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ティルソとミッチェル・マサのソロ・アルバムが2月と3月に相次いでリリースされました。 共にチャランガ・アバネーラの卒業組。 ミッチェルはチャランガの黄金期、第1作〜4作目のトップ・ボーカリストで、 その後チャランガ・フォーエバーを経て、自身のバンドを結成。 ブートレッグのライブCDやコンピレーションCDはありますが、正式なソロ作は初めてになります。
一方のティルソは、第2期のカンタンテ&作曲家として活躍。 第5作から6作目まで在籍し、その後プーピのバンドに参加して、現在はソロとして活動。 今回のソロCDデビューとなったわけです。
レーベルは共にインビーディア。 この2枚のCDは、2人の足跡同様、似たような内容となりました。 エンビーディア・オールスターズをバックにしたそのサウンドは、 ティンバレスとトロンボーンを強調したソン・テイストに重心をおいたサウンドで、 この編成でティンバを演奏したら面白いという聴き所もありますが、 出身バンド、チャランガ・アバネーラの演奏にはまったく追いついていません。 また楽曲もチャランガ時代のものに力があって、新曲は今ひとつです。 エンビーディア・レーベル・カラーは明らかにソンなので、 ティンバがどんどんこうなるとまずいですね。
行き過ぎたティンバの、それも最も走っていた2人のサウンドから牙を抜いて、 ソンに引き戻してしまった感じです。 やっぱり、自身のバンドメンバーで新曲勝負にでないとダビ・カルザードには勝てないでしょう。
とはいっても、ティルソのライターとしての才能、 ミッチェルのボーカリストとしての能力はもったいないくらいのものがあります。 次作はぜひ、バンドサウンドを展開してほしいものです。
(福田カズノブ/2004.6.19)
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