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TIRSO DUARTE&MICHEL MAZA  
ティルソとミッチェル・マサのソロ・アルバムが2月と3月に相次いでリリースされました。
共にチャランガ・アバネーラの卒業組。
ミッチェルはチャランガの黄金期、第1作〜4作目のトップ・ボーカリストで、
その後チャランガ・フォーエバーを経て、自身のバンドを結成。
ブートレッグのライブCDやコンピレーションCDはありますが、正式なソロ作は初めてになります。

一方のティルソは、第2期のカンタンテ&作曲家として活躍。
第5作から6作目まで在籍し、その後プーピのバンドに参加して、現在はソロとして活動。
今回のソロCDデビューとなったわけです。

レーベルは共にインビーディア。
この2枚のCDは、2人の足跡同様、似たような内容となりました。
エンビーディア・オールスターズをバックにしたそのサウンドは、
ティンバレスとトロンボーンを強調したソン・テイストに重心をおいたサウンドで、
この編成でティンバを演奏したら面白いという聴き所もありますが、
出身バンド、チャランガ・アバネーラの演奏にはまったく追いついていません。
また楽曲もチャランガ時代のものに力があって、新曲は今ひとつです。
エンビーディア・レーベル・カラーは明らかにソンなので、
ティンバがどんどんこうなるとまずいですね。

行き過ぎたティンバの、それも最も走っていた2人のサウンドから牙を抜いて、
ソンに引き戻してしまった感じです。
やっぱり、自身のバンドメンバーで新曲勝負にでないとダビ・カルザードには勝てないでしょう。

とはいっても、ティルソのライターとしての才能、
ミッチェルのボーカリストとしての能力はもったいないくらいのものがあります。
次作はぜひ、バンドサウンドを展開してほしいものです。

(福田カズノブ/2004.6.19)

 


京都メトロ  
5月29日、京都のラテン・イベントに久しぶりに出かけました。
お目当ては、「Metoro Calle Latina 」。

このクラブは、名前のとおり京阪線の地下駅から外に出る階段の途中に入り口のある
まさにメトロな立地のクラブで、京都でも5本指に入る有名な箱です。

今回このイベントに来るきっかけとなったのは、
5月1日に大阪で開催したTIM☆CUBAで知り合いになった京都の人からの紹介でした。
もらったチラシによると、なにわの凄腕サルサ・バンド「Orquesta TIGRE」も出演するとのこと。
まだ、見たことがなかったのでこちらも魅力です。

イベントの開始はPM11頃から。中に入ると既にDJタイムの真っ盛りで、
プエルトリカン・マナーなサルサやメレンゲ、ラテンHIPHOPが縦横無尽に流れていて、
それぞれ自分思いにペア・ダンスをしたり、自由に踊ったりしています。
知人からDJの2人を紹介してもらい、ご挨拶。
以前のイベント「Latino Conexion 」が終了してから、2人で新規イベントを立ち上げたそうで、
なかなかがんばっています。

このハコは、京都という場所柄かラティーノを中心としながらも外国人のお客さんが多く
独特な雰囲気を持っています。
選曲もサルサ一辺倒ではなくバラエティさがもとめられそうですが、
その中でDJカラーを出していくにはかなりパワーが入りそうでした。

キューバものやグアコがかかると踊りたくなるので、何人か誘っておどりましたが、
皆、キューバマナーがそうとうこなれた人ばかり。
どうも先日DJ Kazuruといったキューバン・パーティ「GORDY」の常連メンバーの女性達のようでした。
ここの人達はイントラに教わることなく自習でこのレベルのダンスを習得しているというのですから、驚きです。
ライブ後に踊っていた男性もかなりの踊り手で女性だけでなく男性もマエストロだらけです。

ライブはAM1から90分間。
元ヒューマンソウルという通好みソウル・グループに在籍していたトロンボニストが
リーダーのバンドで、NYサルサを中心に、ラテン・ジャズも演奏するようです。
有名曲のカバーが多い中、トロンボーンを中心としたホーン・セクションの音圧と
粋なタイミングの掛け声はかなり乗れます。
深夜という条件で、ライブの後半が中だるみしたのは残念ですが、一見して損はないバンドです。

関東から見ると、大阪、神戸、京都ともサルサのイベントは同じカラーに感じますが、
特に京都は独特で、ペアダンスより音楽を楽しんでいる土地柄のようです。

会場で知り合った人達からは、ぜひ京都でTIM★CUBAをとリクエストがありました。
ぜひ実現したいと思っていますので、そのときは皆さんよろしく。
また、関東のティンクーバ・ファンも参加をお勧めします。
京都の人のキューバン・ダンスは僕が今まで見た中では全国有数のレベルです。

(福田カズノブ / 2004.5.31)

 


MONOLITO Y SU TRABUCO  
MONOLITO Y SU TRABUCOの新譜はもう皆さん持ってますよね。
今作の出来はキューバ音楽ファンにとっては賛否分かれるところでしょう。

以前からのオールド・ファンは、軽くなってだめになった、と言うでしょうし。
昨年の来日公演から好きになった人は、ライブで演奏していた未発表曲が
入っていることもあって手放しで最高と言いそうです。

このMONOLITO Y SU TRABUCOはデビューの頃は、
チャランガ・アバネーラやマノリンの大人気の影で実はあまり注目されていませんでした。
音楽性は、マノリート・シモネーの出身母体であるマラビージャ・デ・フロリダそのもので、
違いといえばフロリダのチャランガ編成(バイオリン、フルート)に
トランペットを加えたくらいでした。
その後、第3作目にボーカリスト兼作曲者としてリカルド・アマレイが加入。
このころから、曲がいっきにダイナミックに垢抜けていきます。
その後は、出すたびに評価を上げ、今やキューバのNO1人気バンドとなったわけです。

前回のコラムでも触れましたが、マラビージャは進化拒否型で、
マノリートは進化型の遺伝子を持っています。
どのバンドも進化拒否時代の伝統的サウンドから進化型への移行期に
最高傑作が生まれるようです。

マノリートは今作で中期の骨太サウンドから決別して、
都会派キューバン・サウンドを確立させながら世界市場を目指していくのだと思います。

今年の夏も、日本全国マノリート大ツアーがあるようですね。
皆さん8月は予定を空けておきましょう。


(福田カズノブ/2004.5.7)

 


SON 14  
ソン・カトルセの新譜がでました。

このバンドは1980年代の初頭にアダルベルト・アルバレスが
ルンババーナのようなバンドに憧れ、サンチャゴ・デ・クーバで
結成したのがスタートで、その後
アダルベルトがハバナに拠点を移し
アダルベルト・イ・ス・ソンを立ち上げたのに対し、
居残り組みとなって、そのままソン・カトルセを引き継いで
現在までサンチャゴで活動を続けているバンドです。

CDの内容は1〜2曲を除いてまったく前作と変わらず。
変わらないのがソン・カトルセたるところです。
一方のアダルベルト・イ・ス・ソンは何年かおきに変化していきます。

ここで思うのですが、変化する遺伝子を持ったバンドと
変化を嫌う遺伝子を持ったバンドがあるのだなあということ。

パチート・アロンソ、アラゴンなんかも変化しないで伝統のサウンドを
守り続けています。
一方、変化するバンドの代表はチャランガ・アバネーラ。
最新作(ベスト盤のさらに次)では、遂にノン・サルサにまでなってしまいました。

こういうバンドの評価は、「よくぞここまで変えた。今回はパスして次作を期待しよう。」
という感想が正解でしょう。
こういう実験がキューバ音楽の進化を支えてきたのだから。

というわけで、ソン・カトルセの評価は
「なにも変わらず、さすがソン・カトルセ、最高。」ですね。

(福田カズノブ/2004.5.5)

 


TIM☆CUBA@大阪  
既に、DJ KAZURUのコラムでも話題になっていますが
関西初のティンクーバは大成功でした。
来てくれた皆さん、応援してくれた方々、本当にありがとう!
特に、東京からはるばる来てくれた人が大勢いらしたので
驚きと感激で一杯です。

大音量、ノンストップで、レッスンも何もなく、
ひたすら最高なキューバン・サウンドで埋め尽くす。
他には例がない、ティンクーバのスタイルが大阪でどう受け止められるのか。
開催前は不安でしたが、結果は充分、楽しんでもらえたようです。

これで、ティンクーバは東京、大阪2拠点開催のイベントと
なったわけで、定例となればサルサ関係では初になることでしょう。

DJは、珍しく私、FUKUDAが6時間近くのロング・プレイ。
最新CDから、隠れた名曲のセレクトまで充分にかけることが出来て充実でした。

もちろん、DJ KAZURUはメインの時間帯に登場し、
最新リミックス・トラックを披露。
同じキューバンをかけても、まったくDJカラーの違う
KAZURUワールドが大展開して盛り上がりました。

関西では、選曲、イベントの雰囲気どれをとっても
ティンクーバは異色なのでそのうち話題になると思います。
これは、六本木でも同じですが。
ただサルサをかけて、集客を目指してでは、他と同じで
わざわざ開催する意味がないですから。

(福田カズノブ/2004.5.4)

 


SUR CARIBE  

スール・カリーベの2作目が出ましたね。
この新作、ショップでかかっていて気になって思わず
キューバもんですか?と質問してしまいました。
大抵は、ヴォーカルの声質とサウンドの特徴で
分かるのですが、これはちょっと分からなかった。

キューバ国内では人気上昇中とか。
演奏はバンドグルーヴが良く出ていて
ライブも良さそうな感じです。

そのサウンドの特徴は、ずばりアフター・バンバンですね。
それもそのはず、アンヘル・ボンネ、ペドロ・カルボ、ロベルトンと
元、現バンバンのフロントがゲストで歌いまくりです。
リズムはバンバンのクラーべ感をやや後退させ、
GUACOや最近人気のダイロンに近づけた感じです。
少し、日本人のペア・ダンスには向かないかもしれませんが、
キューバ人ならば踊りまくりでしょう。

最近はバンバン系のバンドがホントに多くなりました。
プーピ、ペドロ・カルボ、アンヘル・ボンネ、元祖バンバンそして
このスールカリーベと5バンドにも増幅中。

(福田カズノブ/2004.4.20)

 


AZUCAR NEGRA その2  
アスーカル・ネグラの新譜を聴きこんでみて
感じたことがありました。
キューバの場合、狭いHabanaに殆どのバンドが拠点をもっていること。
レコード会社も国内、外資を含めても数社という現状。
日本や欧米と比べると考えられないほど濃密な状況です。

アスーカル・ネグラの前作は2000年、
この間4年、バンドのライブ活動は継続しているわけで、
メンバーも2回、3回と入れ替わっていても不思議ではないですね。
つまり、リーダーの存在以外の部分はボーカルも含め、
別のバンドになってしまうこともあるわけです。

こんなことを考えて、新しいバンドとして聴き返してみると
その完成度は素晴しい限り。
4、11曲目はコンピレーションなどで、前メンバーの録音が
レア・アイテムとして残っていますが、他の楽曲はそれ以降のもの。
この2曲と他の曲を聴き比べてみると、
リモンタの作風がはっきりと変化したことがわかります。

今まで以上に、キューバ音楽の特徴が強く出ていますね。

(福田カズノブ/2004.4.17)

 


AZUCAR NEGRA  
アスーカル・ネグラの新譜がついに出ました。
新作が最も待ち望まれていたバンドの1つですね。

前作が最高の出来だったので、期待は膨らみます。
ハイラ抜きで、バンドメンバーも大幅にチャンジしての再出発ですが、
リモンタの曲は相変わらず素晴しく、ホアキンのプロデュースもあって
話題の1枚となるのはまちがいありません。
キューバンのペア用には最適の1枚でしょう。

バンド・リーダーのリモンタは、本当に良い曲を書きます。
ポップさとティンバ、キューバン・サルサ色の絶妙なバランスは
群を抜いています。

今回は男性VOが弱く、やや演奏も軽いのですが、
ぜひ、彼のバンドには良いプレイヤー、歌えるカンタンテが終結して
ほしいものです。

(福田カズノブ/2004.4.12)



 


イベントの詳細  
TIM★CUBA@大阪

5/1 (土) Cafe Reinas
19:00-24:00 \1500w1d
DJ FUKUDA and more

06-6761-5167
大阪市中央区高津1ー9ー8大門ゴールドタワー2F

地下鉄の日本橋駅or谷町九丁目駅から千日前通りを
松屋町筋との交差点に向かって徒歩3〜5分
フロアはかなり広く、ルエダもばっちりです。

とりあえず大阪では、僕のDJでキューバンの地ならしを
することになりました。
当日、DJ KAZURUはディエゴ君と遊んでるそうです。
たまには、僕も踊りたいのでその時はチェンジ依頼ですね。

京都と神戸では、時たまキューバン・イベントはあるのですが、
こてこてのはずの大阪には現在は存在していません。
以前、カルボ氏がBTFやエントレで、
またTUYUKOちゃんが仲間達とやっていたようですが、
まったくないのは寂しいし、
キューバン・フリークからイベントの希望もでていたので
遅ればせながらの大阪開催になりました。
YAMADA氏やディエゴ、そしてSAKUMAさんには感謝です。

当日は東京からルエダ・チームが大挙して参加してくれるので
大阪のキューバン・フリークは全員集合すべきですね。

関西以外で興味のある方、大阪観光も兼ねていかがでしょう。
5/1晩はティンクーバ、
5/2の夕方には、梅田空中庭園でキューバ・フェアと
サブロースラ・デルソニードのライブ。
夜は、Cafe ReinasでベーシストYAMADA氏率いる
関西のトップ・サルサ・バンドのダンス・イベント。
5/3、4もCafe Reinasでキューバン・ナイトとプエルトリコ・ナイト
というラインナップです。

* * * * * *

今日、実は「アスーカル・ネグラ」「スール・カリーベ」
「ソン・カトルセ」「フィリックス・バロイJR」の新譜が手に入ったのです!
試聴レポートは次回に。

(福田カズノブ/2004.4.9)

 


大阪でTIM★CUBA  

お久しぶりです。
ディスク大賞が完結してから、六本木でティンクーバを開催して、
ホッと一息していたら1か月近くたってしまいました。
これからは、気楽に軽めにキューバな話題を展開していきますね。

DJ KAZURUのREMIXは、ここのところ進化の一途をたどっていて、
繋いだところがまったく分からないことがあります。
曲を知らなかったら、そういう曲だと思うでしょうね完璧に。

僕のほうは、キューバン・サルサ、ティンバのカタログ志向にさらに磨きがかかって、
膨大なストックの中から珠玉の名曲のピック・アップ作業を進めています。
もちろん、最新盤や未発表曲のチェックも怠りなくしていますが、
すべて聴いてみると1997年から2000年あたりがティンバの黄金期だということは
間違いないですね。

そんな訳で、僕がメインDJのTIM★CUBAを大阪で開催することになりました。
キューバンだけのイベントは大阪では極めて珍しく、
ダンスフロアがどんな感じになるのか想像がつきません。
4年前、六本木Heatでスタートするときのような感じです。

日程は5月1日です。詳細は次回に。

(福田カズノブ/2004.4.8)

 
▼観葉音楽 Vol.2


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