KAZU FUKUDA

KAZU FUKUDA
観葉音楽
Vol.4
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KLIMAX
2004年9月17日(金)

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キューバ音楽のとるべき道は?
2004年9月14日(火)

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PACHITO ALONSO
2004年9月3日(金)

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コントラ・ティエンポ
2004年9月1日(水)

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チャランガ・アバネーラ&ハイラ
2004年8月31日(火)

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マノリート その3
2004年8月21日(土)

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マノリート@名古屋 その2
2004年8月17日(火)

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マノリート@名古屋 その1
2004年8月15日(日)

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キューバ音楽の現状 その3
2004年8月12日(木)

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キューバ音楽の現状 その2
2004年8月11日(水)

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キューバ音楽の現状
2004年8月11日(水)

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この夏のキューバ・ライブの見所
2004年7月29日(木)

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CHARANGA FOREVER
2004年7月6日(火)

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観葉音楽 By KAZU FUKUDA

観葉音楽 By KAZU FUKUDA

▲INDEX  
 KLIMAX

今年リリースされたキューバ音楽のCDはティンバ・サルサ系だけでも
9月現在、30作以上になっています。
CDリリース数だけを見るとかなりの活況といえます。

  ◇    ◇    ◇    ◇    ◇

7月ごろにはクリマックスの新譜「Nadie es Parece a ti」もでました。



前作がジャズそのものだったので、今回は踊れる内容と賞賛されていましたが、
クリマックスの場合、ただ踊って楽しいという切り口だけではもったいない程、
楽曲の完成度には高いものがあります。
アイデアが詰まりすぎて、1曲としての展開では収まりきらない感じです。

リーダーのピロートは、NGの結成にドラマーとして参加し、
その後初期イサック・バンドのドラマー兼ディレクトールとして活躍。
作曲家としてチャランガ・アバネーラなどに曲を提供していました。
そして、自身のバンド、クリマックスを結成。
1980年代後半に、イラケレやNGのトスコが実験していた
ティンバの核となるリズムをさらに展開させています。

ティンバ・バンドは数多くありますが、リズムそのものにオリジナリティを
もっているバンドはバンバンなど幾つかしかありません。
また、そのリズムをさらに発展させているミュージシャンは数人でしょう。
そういう意味では、キューバ音楽界では貴重な存在です。

ピロートの生み出すリズムは国内のアレンジ・アイデアを刺激し、
海外ではグアコ、ティンバ・ロカなどに強い影響を与えています。
じっくりと聴き返さなくてはならない1枚ですね。


2004/09/17 
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 キューバ音楽のとるべき道は?

BBSがコラム化するような感じで盛り上がっていますね。
それぞれの意見はとても内容が濃く、
他のサイトにはない展開になってきたと感じています。
ここで、キューバ音楽はどういう方向へいくべきか僕なりの見解を書いてみたいと思います。

まずひとつ思うのは、どうもキューバ人以外ラティーノは
あまりキューバ音楽が好きではないようだということです。
特にティンバ系ではイサックくらいですね、人気があるのは。
ダンスもキューバンは敬遠されています。
理由を聞いたことはないのですが、キューバ音楽やキューバン・ダンスのもつ高度さ、
緻密さが、彼らの肌には合わないというか、鼻につくのではないでしょうか。
コンプレックスを持っているといってもいいかもしれません。
また、彼らにはプエルトリコ、コロンビア、ドミニカなど、
それぞれのラテン・ミュージックがありますから、
わざわざキューバを聴かなくてもと思っているようです。

もうひとつ、アメリカ合衆国のメジャー・レーベルでキューバ音楽を宣伝していくには
制約がありすぎること。
マイアミでコンテンポラリー・キューバンをやろうとすると半カストロ派が
うるさく経済的な成功は難しいということです。

この2点があるので、キューバ音楽のアメリカ国内をはじめとする
中米・カリブでの成功は現状ではありえないといえます。
もちろん政治的な対立も大きく影響しています。

それでも彼らはアメリカ合衆国やラテン音楽界で成功したいようで、
亡命したり、POPアルバム出したりしています。
キューバの土地を離れ、キューバのリズムを離れてでも外へ出ていきます。

一方、ヨーロッパや日本では、他のラテン・ミュージックとは
一線を引く形でキューバ音楽は聴かれているようです。
高度なテクニックによるリズムと独特なメロディが高い支持を得ています。

キューバ音楽の取るべき方向は、政治的な対立のあるアメリカ合衆国を避け、
ヨーロッパと日本向けにキューバ国内での演奏そのものを提示すべきことが最良ではと考えます。

それを、日本やヨーロッパが強く支持すれば、ブラジル音楽のように
ワールドミュージックの片隅から音楽大国として
キューバ音楽が復活するのではないかと思います。

もちろんそうなるには、日本国内でのCD売上や来日コンサートの集客が
今よりもさらに大きくなることが必要ですが。


2004/09/14 
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 PACHITO ALONSO

パチート・アロンソの新譜がリリースされました。
2月にもCDが出ていますが、こちらは以前録音されたものなので、
現在のパチート・アロンソが楽しめるのはこちらのほう。

このCD、内容はなかなかのもので、ずばり好盤です。
キューバン・サルサ好きの人ならば、通からビギナーまで楽しめるでしょう。
今までは、どこか「いなたい」感じの曲調でしたが、
息子2人の作曲とVOが光っていて、垢抜けました。
バンボレオ結成で主要メンバーを抜かれたパチート楽団の復活ですね。

このパチート・アロンソの父親はパチョ・アロンソという有名な歌手で
ピロンというリズムの曲を往年にヒットさせています。
これでこのバンドも世代交代が進んで、三世代にわたる楽団の継承になります。
レベもそうですが、このあたりがキューバ音楽の底力の源といえるでしょう。

僕はアナログ盤のコレクターでもあるのですが、1980年代から続くバンドは
どのバンドも重厚で聴き応えがあるので、大好きです。

(福田カズノブ)


2004/09/03 
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 コントラ・ティエンポ

大阪のマノリート・イ・ス・トラブーコのライブは体育館的な会場で音響が良くないので
聴き込むのは名古屋、踊って盛り上がるのは大阪とライブ前から決めていました。
前から数列目でのマノリートのライブは、フロントと一体になって音を浴びることが出来ます。

そこで再確認したのですが、フロントのステップの基本はコントラ・ティエンポでした。
オン1で踏むところは、ヒップホップ調のところくらい。
後半の盛り上がりは、シントゥーラですね。一部、ルンバもありました。
フロントのステップはもちろん音楽にリンクしているので、
かってに踏んでいるわけではありません。
以前は定説だったのですが、あらためてキューバ音楽の基本は
コントラ・ティエンポなのではないかと感じました。

ところが、ペア・ダンス、カシーノになると、レッスンがオン1主体なので
日本ではティエンポ、オン1で踊る人が圧倒的に多いですね。
この傾向は本場キューバのハバナでも同様のようで、
コントラ・ティエンポで踊る男性はサンチャゴの方に多いようです。

DJイベントTIM★CUBAでは、どんなスタイルで踊ってもらっても良いのですが、
中にはコテコテのキューバン・スタイルを求める人が何人もいて、
トラディショナル・ソンのようにゆっくり目の曲ではなく、
普通のテンポの曲をコントラで踊ると気持ちいいという人が多くなってきました。

やっぱり、キューバ音楽の基本ステップはコントラ・ティエンポのように感じます。

(福田カズノブ)


2004/09/01 
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 チャランガ・アバネーラ&ハイラ

チャランガ・アバネーラ&ハイラのコンサートを渋谷で見ました。
個人的には、期待を裏切る方向へどんどん進んでいると感じました。

ダビ・カルザードはもともと欧米流のエンターテイメントを目指しているので
向こうの土俵であるポップスで勝負したいのでしょう。
チャランガ・アバネーラの次の新譜は全面ノン・サルサということですし、
ハイラの新譜もティンバは1曲だけです。

一方、ハバナの若者の好みは、現在レゲトン一色のようなので、
どうも由々しき事態が進行していますね。

すぐに全てが変わることはないと思いますが、ソンの発展の系譜が
ティンバで途切れるようなことは避けてほしいと感じています。

そのためには、面白くないことは面白くないとはっきり意思表示すべきと考えます。
コンサートで盛り上がって拍手をしておきながら、
なんかつまらなかったという感想を持つのならば、
そのときに拍手をしないとかで意思表示をすべきでしょう。
でないと彼らはこの方向で受けていると誤解していきます。

キューバ音楽の生演奏は他国の人が初めて接すると
度肝を抜かれて唖然としていることが多いので、
演奏者からすると受けていないと感じるのかもしれません。
このあたりに誤解の出発があるようです。

ただ、この路線のチャランガやハイラのほうが一般的にはわかりやすいのも事実なので、
一概にだめだというのは個人的過ぎる感想かもしれません。
ダビ・カルサードは確信的なので、やっぱりだめなので元の路線に戻ろうと考えるまで、
僕はもう一方のチャランガであるフォーエバーに期待していこうと思っています。

*     *    *    *
ちなみに、コンサートで最も良かった曲は、
Lola LolaとトランペットがVOをとったソンでした。


2004/08/31 
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 マノリート その3

キューバ在住の知人が現在、日本に里帰りしていて話をする機会がありました。

マノリート・イ・ス・トラブーコはキューバ国内でも爆発的な人気で、
会場に入れないほど人が集まるそうです。
理由はここのところ立て続けにキャッチーなメロディをもったヒット曲を
連発しているからで、特にリカルド・アマレイの人気は凄いとの事。

王者バンバンもプーピもそれほどのヒットがないので爆発的な人気はないそうです。
一方、バンボレオは復活の兆しありとか、スール・カリーベは通に人気があるよう。
後、ガルディも話題になっているそうです。
日本からは現地のヒット・チャートはリアルにはわかりませんが、
どこの国でも流行り歌というのはあって、
それで人気が大きく左右されるのは同じですね。

名実共にNO.1のマノリート・イ・ス・トラブーコは
まさに絶頂期での来日となったわけで、
キューバ音楽では稀な来日コンサートだったのだといえそうです。


2004/08/21 
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 マノリート@名古屋 その2

マノリート・イ・ス・トラブーコのサウンドの特徴はオーケストレーションだと思う。

まず基本となっているのがギロ、コンガ、ベース、ピアノのアンサンブル。
そこに、エル・インディオとフルートのコロがあって、リカルドのリードVOが乗る。

ドラムスはバスドラを重視。あとはティンバの味付け。
この基本に、2トロンボーンの中音に2トランペットの高音。
チェロ、バイオリン、フルートは、チャランガ編成の香りとギロ感を倍増させる役割。
最後に、第2キーボードと第3カンタンテのラサロは、色を加える。

それぞれのテクニックをひけらかすわけではないのに、
個々の音はくっきりとメロディとリズムを刻んでいて、
それでいて全体が1つのグルーヴの中にある音楽。

キューバ音楽の素晴らしさを堪能できるバンドだと感じた。

ただ、昨年に比べると、キューバでのトップ・バンドを維持するためか、
ボーカルのラサロや第2キーボードの出番を増やして、
派手なステージング志向をとっているようだが、
マノリートの魅力の本質からは外れているように思う。

競争激しいキューバの音楽界。同じことをやっていては直ぐに飽きられるのか、
変化を求めて、トップの維持に努めているようだ。

個人的にはリカルドの作曲とマノリート・シモネーのアレンジにこれからも期待したい。
そんなことを感じたライブだった。

(福田カズノブ)


2004/08/17 
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 マノリート@名古屋 その1

マノリート・イ・ス・トラブーコの名古屋公演、とても充実していて
良かったです。感想はその2ということで、今回は公演のラインナップをどうぞ。

大阪とは曲順、内容も若干異なっていましたが、他地区はどうだったでしょうか。
記憶頼りな部分も入っていますが、ほぼ正確です。

だれが「世界に一つだけの花」をマノリートに教えたのかわかりませんが、
個人的には、この曲と島唄、チャンチャンは要らない曲ですね。
もっと、オリジナルでいい曲が沢山あるのでそっちをやってほしかったです。

マノリート@名古屋 演奏曲目

1. Se rompieron los termometros (Se rompieron los termometros) @
2. Aqui cada uno viene con lo suyo (Locos por mi habana 日本盤)A
3. El diablo colorao        (Se rompieron los termometros) A
4. チャン・チャン
5. Tu me dijiste mentiras (Se rompieron los termometros) F
6. 世界に一つだけの花
7. NO te pases (Locos por mi habana 日本盤)G
8. Saliditas contigo        (Para que baile cuba) E
9. コモフェ
10. Locos por mi habana   (Locos por mi habana 日本盤)@
11. Caballo grande ande o no ande (Contra todos los pronosticos) @
12. Todavia no (Contra todos los pronosticos) B
13. Tu me recordaras (Marcando la distancia) E
アンコール
14. Llego la musica cubana (Marcando la distancia) B
15. 島唄
16. 新曲                          約2時間


2004/08/15 
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 キューバ音楽の現状 その3

やや失速気味な状況の中で、名実ともにキューバのトップ・バンドとなった
マノリート・イ・ス・トラブーコが再来日。

音楽的なレベルからいえば、世界のトップ・ミューシャンにもひけをとらない力のバンドが
音響設備の不十分な野外やライブ・ハウス、多目的ホールでの公演とは
なんともなさけないかぎりですが、経費を考えればしかたがありません。

まして、アマチュア・ダンサーのてんこもりショーの中での演奏。
そんなもの必要あるのかと思います。まるで学園祭のりですね。
これでは、キューバ音楽やサルサが初めての音楽関係者や
耳の肥えた音楽ファンが聴きにきたら誤解を招くでしょう。

多分、キューバ音楽ファン以外のサルサ・ダンス・愛好者は
CDも買わず、バンド名も知らずにレッスンばかり受けているので、
そういう人達を集客するためにその関係者を出演させているように感じます。
主催者側の立場になれば、集客面でのリスクをかかえているので、
しかたのない面もあります。

キューバのスポーツ関係でもそうですが、
彼らはあくまでも国内で脅威の成長を遂げた原石で、
他国に移り住んでビジネスとしてやっていこうとすると、
音楽やスポーツ以外の障害が多く思ったほどには成功しないようです。

マノリートやバンバンの音楽は、例えれば観光地化されていない
手付かずの世界遺産のようなものです。

彼らは人気獲得のためにとてもフレンドリーなので、
音楽以外にも直接接することが多いように思いますが、キューバという国の現状があるから
アマチュア・バンドのように接することができるのではないかと感じています。
その辺をわきまえて、素晴らしい音楽を堪能することに徹してはいかがでしょう。

(福田カズノブ)


2004/08/12 
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 キューバ音楽の現状 その2

(キューバ音楽の現状 前コラムから読んでください)

日本ではほとんど認知されていない現在のキューバ音楽ですが、
ヨーロッパではかなり人気があるようで、一流のキューバ・バンドは
頻繁にライブ活動を行っています。
クラシックの素養豊かなヨーロッパ人が緻密なテクニックに裏付けられた
キューバ音楽に飛びつくのはよくわかります。
DJ KAZURUもコラムでおわかりの通りクラシック派なので、
そういう意味では通じるものがありますね。

ヨーロッパでは認知されつつあるキューバ音楽も
米国と日本ではほとんどないに等しい扱いです。

米国はキューバ排除の政策からブエナビスタのライ・クーダーにも
キューバがらみのことをするなと制裁を加えたりして、
キューバ音楽ブームをこれ以上作らせない方針です。

日本のレコード会社もなにかと米国との関係が強いので、
キューバものは大々的にとりあげない方針なのでしょう。
バンドの招聘もビザがらみのドタキャンや集客の見込みがたたないことから、
大手の業者は手を出しません。

これでは認知どころか、ワールドミュージックの片隅で細々とやるしかないのが現状です。

今年の夏も来日ラッシュではありますが、
村上龍氏のハウステンボスとイスラ、ブルーノート東京という招聘元は同じ顔ぶれで、
アーティストもほぼ同じ。
少し前のブエナビスタ・ブーム時の来日ラッシュからするとちょっと失速気味かもしれません。


2004/08/11 
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 キューバ音楽の現状

キューバ音楽について語るコラムなので、今回は歴史と現状にちょっとふれてみたいと思う。

キューバ音楽の起源は驚くほど古く、1900年頃にはソンの形態が成立していたので、
ロックなどの米国のポピュラー・ミュージックよりもはるかに古い歴史を持っています。
一説によると、世界初のポピュラー音楽はキューバ音楽だったとか。
タンゴの源流もさかのぼればキューバ音楽だったのです。

一方、サルサは1970年前後に、ニューヨークでキューバ音楽やプエルトリコの音楽を
モチーフにして新たに発生したもので、
キューバ音楽が源流のひとつではありますが、別のものといえるでしょう。

キューバ音楽は、キューバが社会主義国家となってから米国からマーケット排除を受けたために、1960年中期以降は世界のポピュラー・ミュージック界から消えた存在になってしまいました。

その間、ブラジル音楽は、ボサノバを世界的に流行させ、
コンテンポラリーなジャンルでもカルニーニョス・ブラウンをはじめとする
スターを輩出しています。
ラテン音楽のうちスペイン語圏ではサルサが1970年代から流行し、
1980年〜90位にピークを迎え、今に至っています。

1990年代後半に、「ブエナ・ビスタ」のブームが起きてから、
世界はトラディショナルなキューバ音楽にようやく目を向けることになりますが、
コンテンポラリーなジャンルではまだマーケット上には存在しません。

つまり、現在のキューバ音楽はよく認知されていない状態なのです。


2004/08/11 
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 この夏のキューバ・ライブの見所

今年の夏もキューバ・バンドが大挙来日という嬉しい状況になりました。
ラテン音楽は日本に限らず世界的に夏の音楽と決め付けられているようですね。

ラインナップは、昨年から連続のマノリート、チャランガ・アバネーラ&ハイラ、
キューバン・ジャズ系のイラケレとハバナ・アンサンブルなど。
キューバ音楽のビッグネームが揃い踏みです。

そこで今年の聴き所、見所を少し。

まず、マノリートは新作のライブ展開が聴き所でしょう。
ヒット曲「ロコス・ポル・ミ・アバナ」は昨年のライブで披露していたので、
今年は次の新曲があるかもしれません。
そして、新加入のボーカルも興味深いところです。ラップが得意とか。
マノリートは聴いてよし踊ってよしのバンドですが、聴きに徹するのが通といえそうです。

チャランガ・アバネーラは、ティンバレスのユリエンが脱退。
代わりにエル・クランから新加入ということのようですが、
サウンド全体には変わりがないように思います。
海賊版が国内外に出回り物議をかもした新作は、全曲ノン・サルサのPOPアルバムで、
その中から何曲か披露されるかもしれません。
いずれにしてもチャランガ・アバネーラエンターテイメント・ショーが
昨年同様展開されることでしょう。
ダンス鑑賞も含め、体を動かして楽しむのがいいかも。

一方ハイラ・モンピエは、来日中の8月にダビ・カルザードのプロデュースによる新作が
発売になる模様。これはバックがチャランガになるので、
事実上チャランガ・アバネーラの新作でもあるような感じです。
今年のライブステージはハイラ新作発売記念コンサートですね。
フロントのエブリス・メイもダビのプロデュースでソロCDをそのうち出すようなので、
チャランガを中心に多角プロデュースに乗り出したダビ・カルザードといった状況です。

そして、巨匠チユーチョ・バルデス率いる若手メンバーによるイラケレ。
ジャズを主体にしながらも、アフロ・キューバン、サンテリア、
時にはティンバ的な展開が楽しめそうです。
オマール・ソーサやエル・ネグロも同様ですが、演奏能力や表現力に圧倒されることでしょう。
チユーチョ・バルデスの生演奏を聴いたことのないキューバ音楽ファンは、
絶対に体験すべきですね。


(福田カズノブ)


2004/07/29 
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 CHARANGA FOREVER




ついに出たという感の強い、CHARANGA FOREVERのNEW CDを聴きました。
怒涛のTIMBAが全8曲。他にはバラーダが1曲にSONがが1曲。
強力な内容です。コーラス、アレンジ、バックの演奏ともに最高のレベル。

80年代にはジャケットの曲表示に、
SON、Bolero、Chachacha、Son Montunoなどとリズム名が書いてありましたが、
CHARANGA FOREVERの曲は「Timba Montuno」という新名を与えたい演奏です。

前2作は、前半のサルサ・パートからいきなりTimba Montunoに入るぶっきらぼうな展開でした。
ところが、今回は様々なアレンジを楽しめるつくりになっています。
世界的には、ルックスも良いCHARANGA HABANERAの方が成功すると思いますが、
僕はCHARANGA FOREVERのほうが好きですね。

もうすぐ、輸入盤が店頭発売になると思います。期待を裏切らない1枚です。

(福田カズノブ)


2004/07/06 
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▼観葉音楽 Vol.3

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