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TIM★CUBA・DISK大賞2003「年間最優秀賞」  

昨年のティンバ、キューバン・サルサ界の話題と合わせて
DISK大賞2003「年間最優秀賞」を発表します。

まず、年明け早々の話題は、バンバンのマレコン・ライブ。
VAN VAN「En el malecon de La Habana」
バンバンはここ数年、ペドロ・カルボの脱退、
サウンドの要プーピ・ペドローソの自身のバンド立ち上げ、
初の女性VOの加入、御大フォルメルの体調不良、
マジートの脱退情報とマイナスともいえるの話題ばかりでしたが、
ようやく新メンバーによる勢いあふれるCDがリリースされて
ほっとしたファンも多かったと思います。

そして、その話題も冷めないうちにもう一方のバンバンともいえるプーピのCDがリリース。
PUPY Y LOS QUE SON SON 「Que cosas tiene la vida」
プーピはバンバン在籍中からソロを3枚出していましたが、演奏のクオリティは今回が最高。
曲は前作からの演奏し直しが多いことからこのCDを事実上のデビューとしたい模様。
ライブをこなしているうちにバンド・サウンドが固まってきたのでしょう。

夏の話題はなんといっても、チャランガ・アバネーラとハイラの長期間の来日。
CHARANGA HABANERA「Soy Cubano Soy Popular」
そして、現在最も充実したキューバン・サウンドを聴かせるマノリートも待望の来日。

カルロス・マヌエルがキューバから亡命というニュースもはいりました。

エンビーディア・レーベル量産の要となるミュージシャン、
マイケル・ブランコ、デビュー。
MAIKEL BLANCO「Ya Llegaron Los Cubanos」

秋にはキューバン・サルサ界のベテラン勢のリリース続きました。
ADALBERTO ALVAREZ「Para Bailar Casino」
PAULO FG「Te Deseo Suerte」
ELIO REVE Y SU CHARANGON「Changui Homenaje 45 Anos」

そして11月にはティンバ、キューバン・サルサの歴史的な1枚がリリースされました。
バンバンのマイアミでのライブを2CDとDVDでというボーナス企画。
プーピ、ペドロ・カルボ在籍時のラスト録音であり、
マイアミでの政治的な背景を乗り越えてのライブという条件もさることながら、
オーディエンスの熱狂振りと、鬼気迫る程気合の入った演奏が聴き手を圧倒します。
超マスト・アイテム!でしょう。

ということで、DISK大賞2003「年間最優秀賞」は
VAN VAN「Live at Miami Arena」に決定です。
次点は演奏の素晴しさで
PUPY Y LOS QUE SON SON 「Que cosas tiene la vida」です。

(2004.3.13 福田カズノブ)

 


TIMBA・DISK大賞2003「最優秀新人賞」  

TIMBA・DISK大賞もいよいよ大詰め、2003年度新人賞の発表です。
ノミネート作品は以下の4点。
この中から、トップ・アーティストにまで上り詰めるのは誰か。

MAIKEL BLANCO「Ya Llegaron Los Cubanos」

エンビーディア・レーベル専属ミュージシャンとして
様々な作品に顔を出していたマイケル・ブランコ。
ついにソロ・CDデビューです。キューバのミュージシャンらしく、
パーカッション以外の楽器も担当する力量を持ち、
作曲、アレンジ能力も若手にしては特筆もの。成長株です。

EL ZORRO「La Vida Entera」

スイス人作曲家EL ZORROとキューバ人トロンボニストとのコラボレイトですが、
元ダンデンのピチをはじめ、数人のカンタンテを配した
完全なティンバ・アルバムとなっています。
マンボラマのサウンドのように、外国人がサウンドを仕切るとなぜか、
ソン、ラテン・ジャズ、デスカルガの要素が強くなりますが、
この作品はティンバのNEWグループとしての完成度があります。
ディレクトールはキューバ人に任せ、外国人は名前を前面に出すだけにすると
良い作品になるという好例。
今後はぜひこの方向で行ってほしいものです。

DORIS LAVIN「Doris Lavin」

元イサック・バンドのベースAlain Perezのアレンジが光る作品ですが、
ボーカルの女性も個性的で歌えます。

ULISES「Cuando Suena Mi Trombon」

スール・カリベに在籍していたトロンボニストのソロ・デビュー。
これもエンビーディア・レーベルからです。
レべに通じるサウンドと思ったら、元レベでした。

以上4作品の中で優秀新人賞は、今後の活動を期待して
MAIKEL BLANCO「Ya Llegaron Los Cubanos」に決定!
次点は、強力なティンバ・アルバムのEL ZORRO「La Vida Entera」です。

ティン☆クーバでもレギュラー曲となっているので
大音量のサウンドを楽しみに来てください。

(2004.2.29 福田カズノブ)

 


TIMBA・DISK大賞2003「CUBA国外部門」  
TIMBA・DISK大賞の部門賞、続いてはCUBA国外部門です。
この賞は、国外移住したキューバ人の作品と、
キューバ人以外のティンバ・テイスト溢れる作品を対象としました。

ここのところカルロス・マヌエルを始め、次々と海外に移住、あるいは亡命する
ミュージシャンが後を絶ちません。
彼らには活動の場を外に求めたりとか、経済的な理由があったりとかで、
複雑な理由があるのですが、音楽的には数年前とは違った傾向が出てきました。

以前は、国内はキューバン志向が強く、海外組みは非キューバンの傾向だったのですが、
ここのところ、国内組のティンバ・シンガーにPOPS志向が強くなり、
海外組みはかえって、ソンやルンバ、さらにティンバ志向が強くなってきました。
海外でPOPS色を出しても、キューバ人としての特徴がでないので、
思ったより成功しないということが判ってきたのだと思います。
早く、マノリンも諦めてティンバの新作を出せばよいのにと思いますが。

今やキューバ国内は、POPS、ROCK、HIPHOP、さらにレゲトンなどのバンドのデビューが
キューバン・サルサ勢をしのいでいるようです。

ティンクーバのDJとしては由々しきことなのですが、海外組みがキューバ志向を強め
素晴しい作品を発表してくれればそれはそれでOKかと。

というわけで、CUBA国外部門のエントリーは5作品。

OSVALDO CHACON 「Salsa timba」

元バンボレオのリードシンガー、ライターの2作目。
珍しくイギリスが活動の拠点。
出身バンドのサウンドとは異なる路線で才能が開花。

GUACO「Galopando」

ベネズエラのスーパーバンド。
1999年の作品あたりからティンバ・エッセンスを大胆に導入し、そして消化。
ティンバという音楽をキューバ人以外が演奏しかつ、数歩前進させた稀有な例。
VANVANなどにも匹敵するキャリアと実力。
キューバのティンバ系バンド、DAYRON Y EL BOOMなどは明らかにグアコ的なサウンド。

CARLOS MANUEL「Enamora O」

亡命したばかりのカルロス。POPS志向全快ではたしてマイアミでうけるか。
バックバンドのEL CLANはキューバ国内で頑張っている模様。

MILES PENA「Que seas Muy Feliz」

こちらは亡命組の大先輩。
キューバ人と言われなければ分からない普通のサルサ。
キューバ人のミュージシャンを雇ってガツンとした作品を期待したいところ。

EL ZORRO「La Vida Entera」

スイスの作曲家とキューバ人トロンボニストとのコラボレーション。
キューバ人以外との合作でこのテンションは特筆もの。
国外の作品にはたまにこういう傑作がでるので目が離せない。

以上、それぞれに特徴ある5作品の中での受賞は、
国外で才能が開花した
OSVALDO CHACON 「Salsa timba」で決定!

また、次点は唯一のキューバ人以外のバンドGUACOと
新人賞候補でもあるEL ZOROにしたいと思います。

(福田カズノブ/2004.2.15)

 


TIMBA・DISK大賞2003「ライブ部門」  
キューバのバンドのライブは圧倒的だ。
特にキューバ国内でキューバ人を聴衆にしたときのライブは強烈で、
聴衆のエネルギーとバンドのパワー、どちらが勝るか勝負しているような
ところもあります。

通常の録音は今でこそ機材がそろってまあまあですが、
1990年後半まではしょぼい内容が多かったため、
ライブのほうがいいという評価の方が多いくらいでした。

でもティンクーバのDJとしては、ライブ録音はあくまでも作品として番外編。
イベントで流すには、曲が長すぎ、ソロの部分も多いため基本的には不採用。
楽曲をそのものより、演奏を聴かせるというところに重点が置かれているので
しかたのないところです。

とはいっても、ライブ盤は実際に見た人にとっての思い出や
見たことのない人の憧れの対象としてはとても魅力的なものです。

そんなライブCDのTIMBA・DISK大賞2003エントリーは3作。

VAN VAN「En el malecon de La Habana」

2002年夏のハバナ、マレコン通りでのライブ。
ピアノのプーピ、ボーカルのペドロ・カルボらが脱退し
新メンバーになってからの初CD。
新生VANVANの健在ぶりを示した作品。

HAILA&CHARANGA HABANERA「Toropicalna 2003」

こちらは2003年夏、ハウステンボスでのライブ録音。
この組み合わせでのライブはキューバで1回あるが録音は初めて。
ハイラの次作のプロデューサーはチャランガのダビ・カルサードらしい。
ハウステンボスに行った人には良い記念。

VAN VAN「Live at Miami Arena」

VANVAN、マイアミ初上陸でのライブ録音であり、
プーピ、ペドロ在籍のラスト録音。
一言でいうと、歴史的な1枚。

エントリーしてはみたもののVANVANのMIAMIは別格扱いで
受賞は、VAN VAN「En el malecon de La Habana」!

2003年はこのライブCDの話題でスタートしたのを覚えています。

(福田カズノブ/2004.2.11)

 


TIMBA・DISK大賞2003「ダンス部門」  
TIMBA・DISK大賞2003続いての発表は「ダンス部門」です。

昨年発売されたCDの中でキューバン・ダンス・ファンは
まず持ってたいアイテムです。
最近聴き始めたので何から買って良いのかわからないという人も
このあたりがお勧めですね。

エントリーは下記の3作。
これに「大賞」を加えれば、2003年基本アイテムです。

* * * * * *

ADALBERTO ALVAREZ「Para Bailar Casino」

踊りやすいせいか、ティンクーバでかけるとフロアーが一杯になります。
ちょっと辛口のコメントを「観葉音楽」に書きましたが、
希望をこめてということで。

PAULO FG「Te Deseo Suerte」

ここのところバラーダ路線に傾き気味な我らがPAULO。
ティンバ一本というわけにはいかない状況ですが、
半分は踊れるナンバーです。(観葉音楽参照)

CHARANGA HABANERA「Soy Cubano Soy Popular」

チャランガ・アバネーラのリーダー、ダビー・カルザードに
2002年来日時、ラティーナ誌の仕事でインタビューした時の話を思い出します。
チャランガ・アバネーラのフロントは若くて、ハンサムで、踊りが上手いメンバーに
どんどんチェンジしていく方針なのに対して、
バック、特にリズム・セクションは少し時間がいるということを。

チャランガ・フォーエバーと分離してからを第2期とすれば、
この作品は代表作のひとつになるであろうクオリティ。
楽曲も演奏も歌にも勢いが溢れています。

踊るということをステージでも強調したそのスタイル。
キューバ最強のダンス・バンドはやはりチャランガ・アバネーラですね。

ということで、「ダンス部門」の受賞は、
CHARANGA HABANERA「Soy Cubano Soy Popular」!

(福田カズノブ/2004.2.8)

 


TIMBA・DISK大賞2003「カムバック特別賞」  
TIMBA・DISK大賞の各部門賞ですが、
エントリーCDをそれぞれ解説していく関係で、
いろいろ設定してみました。

前回の「コンテンポラリー・ソン」。
続いて「ライブCD賞」「ダンスCD賞」「CUBA国外部門賞」。
特別賞として「カムバック賞」。
そして「TIMCUBA最優秀新人賞」「TIMCUBA・DISK大賞」です。

************

今回は、特別賞である「カムバック賞」の発表です。
エントリーは4作品。

LA BARRIADA「Rio Abajo」

渋谷にあったライブ・レストラン「ム・チャーチャ」に出演していた
ユムリ・イ・ス・エルマノスの元メンバー、ケーメル。
ライターの才能が豊かで自身のバンドを立ち上げ、
1997年にはアオハタ・ジャムのCFが日本中に流れたことも。
同年には日本盤も発売され、新宿高島屋のオープン当初、
ランジェリー・ショーのバックバンドで演奏する。
2001年にはライブ盤も出たが、EGREMからの新譜は久々。

DANAE「Pido」

コンテンポラリー・ソン部門で受賞したDANAE。
実は1996年に「5U4」というグループのボーカルで
「U−TURN」というCDを出しています。どおりで歌えるはず。

CONEXION SALSERA「Conectate」

1997年のセカンドCD以来のカムバック。(観葉音楽参照)

ELIO REVE Y SU CHARANGON「Changui Homenaje 45 Anos」

2000年「ノラの家のチャングイ」(AORA)以来のカムバック。
内容も、今は亡きREVE御大時代に戻ったかのようなグルーヴで、
ティンバ的な要素も消化し、唯一VANVAN勢に対抗できる存在感。
もともとVANVANはレべから生まれた親子なのだから、
本家おやじ側の完全復活ですね。
キューバ国内でも久々にヒット曲を出しているようで、
札幌のKAJIWARA氏も涙々でしょう。

というわけで、カムバック賞は
ELIO REVE Y SU CHARANGON「Changui Homenaje 45 Anos」が堂々の受賞です。
KAJIWARAさん、ぜひまた日本に呼んでください。

(福田カズノブ/2004.2.4)

 


TIMBA・DISK大賞2003「コンテンポラリー・ソン部門賞」   
まずは「コンテンポラリー・ソン」部門。
ENVIDIAレーベルが続々と良作をリリースする中、
ティンクーバ福田カズノブが選出したのが下記の4作。

ADALBERTO ALVAREZ「Para Bailar Casino」

ティンクーバではというよりキューバン・ファンにはお馴染みとなったタイトル・ソング。
常に最も踊りやすい曲を提供してくれている巨匠アダルベルト・アルバレス。
健在振りが嬉しい。(観葉音楽参照)

DANAE「Pido」

キューバNO.1サウンド・ディレクター、Joaquin Betancourtの仕事が冴える1枚。
どの曲もレベル高し。しっとりと聴かせる。
バックもキューバのトップ・ミュージシャンで固めた名演。
ティンクーバでは、深夜に結構流れました。

DORIS LAVIN「Doris Lavin」

もとイサック・バンドのベースAlain Perezがサウンド・ディレクションしたもの。
ソンを基調にしながら、アレンジはサルサを通り越してティンバを採用した実験作。
レベルの高い演奏です。ティンクーバでは数回流れました。

JOVENES CLASICOS DEL SON「Tambor en el Alma」

ファンキー・トレス奏者コトー、若手の名ソネーロ、エル・ネネを輩出しつつ、
さらに疾走するホーベネス。
まさにコンテンポラリー・トラディショナル・ソンの未来。
ゲストに、チューチョ・バルデス、コトー、タタ・グイネス、チャンギートなど。
トラディショナル・ソンは地味なんでちょっと、という人は一度聴いてみてください。
下手なTIMBAが吹っ飛ぶようなグルーヴとスピード感です。
過去に1回流れたことがあります。

4作ともそれぞれ良いのですが、「コンテンポラリー・ソン」部門のベストは
最も自宅で聴いた1枚ということで、DANAE「Pido」に決定!です。

そして、次点はJOVENES CLASICOS DEL SON「Tambor en el Alma」です。

(福田カズノブ/2004.2.2)

 


TIMBA・DISK大賞2003 その1   
ティンクーバの福田カズノブによる
2003年度「TIMBA・DISK大賞」を発表します。

他のジャンルは毎年必ず行っているDISK大賞ですが、
「ミュージックマガジン誌」や「ラティーノ誌」がラテンとして
少し取り上げるだけであまり見当たらないのが現状です。
そこでティンバ、キューバン・サルサ専門サイトでもあるティンクーバCOMでは
業界初企画として行うことにしました。

エントリーは、昨年、日本あるいはインターネットで購入可能になったものの中から
福田カズノブが独自に選出したものです。

発表内容について、こんなCDもあるとか、私はこう思うとか、
意見や感想をもらえるとさらに幅が出て嬉しいです。

では、エントリー作品を月別に。

(1月) LA BARRIADA「Rio Abajo」
(2月) VAN VAN「En el malecon de La Habana」
(2月) PUPY Y LOS QUE SON SON 「Que cosas tiene la vida」
(2月) OSVALDO CHACON 「Salsa timba」
(3月) DORIS LAVIN「Doris Lavin」
(3月) JOVENES CLASICOS DEL SON「Tambor en el Alma」
(4月) GUACO「Galopando」
(5月) CARLOS MANUEL「Enamora O」
(6月) MILES PENA「Que seas Muy Feliz」
(6月) CHARANGA HABANERA「Soy Cubano Soy Popular」
(6月) DANNY LOZADA「Lo Mejor de mi Corazon」
(6月) DANAE「Pido」
(7月) MAIKEL BLANCO「Ya Llegaron Los Cubanos」
(8月) HAILA&CHARANGA HABANERA「Toropicalna 2003」
(8月) CONEXION SALSERA「Conectate」
(9月) ADALBERTO ALVAREZ「Para Bailar Casino」
(9月) PAULO FG「Te Deseo Suerte」
(11月) ULISES「Cuando Suena Mi Trombon」
(11月) VAN VAN「Live at Miami Arena」
(11月) ELIO REVE Y SU CHARANGON「Changui Homenaje 45 Anos」
(12月) EL ZORRO「La Vida Entera」

以上、全21作品を候補にして各賞を順次発表してきますので
お楽しみに。

(福田カズノブ/2004.2.1)

 
▼観葉音楽 Vol.1


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