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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

不倫小説の顔した戦争小説

2013-1209musashinohujin

大岡昇平 著
「武蔵野夫人」拝読。

帯には
「不倫小説の極致」
とまで書いてあり
煽られますが
「昼ドラ顔負け」って
ことはありません。
頭でっかちな人々が
小さな輪の中で恋愛遊戯を
しているような感じ。

戦後
二組の夫婦の間に
若い復員兵が登場、そして
それぞれの妻の心を
かき乱していきます。

夫たちも
若い男の存在に
引きずられるように
「不貞を働きたい」欲望に
とらわれて
みんなが恋愛モードに。

ついには
はしばしに
引用される
スタンダールの
「赤と黒」みたいに
若い男は異質なものとして
皆がもてあますようになります。

「不倫小説」というからには
「一線を越える」的なことが
最初の山場になるはずと
思って読みましたけど
物語の半分以上すぎても
そんな場面はない・・・

このまどろっこしさよ!!

殆どが観念的な
不倫の話でして、昭和20年代は
それでも衝撃的だったのかなあ。

「武蔵野夫人」は
若い男との
恋心が成就したところで
自分の老いはもうすぐそこ、どうせ
上手くいきはしない、と
考えて苦悩するのですが
そんな彼女の年齢は
30歳。
若い男の年齢が25歳であるのだから
ふたりは5歳しか違わないわけですが
この感覚も昭和の前半ならでは。

今現在の感覚ならば
女性がせめて40歳にはなっていないと
合わない寸法の話です。

そんなこんなで
脳内で勝手にこじれた
恋模様は悲劇的なラストに
終わりますが
やはりこれは戦争小説の
側面も濃い、と感じました。
中年夫婦のぐだぐだではなく
復員兵の男の心情を
中心に据えて読むと
また異なる印象であります。

(DJ KAZURU)


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