし一つでおしゃれにしてしまう
女性、という感じ。
高額品などものともしない
センスで街を颯爽と歩く人、そんな
イメージが。
玄人っぽくはないのだけれど
なんだか「ただものではない」匂いがする。
(DJ KAZURU)
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