林真理子著
「正妻」拝読。
最後の将軍である
徳川慶喜と妻・美賀子の物語を
林真理子が独特の
筆致で描いております。
ひとたび「歴史」になってしまえば
名将だった、
とか
裏切り者だった
などと
偏ったイメージで
人間が語られてしまうことも
多いわけですが
「丸ごと裏切り者」や
「どこまでも善人」なる人など
いるわけないわけで
歴史上の人物の
心のひだを
丁寧に掬い取ったような小説でした。
大河ドラマの
「天璋院篤姫」もそうだったけれど
倒幕、明治維新のあたりは
女性目線で見ていくと
新鮮だったりするものです。
美賀子は京都で育った
公家の女性ですから
「京都と江戸」
「公家と武家」の文化の差についても
しっかりと描かれています。
これを読んだ後ですと
現在でも、京都人が
首都・東京、なんていうのは
つい最近の話で、何もかも
京都が中心! だというのも
腑に落ちる気がいたします。
誰かの企みや
狡猾さ。
ちょっとした行き違いの積み重ね。
そんなことが今の時代を
作り上げた歴史ということなのだよなあ。
サイン、ゲットです。
(DJ KAZURU)
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