KAZU FUKUDA

KAZU FUKUDA
観葉音楽
Vol.7
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PEDRO PABLO LA REBAMBARAMBA
2005年6月22日(水)

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「チェ・ゲバラ&カストロ」
2005年6月20日(月)

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演奏と歌い方には関係性が
2005年6月14日(火)

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ライブとスタジオ制作
2005年6月13日(月)

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ISSAC DELGADO「Prohibido」
2005年6月9日(木)

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自己ベスト
2005年6月4日(土)

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「きみにバタンQ」 SUR CARIBE
2005年5月22日(日)

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La Caro Band
2005年5月18日(水)

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Pedrito Calvo y Angel Bonne
2005年5月16日(月)

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キューバ音楽の現状はなかなかつかめないのが面白い
2005年5月3日(火)

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ODERQUIS REVÉ Y SU CHANGUI
2005年4月24日(日)

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幻のファーストが遂にCD化!
2005年4月19日(火)

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寿永アリサ・ライブ
2005年4月7日(木)

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JOSE LUIS CORTES Y NG LA BANDA
2005年4月5日(火)

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観葉音楽 By KAZU FUKUDA

観葉音楽 By KAZU FUKUDA

▲INDEX  
 PEDRO PABLO LA REBAMBARAMBA

チャランガ・アバネーラのオリジナル・ベーシストであり、
チャランガ・フォレベルのミュージカル・ディレクトールの
1人だったPEDRO PABLOが
自身のバンドを率いてデビュー盤をリリースしました。



この作品、中期チャランガ・アバネーラそのもので、
びっくりの内容。
最近は珍しくなったティンバ・オンリーで、
ご機嫌なナンバーが次から次へと展開します。

チャランガ・アバネーラ、デビュー時からの
ベーシストのバンドなので、そっくりでも許されますが、
果たしてオリジナリティはあるのかという疑問も頭をよぎります。

でもここで考え方を変えてみると、
ついにティンバという演奏方法が
1つのジャンルとして確立した証なのではないでしょうか。

サウンドには画期的なアイデアはなくとも、
そのグルーヴは全盛期のティンバそのもの。
チャランガ・アバネーラ・スタイルを継承し、
楽しんでもらうことを優先した彼のサウンドには、
「クラシック・ティンバ」を守る意志すら感じられます。

惜しまれるのは、バンド名が分かりづらいことと、
CDジャケットが今ひとつなこと。
内容が良いだけにちょっともったいないですね。

( 福田カズノブ )


2005/06/22 
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 「チェ・ゲバラ&カストロ」


モーター・サイクル・ダイアリーズの続編ともいえる
「チェ・ゲバラ&カストロ」をDVDで観ました。

公開は2002年、原題は「フィデル・カストロ」なので本来、
続編とはいえませんが、
ガエル・ガルシア・ベルナルがモーターサイクル同様に
ゲバラを演じていることで、
彼の演じるゲバラがカストロとメキシコで出会うシーンから
2つの物語は同時進行になります。

カストロやチェ・ゲバラの本を読んだことのない人は、
キューバ革命をダイジェスト版として見ることが出来るでしょう。
もちろん2時間という枠で、キューバ革命以後も含めたその本質や全てのエピソードを取り上げることは不可能ですが、
人物が本人とよく似ていることや、感情移入を抑えドキュメンタリー・タッチになっていることで、よくできた映画になっています。

この作品、
革命成立以後のカストロの政策は批判的な取り上げ方になっているということや、ゲバラは、革命の闘士という冷酷な側面ばかりを強調されていることを踏まえた上で、
大国に振り回されながら、キューバという小さな島国を自主独立した形で生き延びさせていこうとしているカストロの苦悩を想像する視点をもっていれば、なかなかイーブンで見ることができます。

キューバ革命に登場するこれらの人物や映画にあった出来事は、
伝記でもない、ドラマでもない、現在にそのまま繋がっている現実なのだということを確認することは、キューバ音楽やキューバ旅行を楽しんでいる我々にとって、少しは必要ではないかと感じます。

とはいえ、この映画で、カストロやゲバラ、キューバ革命とは何かという本質を理解できる訳ではないので、しっかりと知りたい人は
多数あるカストロ、ゲバラ関連書籍を参考にされることをお勧めします。

ちょっと、硬いコラムになってしまいましたが。

(福田カズノブ)


2005/06/20 
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 演奏と歌い方には関係性が


演奏と歌い方には関係性があるように思う。

サルサ・ロマンティカやマイアミ系のサウンドの場合
(キューバ以外のサウンドでは)、
キメのところは拍を外さずにきっちり展開する傾向が強い。
そのため、歌は流れていく歌い方でもしっかりと聞こえるが、
キューバの場合、
展開どころではかなりの率で拍を飛び越えて、
さらに拍子も変える場合が多いので、
歌い方も演奏に同調していかないと完全に食われてしまう。

さらにキューバの場合は、
リード・ボーカルを立てた、バックに徹した演奏は少ないので、
ボーカリストは、
ベースやメタル・セクションのパートやコロと
かぶらないところを渡っていくことが出来ないと厳しい。

演奏が表でくれば、ボーカルは裏で、
演奏の方が裏が強ければ、
ボーカルは表が強くなる。
(交互にはいる場合やあえて同じところも)

また、ティンバの編成は、
ティンバレスよりもドラムスを導入している場合が多いが、
このことも、サウンド傾向に強く影響している。
リズム隊は全体的に表拍の強い演奏になっている。
(ベースが裏拍の場合も)

まあ、キューバのサウンドは、
変幻自在、縦横無尽に展開するので、
こうだと決め付けることはできませんが、
明らかに
演奏とボーカルの関係は
他の地区のそれとは異なっていますね。

(福田カズノブ)


2005/06/14 
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 ライブとスタジオ制作

昨今のスタジオ技術は、演奏を録音することより、
その後のデジタル処理のほうが重視されるような傾向ですが、
キューバに関しては生演奏のほうが
未だに録音を超えているのは明らかといえます。

ところが、なぜかライブを生録した音源とスタジオ制作では、
繰り返し聴くのは圧倒的にスタジオ盤になります。

思うに、ライブは耳からの情報だけでなく様々な情報が含まれて感動するからなのでしょう。
ベース音は振動となって腰に響いたり、
ステージングや周辺のキューバン人の観客の踊りも
視覚的なグルーヴとなって目を直撃します。
ラムの香りも鼻を刺激しているかもしれません。
そんな、様々な感覚がライブの感動を倍増させているのです。

音だけになると、ライブ録音は何故か魅力が半減するのは
こんな要素からなのかもしれません。

現在、キューバに頻繁に旅行できる人は、資金はもとより、
まとまった休暇がとれることが条件のようになっています。
キューバでの素晴らしいライブを見ることができたならば、
それはとても幸せな体験といえるでしょう。

スタジオ盤はだれでも感動できるが、
ライブは限られた条件と
運次第という点を見てもかなり別物ですね。

(福田カズノブ)


2005/06/13 
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 ISSAC DELGADO「Prohibido」

イサック・デルガードの2年半振り、待望の新譜を聴きました。

このアルバム、ごりごりのティンバではなく、今流行りのレゲトン、POP調でもなく、
1990年代の中期のキューバン・サルサを、
2005年のテイストでアレンジした素晴らしい作品群になっています。



全11曲中、ソン2曲、POP1曲、ボレロ1曲以外は、
サルサ系が7曲。
キューバン・サルサ・ファン感涙の内容ですね。

ロス・バン・バンの楽曲を取り上げているのが目玉といえますが、
スローなサルサも雰囲気があって最高です。

前作や前々作よりも1998年の大ヒット作「Primera Noche」に肌触りが似ていると思ったら、
ディレクトールにベーシスト、アライン・ペレスが復活していました。

レゲトンやポップに押されてやや勢いがなくなったティンバ勢の代表のイサックは、原点回帰し、
ティンバではなくキューバン・サルサを自分のサウンドの中心としたようです。

NG時代のイサックの登場がキューバン・サルサの幕開けだったので、
ソロ15周年を機に、あらためてそのサウンドを受け継いでいこうとしたのならば、
その姿勢を強く支持したいと思います。

いずれにしてもこの作品、
極上のキューバン・サルサ・アルバムです。

発売はまもなく。
わくわくしながら待っても期待は裏切りません。

(福田カズノブ)


2005/06/09 
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 自己ベスト


基本的に、ディスク・レビューのコーナーで取り上げる作品を選ぶ際には、新譜は敢えて取り上げず、自分の耳である程度長く聴いてきたものから選択するようにしています。

というのも、発売直後は「新しいという価値」に惑わされていて、
とても良くに聴こえる傾向があり、月日の経過と共にその新鮮さは失われ、余り聴かない盤になったりするものだからです。
ですから、先週5月30日のディスク・レビューが発売間もないKemell「Adiós a La Tristeza」となったのは、僕としては結構珍しい選択です。

デビュー時は勢いで評価されていたのが、次作が出なかったり2作目はパッとしなかったりするバンドが多い中、数作目に「自己ベスト」を出すのは本当の実力がある証拠。
Kemellは、そんな数少ないバンドと思いました。

そういえば昨年から、パチート・アロンソやエリート・レベなど、「自己ベスト」を更新するバンドが多いので嬉しい限りです。
僕もDJ、選曲家、ライターとして、自己ベストという内容を創り上げたいですね。

イベント、ティン☆クーバの内容は実は毎回変化し進化しています。同じように、皆さんのダンスや音楽への感性も進化しているのだと思いますよ。

レッスンを受けまくっている時や、キューバに行ってライブ三昧などはインプット側なので、一度自分の中で消化して、アウトプットしてみることをお勧めします。
レッスンから離れ、自由な感性で踊ってみたり、自分の好みの音楽を自分なりに感じてみたりと。

そういうアウトプットの時には、ティン☆クーバはぴったりとフィットすることでしょう。
ティン☆クーバは、自分の中のダンスや音楽の感性だけがたよりのイベントですから。

*Disc Review 2005.5.30 JUAN KEMELL Y LA BARRIADA 参照


2005/06/04 
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 「きみにバタンQ」 SUR CARIBE


「きみにバタンQ」スール・カリーベを聴きました。

キューバ音楽と日本人ミュージシャンとのかかわりということでは
古くは東京キューバン・ボーイズにまでさかのぼるのですが、
日本語とキューバ音楽の融合という課題では、以前チカ・ブーンがJ・POPにサルサのリズムを貼り付けた内容でやや成功した位でキューバのビートを日本語のメロディから立ち上げることに成功したバンドは現役では殆ど存在していません。

2000年頃まで活動していたYAWは、バイラブレなキューバのビートと日本語の融合を実験的に成功させましたが、残念なことにCDに残すまで活動を継続できませんでした。その他、現地のキューバ音楽に匹敵するレベルにまで近づいたのはグルーポ・チェベレですが、スペイン語の歌詞を使っています。
現在活動中のバンドもオリジナル志向の強いものは、様々な試行錯誤をして日本語に挑戦しているようですが、どうも違和感が残る作品が多いのは事実です。

そこへ、コロンブスの卵的な作品の登場!
なんとキューバのトップ・バンドが日本語の歌詞の作品を公式に発表するというニュースが入りました。日本人として制作に関わったShigeさんからいただいた音源を聴くと、ノベルティ的な歌詞なのがやや残念ではありますが、上手くビートに乗っていて、曲もなかなかの出来です。これは充分に成功と見てよいでしょう。

これでは日本語の本家たる日本のバンドの面子丸つぶれ状態ですね。
スペイン語の発音がキューバのビートを全て支えていたわけではないことが証明されてしまったわけです。
では、何がキューバのビートを生み出しているのか。
ここがキューバ音楽の魅力の秘密といえるでしょう。
キューバ人は当たり前に感じていて自覚していないので、この秘密は他民族のものが解明するしかないと考えますが、僕がミュージシャンでないことが悔やまれますね。

いずれにしても、キューバ音楽と日本語の垣根を狭くしたということで、極めて画期的な1曲であるといえるでしょう。

(福田カズノブ)


2005/05/22 
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 La Caro Band

La Caro Bandの新作が出ました。久々に女性ファンキー・ティンバ・バンドを聴いた様な気がします。



一時、Son Damasを筆頭に、女性ボーカルを前面に出したSello LAやAzucal、Lady Salsaなどが活躍していた頃がありました。特にSon Damasの渋谷公演はよかったですね。音圧は男性バンドには及ばないものの、さすがキューバのバンド、グルーヴは抜群で最高に楽しめた記憶があります。

このLa Caro Band 、サウンドは一昔前風ですが、潔く歌って演奏していて好感がもてます。そういえば日本のラテン・シーンは、男性ボーカルは極わずかで女性ボーカルが全盛です。そしてなぜか、バンボレオあたりのカバーどまりで、このあたりは取り上げていないような気がしますが、いかがでしょう。

ところで、最近発売になったBimbo Gを聴いていたら、DJ KAZURUがこのボーカルはSello LA だと言うではないですか、よーく、ジャケ解説を見てみるとなんとビンゴでした。Sello Laは1枚しかCDがないのが不思議なくらい素晴らしいバンドで大好きなのですが、こんなところに元メンバーがいたとは。

女性中心のバンドは、メンバーにフィアンセが次々に出来ると維持が難しいようですが、La Caro Band のようなファンキーな女性ティンバ・バンドは、なくなることなく活動を続けていってほしいものです。

(福田カズノブ)

2005/05/18 
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 Pedrito Calvo y Angel Bonne

ペドロ・カルボとアンヘル・ボンネ、元バン・バンのカンタンテが揃って新作を発表しました。

ペドロ・カルボは、これまで3枚の作品を発表。歌を強調した路線で、前作はバンド・ソンの良作でした。
そしてアンヘル・ボンネは、1990年代前半の少し古き良きバン・バンを再現したサウンドをバックにまったりしたボーカルで4枚の作品を発表。ここのところ充実作を連発して安定した評価を得ています。

さて、この2人の新作はどうだったかというと、サウンド志向に変化がでました。



ペドロ・カルボの方は、息子がボーカルとライターを一部担当し、ティンバ系のバンド・ソン・サウンドを中心にしたグループに、本人ペドロ・カルボがゲスト参加しているような印象になりました。これが、なかなか良い。一気に個人的には期待のバンドとなりましたね。



一方のアンヘル・ボンネも従来のボンネ流バンバン・サウンドをベースにしながらも、かなりモダンなアレンジへ変化させています。成功している曲もあるのですが今までの重厚でまったりとした味わいが後退してしまいました。
録音メンバーのメタル・セクションは、Juan Manuel Ceruto、Alexander Abreu、Hugo Morejon、Amaury Perezといった布陣で最強メンバー。マジートも参加し、自身もSaxやPianoを演奏しています。
イサック風を狙った感じもしますが、彼の高い作曲能力とボーカルが生かせたかというと路線変更第1弾といった感じです。

ということで、Aクラスのカンタンテ同士の対決はペドロ・カルボ・バンドの判定勝ちとみました。


2005/05/16 
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 キューバ音楽の現状はなかなかつかめないのが面白い


キューバには、いろいろなタイプの音楽があります。このコラムで主に取り上げているのは音楽公社エグレムでBailableとカテゴリーされているもので、キューバ音楽を代表するジャンルではありますが全てではありません。また、キューバ国外の音楽ももちろん現地では流れているでしょう。

キューバ音楽のミュージシャンの主な活動場所も様々です。
サンチャゴ・デ・クーバなど地方都市だけで活動するバンドやほとんどヨーロッパを中心に海外演奏を主にしているマラカやブエナ・ビスタ関係のアーティスト、また、南米で物凄く指示されているパブロ・ミラネスやシルビオ・ロドリゲスなど、主な演奏場所がそれぞれ異なっています。

現地のキューバ人と観光旅行でキューバを訪れた外国人では音楽に触れる条件がまったく異なります。ドル・ベースのライブ、CDなどは彼らの通常の生活レベルではとても手が出せません。あくまでも観光客向け。また、CD売上に関しては海外向けの販売数はあっても国内ではないに等しい感じがします。

商業的なメディアがあまり発達していないので、現地音楽界の状況はそれぞれ個人の好みや見解にかたよる傾向があります。キューバ人も外国人観光客もそれぞれ1人1人好みの音楽は異なりますし、同時に違うタイプの音楽を好きだという人も多いと思います。
また、個人の好み以外にも、キューバ人と結婚して現地で暮らしている人、長期滞在の留学生、頻繁にキューバに渡っている人、1〜2週間程の旅行者、1度も行った事がない人など滞在期間によって現地の音楽に対する捉え方が異なる傾向があります。

バンドの状態についてもCDがなかなかリリースされなかったり、メンバー・チェンジが激しかったりで、一定していません。ライブも営業的な演奏から、物凄いテンションの演奏までいろいろです。

そんな様々な要素から、僕は正式発売のCDでそのバンドを見ていこうというスタンスをとっています。もちろん、キューバのバンドの生ライブがCD以上に物凄いのは判っていますが、そのときの出来による部分もあるので気にしていたらきりがありません。
正式CDが出ないのが一番の問題ですね、僕にとっては。

まあ、いろいろな要素も楽しみの1つというとらえ方で、好きなものを追いかけて見るのがいいのではなかと思います。自分はこれが好きと。
ちなみに音の良さ、ライブ会場の安全性などを重要視するのならば、ヨーロッパ公演などで見たほうが楽しめるかと思います。結構、有名どころは頻繁に海外に出ていますから狙い目ですね。僕自身の好みは現地の大衆密着型の音楽なので、ぐちゃぐちゃな音でも危険でも、そのくらいのリスクはそれはそれでいいんじゃないかと思っていますが。

キューバ音楽の現状はなかなかつかめない、というところが面白いのではと思います。


2005/05/03 
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 ODERQUIS REVÉ Y SU CHANGUI

ODERQUIS REVÉ Y SU CHANGUIの新譜を聴きました。
リーダーのODERQUIS REVÉはキューバン・サルサの父、故Elio Revéの弟で、オルケスタ・レベの事実上のディレクトール。
本体は息子のElio Revé JRが引き継いで、弟のODERQUIS REVÉは自身のバンドを立ち上げ、プライベート盤はあるものの、待ちに待った公式デビューということになります。



一言でいうと、ごりごりなチャングイですね!
当時を知るファンには感涙の作品です。

息子Elio Revé JRはティンバ、サルサの要素を取り入れたサウンドですが、こちらは故Elio Revéサウンドの正当な継承者といえる内容。
2曲ほど、ゲスト・ミュージシャンの作曲によるインスト・ナンバーが入りますが、アフロ・キューバン・オール・スターズのファン・デ・マルコス作は凡作で、もう1曲はなかなか良いのですが、いずれもアルバム全体の流れを止めてしまっています。どうしてこの2曲を入れたのでしょうか。

楽曲の良さと作品のまとまりで、息子Elio RevéJRの新譜に軍配があがります。でも、このODERQUIS REVÉ Y SU CHANGUI、生演奏は相当良さそうですね。

(福田カズノブ)


2005/04/24 
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 幻のファーストが遂にCD化!


今年はCDのあたり年の予感がしていたのですが大的中ですね。
昨日、サルサ・クラブへ足を向けたところ、ちょうどタワー・レコード梅田店の前を通過したので、久々に寄ってみたのです。
東京時代はタワーとHMVは週に何度か通っていたのですが、
大阪ではアイテムがやや少なめなので、本当に気が向かなければ覗かないのですが、偶然というか、僕を呼んでいたのか。
なーーんと、ラテン・コーナーにNG LA BANDAの
幻のファースト「NO TE COMPLIQUES」が展示されているではないですか!



アオラからリリースでタワー限定発売とのこと。
アオラさんも、まったくアナウンスなしで人が悪い。
このNGのファーストはカセットのみのごく少数の販売だったので
本当に奇跡の復刻CD化です!
ファーストから全6曲+セカンドLPから4曲。

素晴らしい!!

CDの楽曲はセカンド、サードLPには劣りますが、
2曲目はイサックのおそらくデビュー・テイク。
4曲目もいい感じの曲で、お宝というのはこういうCDのことを言うのでしょう。
ティンバ誕生前夜、まさに宝石の原石のようなサウンドを聴いているようです。

NGフリークは今すぐに最寄のタワーへ走りましょう。
限定盤とのことです。
内容以前にCD存在そのものが奇跡的に素晴らしい!!

本年度のTIM★CUBAディスク大賞特別賞はこのCDで決まりです。 

(福田カズノブ)

2005/04/19 
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 寿永アリサ・ライブ

高橋ゲタ夫率いるDescarga Ven Ven Venの大阪ライブに出かけました。
(バンド名がLosVanVanの曲名そのものですが、ゲタ夫さんはVanVan好きなのかな?)

ゲストVo.は寿永アリサさん。




彼女のソロ・デビュー作に、とても気に入った曲
(CharangaHabaneraのパーカッション、ラサロ作)があったのでちょっと期待の一夜です。
バンドは、ラテン界屈指のベーシスト、高橋ゲタ夫が引っ張るというより、
もう独断場といった趣。ソン、ボレロ、ダンソン、チャチャチャ、そしてサルサにティンバ、
ルンバにコンパルサまで、キューバのリズムのオンパレードです。

全体に東のゲタ夫氏や楽屋落ちの芸人キムチ氏に押され、
西を代表するゴリゴリのバンド、オルケスタ・ティグレ勢はやや静か。
やっぱりデスカルガはバトルがないと盛り上がりません。
西側の猛者達は遠慮しすぎでした。(打上げは西の勝ちだったのかも)

一方、寿永アリサは、東西ラテン界の曲者の中に咲く一輪の花といった感じ。
彼女は両親がラテン・ミュージシャンという血統の良さか、
ステージにボーカリストとして存在していることに違和感のない雰囲気と
テクニックがありますが、楽曲とバックのラテン気質の男どもに
ちょっと気持ちで力負けしている感じがします。
「ゲタ夫、キムチ、アンドウ、あたしのためにしっかり演奏しな!」
といった強いところがほしいですね。
このままジャズ・ボーカリストにありがちな可憐なお嬢様でいくのか、
NORA、ディーバ・ノリコに続けと大きくいくのか、そのあたりが問われそうですが、
本格派の人材不足が続くラテン界のボーカリストでは
期待の新星であることには間違いないようです。


2005/04/07 
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 JOSE LUIS CORTES Y NG LA BANDA




実に4年ぶりとなるNG LA BANDA の新作が出ました。

リーダーのホセ・ルイス・コルテスはティンバというスタイルの
アイデアを創った人の一人でその功績は計り知れないものがありますが、自ら作ったスタイルをどんどん崩していくので、ファンとしては掴み所がないと感じる部分がありますね。

フルート・プレイヤー、ボーカリスト、作曲者、アレンジャー、バンドマスター、そしてサウンド・クリエイター。
いくつもの顔を持っているなかで、本質的には新しいサウンドの創造者としての資質が最も大きいのではないかと思います。
他のティンバ・バンドのリーダーと比較するより、
オマール・ソーサなんかに実は近いのではないでしょうか。
ただ、本人はバンド・サウンドを好み、ライブを重視しているようなので、オマール・ソーサのような個人活動やホアキン・ベタンコートのようなプロデュースに専念する形をとらないのでしょう。

作品全体としては好みではないのですが、中に数曲、
新しいアイデアの詰まったとんでもないトラックが存在し、
数年先を行くサウンドを垣間見ることができます。

奇才ホセ・ルイスは健在ですね。

(福田カズノブ)

2005/04/05 
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▼観葉音楽 Vol.6

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