KAZU FUKUDA

KAZU FUKUDA
観葉音楽
Vol.5
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ティンバのピーク時期
2004年12月23日(木)

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DJについて
2004年12月14日(火)

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グルーポ・ニーチェ来日
2004年12月12日(日)

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RITMO MODERNO
2004年11月28日(日)

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京都イベント
2004年11月23日(火)

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COCO FREEMAN
2004年11月1日(月)

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永遠のハバナ
2004年10月29日(金)

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モーターサイクル・ダイアリーズ
2004年10月26日(火)

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ALEX CUBA BAND
2004年10月21日(木)

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CHARANGA HABANERA 「番外編」
2004年10月19日(火)

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チェ・ゲバラ 「HASTA SIEMPRE」
2004年10月17日(日)

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CHARANGA HABANERA「Light」
2004年10月10日(日)

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観葉音楽 By KAZU FUKUDA

観葉音楽 By KAZU FUKUDA

▲INDEX  
 ティンバのピーク時期

ティンバというジャンルの全体としてのピークが
1997年から2001年の5年間にあったという前回のコラムに
個人的に反響のメールが来ていますので、もうすこし掘り下げてみます。

結論から言うと余り心配することはないと考えています。
他のジャンル、ソウルやロック、ジャズなんかの凋落振りからすると、
コンテンポラリーなキューバ音楽は特にキューバ以外ではブレイクしていないので
落ち込みといってもたいしたことはありません。
いままでのティンバというスタイルの演奏方法がある種、
踊り場に来ている状態なのだと思っています。

ホセ・ルイス・コルテスが1980年中期から、イラケレ、シグロ・セッションで
実験してきたサウンドが1990年初頭にNG・ラ・バンダで完成し、
その後様々なバンドが展開してきたサウンドが一巡し、一段落したのでしょう。
それを象徴しているのはここ2年程展開しているバンドの分裂、独立です。

バンバンからは、プーピとペドロ・カルボが独立。
チャランガ・アバネーラからは、ボーカルのミッチェル・マサ、
ティルソとダンテスのソロ・プロジェクト。
アダルベルト・イ・ス・ソンからは、アラミス・ガリンドとパンチョ・アマット。
他の有力バンドからもメンバーがそれぞれ独立しています。

ティンバという演奏スタイルの可能性を個々のミュージシャンが追求し、
新しいアレンジのアイデアをそれぞれに模索している中で、
素晴らしい作曲者とボーカリストが一定のバンドに終結し、
核反応を起こしていたのが1997年から2001年の5年間だったのではないかと考えます。
現在は、また新たな若い才能が様々のバンドを立ち上げて
次のスタイルを模索している状態と考えます。

マノリートとバンバンを追いかける強力なバンドが
ここ数年で登場する気配を感じながら、新譜を待つのも悪くない感じです。

そういえばバンバンの新譜が発売されるという話ですが、
どういう音になるのでしょう。
ライブ盤ばかりが続いていたので待ち遠しいですね。

(福田カズノブ)


2004/12/23 
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 DJについて

キューバ音楽は最近の新譜より5年程前のほうが明らかに良い曲が多いですね。
ニューヨーク・サルサも個人的な好みはそのころに多い。
ティンバというジャンルの全体としてのピークが1997年から2001年の5年間に
あったことは、それ以降のシーンを数年見ていて、もう確実になってきました。

そのころにキューバ音楽に目覚めて聞き込んでいた人は最近聴き始めた人より
数倍、幸せな環境にいたといえます。
ビックネームが最高傑作を次々にリリースする中、有望な新人バンドも
続々とデビューしていたのですから。

キューバ関連のDJをする人間はその期間に「リアル・タイム」で聞き込んでいないと
致命的な欠陥になりますね。
ある人は、今20代でないならばキューバ音楽を当時気がついていないというだけで
音楽に対するアンテナが弱いとすら言っています。
じゃあ、その頃の音源を今から聴くのは無意味なのかというと、
そんなことはまったくありません。
あくまでもキューバ音楽を紹介、提供する側にたっている場合です。

DJスタイルでありがちなのが、古いものがやっぱり良いので
そればかりを紹介する方法。
僕はそこに陥る要素がかなりあるのですが、それを振り切って新曲を追い続けています。
もしかしたら、とんでもなく良いものが出てくるかもしれないし、
イベントに来てくれた人が、聴いているうちにその時期の気分が曲に乗り移って、
素敵な人と踊ったのがあの曲だったという思い出にも繋がっていくからです。
DJはやはり新曲にもアクセスしていく義務があると考えます。
それは、広い意味で音楽文化の継続性の一端に携わっているからだと自負しています。

(福田カズノブ)


2004/12/14 
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 グルーポ・ニーチェ来日

ティンクーバのコーディネイターで、ばりばりキューバ派の僕ですが、
コロンビア・サルサの雄ならば実際のライブはどんなものかと思い、
グルーポ・ニーチェの大阪コンサートを観に難波の会場に出かけました。
ところが、行ってみたらなんと当日キャンセル!
主催者側の説明ではボーカルが扁桃腺炎とのこと。かなり日本も舐められているというか、
バンドのプロ意識が低いというか、なんか、呆れてしまいました。
キューバのバンドだったら、東京公演があったのに大阪は中止では地団駄踏んだところでしたが、
まあコロンビアですからしかたなく諦めました。
コロンビアのいうなればロス・バンバン的存在のニーチェ、
生ライブを見ることが出来なかったのはとても残念です。


いろいろ聞いてみると、どうも非キューバン系のスタイルでダンスを踊る皆さんは
ライブを観に来ないようですね。そんなことを言っている知り合いのDJもいました。
その点、キューバ系のダンス・ファンは、来日ライブにはよく行くし、
CDもよく購入します。
絶対数は非キューバ系ダンサーの方がはるかに多いのに、
来日ライブはキューバ系の観客数の方が多いようです。
そのあたりからすると、キューバ外のサルサ・ファンはダンスだけのファンで、
あまり音楽そのものには興味ない人が圧倒的に多いようですね。
ティン★クーバに来てくれる人達は皆、音楽に敏感で嬉しい限りですし、
DJとしてはやりがいがあります。キューバ派は音楽をよく聴いていて万歳というところです。

音楽が先か、ダンスが先か、人によってこの音楽にふれるきっかけはそれぞれでしょうが、
最終的には音楽あってのダンスなのではと感じています。

(福田カズノブ)

2004/12/12 
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 RITMO MODERNO

エグレムから、リリースされた「リトモ・モデルノ」というバンドの作品を聴きました。



編成はバイオリンの入ったチャランガ・スタイルで、
マノリート・シモネーの出身母体であるマラビージャス・デ・フロリダを
彷彿させるサウンドです。
ハバナではライブ活動を行っていないようなので、まったくノーマークでした。
ジャケットの表記によると、キューバの地方都市カマグエイのバンドで、
結成は1955年にさかのぼるとのこと。アナログ盤を出していそうですが、
CDリリースは初になります。

こういうバンドが存在しているのをみるとキューバ音楽の裾野はまだまだ広いのだと
感じてしまいますね。多分、カマグエイで半世紀演奏し続けていたのでしょう。
ジャケ写真を見ると、息子世代が大勢参加したようで、
サウンドは古い部分と最新のティンバが同居したものになっています。

何曲かは今風のティンバ・ボーカルが乗りまくるナンバーで、ヒット性も充分。
ジャケ表記を見るとなんと、御大マノリート・シモネーとリカルド・アマレイが
特別参加していました。

レゲトンは個人的には好みではないので、伝統的なキューバンを演奏する
バンドが登場するのは嬉しいですね。
頑張ってもらってセカンドもぜひ期待したいところです。
まだまだB級ですが、久々に手放しで良かったといえる作品でした。

2004/11/28 
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 京都イベント

久々のコラムになってしまいました。
この間、実は「中南米マガジン」という雑誌に
チャランガ・アバネーラのディスコグラフィー記事を執筆していました。
デビュー前から最新盤の「Light」まで。
発売になったら、お知らせしますので、ぜひ。

11月20日は京都でスペシャル・イベントを開催。
「TIM☆CUBA」カラーは薄くなって、皆で踊って楽しもうという雰囲気でした。
京都、大阪の皆さん、ありがとうございました。

少しシャイだけど、ダンスばっちりの京都男性陣。
ファンキー・ダンスの大阪娘とルエダも披露のサクマ隊。
どの娘もキューバン・マナーのレベルが高い京都の女性達。
そして、踊りもキャラクターも個性派ぞろいの東京遠征組。

今回、はるばる遠くから参加してくださった皆さん本当にありがとう!
イベント・アフター楽しかったですね。良い思い出になりました。

多分、今回関東から参加した人は帰ってから友人に言うでしょう。
京都には踊れる素敵な女性が沢山いて、マエストロも確かに存在していましたと。
そういう出会いの機会を作るのもイベンターの役割なのかなと今回感じました。


2004/11/23 
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 COCO FREEMAN




NGのボーカルとして「AfroSalsa」2000年「Baila Conmigo」2001年
に参加しているCOCO FREEMANのソロ作がエグレムからリリースされました。

ディレクトールは、ホセ・ルイス・コルテス。
さて、どんな仕上がりになっているのか興味深いところですが、
これが、なかなかの出来。
今年、デビューしたGardiと同様、キューバン・サルサ・ロマンティカ路線(新解釈です)で、
演奏、曲調はイサック・デルガードを彷彿させるものがあります。
イサックのファーストにちょっと似た感じの肌触りですね。

と、ここまで書いて、ティンクーバの福田さんが好盤と推薦していたので
購入したのに、そんな感じの曲は僅かだったという声が聞こえてきそうなので
補足します。3曲程です、サルサは。

最近のキューバンは、特にボーカル物はサルサ率が極めて低いですね。
イサック、パウロ、カルロス・マヌエル、ダニー・ロザーダなども半分以下ですし、
マノリンやロヒータスはサルサ率ゼロでした。
という状況ですので、バラーダやレゲトン調は良い曲だけ聞き耳を立てて、
サルサをひたすら待つのです。
こういう聞き方しか出来ないのが昨今の新譜なので、サルサだったら何でも○という甘い評価に
なりそうですが、COCO FREEMANはプラス・アルファがあります。

そういえばこの前、レコ屋のおやじさんとこういう話題になりました。
「多くのお客さんはCD1枚全て良い曲を求めるけど、
私は1曲、最高なのがあればそれで幸せなんじゃないかと思う。
そんなに良い曲はあるものじゃない。」
「僕も同感、似たようなB・Cクラスの曲ばかりなら、
1曲だけ素晴らしいほうがいい。」と。

キューバのボーカリストの皆さん、最高なサルサ、1曲お願いしますね。

(福田カズノブ)


2004/11/01 
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 永遠のハバナ

モーター・サイクルダイアリーズに続き、来春公開予定のキューバ映画
「永遠のハバナ」を観ました。

ハバナ旧市街やマレコン通りを歩いたことのある人ならば、
懐かしさを感じる映像ばかりです。
さらに、キューバに何ヶ月か滞在したことのある人には
たまらないものがあるかもしれません。
ただ、淡々と過ぎていく日常を追いながら、それぞれの人物が登場し、
革命から50年近く経つ、キューバの現状が水彩画のように描かれています。

なぜ、キューバの音楽はエネルギッシュで、
これほどまでに我々をひきつけるのか。
映画の後半にその理由の一つを感じること出来ます。
キューバ・フリークは要チェックとなる映画でしょう。

また、以前日本の鶯谷キネマ倶楽部でワンシーンを撮影したキューバ音楽映画
「Musica Cubana」も来春公開されそうです。
こうなると、ちょっとしたキューバ映画ラッシュですね。

(福田カズノブ)


2004/10/29 
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 モーターサイクル・ダイアリーズ

梅田のミニ・シアターで「モーターサイクル・ダイアリーズ」を観ました。
良かった...です。
キューバやゲバラに興味がない人でも充分、感動するものがあります

「チェ」というのが口癖のアルゼンチン人ゲバラは、生真面目で、喘息持ち。
とても、南米縦断できそうもない風情なのに、
各地で様々な人達と出会ううちにたくましくなっていきます。
そして南米大陸の現状を目の当たりにして、何か人の役に立ちたい、という思いは
確信的になり、ラストシーンへ。
途中のスピーチのシーンや療養所の人達との別れではカリスマ革命家誕生の一端を
見て取ることが出来ます。

写真の被写体で有名なゲバラですが、
この映画の原作はダイアリーズというくらいですからもちろん本人。
コンゴ戦記も自作で、キューバでは経済の本もだしている文才の持ち主でもあります。
映画の中で、お世話になった人からその人の書いた本の感想を求められるシーンが
ありますが、実にゲバラらしい回答でした。
多くの人はなかなかこういうことを言い切れません。
また、言われたほうも、こうは受け取れないでしょう。

競演の友人役は、なんとチェ・ゲバラの血縁で実のはとこ。
ラテン男特有な、陽気さやいいかげんさがあって、ばっちり女好きという役柄。
でも、いいやつで、ゲバラとのやりとりも楽しめます。

ペルー大使館占拠事件のトゥパク・アマルの名前もちらっと登場するこの物語は
娯楽映画だけにとどまらない重みをもっています。
必見の映画です。

( 福田カズノブ )

2004/10/26 
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 ALEX CUBA BAND




キューバ音楽仲間のダンス・マエストロから薦められたALEX CUBA BAND。
普段あまりいかない大手CDショップ「S」のラテンお勧めコーナーにあったのを
以前目にしていましたが、キューバの輸入盤や新譜情報では
一切話題になっていなかったので見過ごしていました。

早速買って聴いてみると、これがなかなか。
クールなブエナビスタ(アマディートのソロなど)とヌエバ・フィーリンを
併せ持ったサウンドです。
ALEXは「プエンテス・ブラザーズ」としてCDを1枚発表済み。
カナダに移り住んでいましたが、今回キューバに戻って、
ハバナのミュージシャンとこの作品を録音したしたようです。

ペア・ダンス・チェーンではありませんが、
CD1枚まるごと良質な音楽が詰まっています。
ジューサもヨーロッパでブレイクしているようなので、
今後のキューバ音楽のひとつのジャンルとして伸びていく可能性大。

実は、TIMCUBAを立ち上げるずっと以前からこのジャンルが結構好きで、
アオラの代表Tさんが、このタイプの音楽に人気が出てくれると嬉しいのだけれど
興味を持ってくれるのは福田さんだけだ、と話していたのを思い出します。

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

今月末には日本の各地でライブがあるようなので要チェック。
ティンバやジャズの超絶ミュージシャンだけではない
キューバ音楽の素晴らしさの一端を楽しめそうです。

( 福田カズノブ )


2004/10/21 
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 CHARANGA HABANERA 「番外編」

もう、どうしてもチャランガのTIMBAが聴きたいと、お嘆きのあなた!
ティンクーバからお宝情報です!

  ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

MONEDA DURAというキューバのロックバンドのCDが最近でました。
このCDの12曲目の「YO VENGO DE LA HABANA」はこのバンドのメンバーの曲なのですが
なんと、歌と演奏はチャランガ・アバネーラです。
曲調はもうチャランガのCDかと思うような感じ。
なんで自分達のCDに入れなかったのでしょうか。

もう一つ話題を。
チャランガのボンゴセーロ、ラサロ・メングアルが、
日本の女性シンガー寿永アリサのデビューに曲を提供しています。
11月25日発売予定のCDを一足早く聴くことが出来たのですが、
ラサロ作のタイトル曲がなかなか良い。
ソンを基本にした曲調にティンバのモントゥーノが入って、さながらDANAEです。
演奏も日本人にしては、なかなか。

彼はコンポーザーの才能がありそうなので、
これからのチャランガの核の1人になりそうです。
なによりも、オーソドックスなキューバンなのが良いですね!

(福田カズノブ)


2004/10/19 
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 チェ・ゲバラ 「HASTA SIEMPRE」

チェ・ゲバラの青年時代、生まれ故郷であるアルゼンチンから
チリ、ペルーと友人と2人でバイク旅行をしたときの日記を映画化した
「モーター・サイクル・ダイアリーズ」が大阪でも公開されました。

僕はまだ見ていないのですが、昨日、大阪堂島でチェ・ゲバラ写真展をやっていたので
のぞいて見ると、小さな会議室には人が一杯で、次々に訪れる人もいて大盛況でした。
チェ・ゲバラは、革命のカリスマとして、最近ではHIPHOPのイメージ・キャラクター
にまでなっている存在ですが、さすがに人気があります。

   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

でも、なんか不思議な気分ですね。
キューバでは、北米の経済封鎖やテロ国家呼ばわりに反発する革命政府が現役バリバリなのに、
キューバの興味や支持を迂回してのチェ・ゲバラだけの人気や
革命の歴史を全く知らない人も、キューバン・サルサ・ダンスの教室に通って
キューバ旅行をする時代。
平和なのは勿論良いことなのですが。。。

カストロがキューバを守ることが第一なのに対し、
チェ・ゲバラは世界の革命を支援するという自分の生き方を貫いていくのは、
この映画にあるバイク旅行が彼の原点にあるからだといわれています。

   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

「HASTA SIEMPRE」はチェ・ゲバラのことを歌った曲の中では傑作中の傑作。
ティンバ・ファンは、パウリート、マジート、ペドロ・カルボ、アラミス・ガリンド
ハイラやバニアが次々に歌うバージョンが必聴です。

(福田カズノブ)

2004/10/17 
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 CHARANGA HABANERA「Light」

遂に、正式発売になった噂の新譜「Light」を聴きました。

今回のライブで演奏していた曲も多いので、内容は予想通りといったところ。
スパニッシュで歌われる、レゲエ、HIPHOP、POPSをレゲトンと呼ぶならば、
ティンバ、キューバ音楽の特徴的な演奏の素晴らしさは、まったくありません。
固定観念を捨てて、1枚のCDとして聴くと勝負所になるのは、
曲の出来とビート感、そして歌の上手さになりますね。
2曲ほどいい感じのものがありました。

そういう意味で、比較対象となるのは、キューバン・レゲトンのトップ・グループ
CUBANITO 20.02の2003年デビュー作「Soy Cubanito」。
こちらの方がレゲトン・スタイルではお勧めです。
歌、演奏共にビート感がクールでブラック、キューバ臭さもあっていけてます。
ビート一発になりやすい曲調の中で、メロディもなかなか。

チャランガ・アバネーラのダビ・カルザードは、流行の移り変わりに敏感で、
いつも国内外の聴衆の好みを気にしながらチャランガ・アバネーラの方向性を
決めているところがありますが、
欧米向けに路線を変えたという論調ばかりではなく
国内のレゲトンの流行に遅ればせながら追い付こうとしているとも感じます。

CUBANITO 20.02のセカンドの出来と、
チャランガ・アバネーラのこの路線での成功の有無は
キューバ音楽界の今後の方向性に大きな影響を与えると思います。

すぐにティンバやキューバン・サルサがなくなることはないにせよ
次世代の担い手であるキューバのティーン・エイジャーの目指す音楽の方向が
決まってしまうように感じます。

( 福田カズノブ )

2004/10/10 
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▼観葉音楽 Vol.4

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