KAZU FUKUDA

KAZU FUKUDA
観葉音楽
Vol.10
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
クバニート20.02
2006年3月30日(木)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
インテラクティボ
2006年3月11日(土)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
大阪のキューバン・イベント
2006年3月1日(水)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
Nelson Manuel y la Corte
2006年2月26日(日)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
キューバに存在する脅威のリズム
2006年2月24日(金)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year 2005/総評
2006年2月22日(水)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year 2005/企画・特別賞
2006年2月20日(月)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year 2005/キューバ国外部門ベスト5
2006年2月16日(木)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year/Son・Changui・Charanga 部門 1位 - 5位
2006年2月14日(火)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year/Son・Changui・Charanga 部門 6位−10位
2006年2月5日(日)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year/Timba・Cuban Salsa 部門 1位-5位
2006年2月5日(日)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year 2005/Timba・Cuban Salsa 部門 6位-10位
2006年1月7日(土)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・
TIM★CUBA Music of the Year 2005
2006年1月1日(日)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

観葉音楽 By KAZU FUKUDA

観葉音楽 By KAZU FUKUDA

▲INDEX  
 クバニート20.02

クバニート20.02のセカンド「 Tocame 」を聴きました。

昨年はレゲトン・ブームが日本にも上陸し、
キューバン・サルサ関係者も草木もなびく勢いでしたが、
今年はどうでしょうか?

ソン・サルサ・ティンバの支持を貫きたおすのが
身上の私としては、
レゲトンをプッシュする気にはなれないのですが、
「クバニート20.02」のファースト・アルバム(2003年)は
素直に内容がよかったので注目せざるをえませんでした。

このクバニート 20.02のセカンド・アルバムと、
チャランガ・アバネーラの「Light」の次作は
キューバ音楽の今後のメイン・ストリームを決定する
重要な2枚になるだろうと昨年、考えていました。
それが、今年に入ってほぼ同時にリリース。

クバニートはさすがに
他のクバトン・クループとは格の違う安定感と重厚さ、
そして勢いだけではないメローさをかねそえた好作品。

チャランガ・アバネーラはレゲトンを取り込みながらも、
本来のティンバ・スタイルに戻った内容でした。
共に新しさや強引な勢いはなくなりましたが、
他のフォロアー・バンドには明らかに
差をつけ格の違いを見せつけています。

クバトンは、クバニート以降
音楽的に高く評価されるバンドが出てこないですね。
シーンが動くのは、
3〜4バンドが人気・実力そして作品ともに
動き出したときなので、
まあキューバ音楽がクバトン一色になることはないにせよ、
まだまだ、だという感じです。

今後、クバトン・HIPHOPは、
要素としてキューバ音楽に吸収されていくのだと思いますが、
キューバ音楽の礎「ソン」を離れることはあっても、
それを忘れてしまった音楽を私は支持しませんし、
キューバでも自然に淘汰されていくのだと思います。


2006/03/30 
▲TOP



 
 インテラクティボ


デビュー作「Goza Pepillo」を聴きました。

このバンドは、
キューバの音楽系アートスクール集団といった趣ですね。
ジューサ、ロベルト・カルカセース、テルマリーetc、
それぞれメンバーがバンドより先に脚光を浴び
ジューサのようにCDをリリースしているものもいます。



サルサ・ティンバといったバイラブレなサウンドや
ルンバやソンといったトラディショナルとは
異なるタイプのキューバ音楽で
海外のキューバ人は既にやっていましたが、
キューバ国内では、このタイプの音楽は少なかったので
存在意義はあると感じます。

どんな感じかというと、
ファンク、アフロキューバン、ブラジル、HIPHOPを
シェイクしたような音楽です。

ティンバはネイティヴ色の強い
現地の大衆音楽という要素が勝っているので、
世界ではまだ認められにくいようですね。
ブエナビスタの次となるキューバ音楽は、
やはりこのインタラクティボ系になるのでしょうか。

このバンドの存在は以前から知っていて
デビュー作に大きな期待を抱いていたのですが、
個人的には残念なことに今ひとつピンときませんでした。

それは、一昔前に流行った古いとすら感じる
フュージョン・ファンクがベースになっていたからです。

キューバはリアルタイムの情報が少ないので
彼らにとっては新しいのかもしれません。
ファンクとブラジル音楽そしてHIPHOPをキューバ人が演奏する
ということで面白いとするだけにとどまらず、
キューバだけが持つフォーマットと感性を中心において
発展していくことを期待したいですね。

そうでなければ、
1970〜80年代にイラケレがすでにやっていたことを
超えられないのではと感じました。


2006/03/11 
▲TOP



 
 大阪のキューバン・イベント


久々に大阪のキューバン・イベントに行ってきました。
メイン・アクトはベーシスト山田能史率いるJaponismo。

このバンドの聴き所は山田氏のお洒落なアレンジと
ティンバ・テイストのあるベース演奏、
そして、個性の異なる3人の女性ボーカル陣でしょう。

1人は見た目キューバ系でダンスがなかなか。
2人目の背の高い女性は、お洒落な感じで、
3人目はしっとり系の女性。
それぞれ、声質が違いますが歌えます。
キューバンのバンドには今までいなかったタイプ。
こういう時代が来たんだと、しみじみ思いました。




日本のラテン・バンド事情を見てみると、
キューバでは老舗バンドやディレクトールが若手を育て、
そこからまた新しいバンドが生まれてくるという
サイクルを持っているのに対し、
日本はデル・ソル、チェベレ、デ・ラ・ルス、
スインゴッサが長年君臨し、
そのメンバーの組み合わせが入れ替わって
デスカルガをしていることが多かったので、
ここ10年、中堅バンドがなかなか育ちませんでした。

キューバと違って、資本主義ですから当然といえば当然ですが、
プロとアマの実力の差が開きすぎたわけです。
最近では、ようやくチャカラをはじめ
若手が台頭してきたようですが。

大阪でのベーシスト山田氏の試みは、
プロがディレクトールとして
若手を率いていくことによって次世代が育ち、
そのことによって、
シーンが活性化するということに大きな意味があります。

始まったばかりなのでバンドが良くなっていくのは
これからと思いますが、
可能性にかけた勇気ある行動だと思いますね。

(福田カズノブ)


2006/03/01 
▲TOP



 
 Nelson Manuel y la Corte


活きのよい新人バンドが出てきました。
その名はNelson Manuel y la Corte。





老舗バンド、オルケスタ・モヌメンタルのボーカリストとして活躍。
1996 年にクラーベ・クバーナというビック・バンド・ソンを演奏するグループに参加。
その後、いろいろ渡り歩いて 2003 年に自身のバンドを持ちます。
全く無名に近い存在ですが、
ライブはここ2年程ハバナで行っているので、
エンビディア制作の実体のないユニット・バンドとは違います。

サウンドは、
イサック、チャランガなどいろいろなティンバ・バンドの風味をベースに
彼のボーカルを聴かせるタイプ。
トゥンバオ・アバナをチャランガ・アバネーラに近づけた音でしょうか。
ここの所、オーソドックスなティンバが少なくなってきたので、
ど真ん中の直球ストライクはかえって新鮮です。

好感の持てる1枚。
こういう勢いのある新人が出てくるのは喜ばしいことです。

今年はこの作品に続いて、
バンボレオを脱退しメンバーとして来日しなかった
Alain Daniel y su New Casinoのデビュー作を期待しています。

(福田カズノブ)


2006/02/26 
▲TOP



 
 キューバに存在する脅威のリズム


音楽は、その構成要素であるメロディとハーモニー、
そしてリズムが結晶したときに素晴らしいものになりますが、
時に、その1つが突出する場合があります。

オスカリート・バルデス
イサック・バンドのメンバーとして2001年に来日し、
その驚異的なテクニックでバック・ミュージシャンでありながら
赤坂ブリッツを埋めた聴衆の度肝を抜いたドラマー。
渋谷で行われたトリオの演奏でも
人間業とは思えないスティックさばきに息を呑むほどでした。
その後、2002年長崎ハウステンボスに
ディアカラのメンバーとして再来日し、
幾何学的とも形容できる未来派アフロ・キューバンを展開。

そのオスカリートのビデオ・クリップを
知人から頂いて見る機会に恵まれました。

変則ビートをリズム・ボックスに録音したもの4曲に対し、
8分の6拍子を基本にしながら、
両手は勿論、両足もそれぞれ独立したリズムを
刻んで複数の人間でも出来ないリズムの世界を構築しています。
ハウステンボスの演奏をさらに発展させた感じです。

キューバのミュージシャンのテクニックは凄いというのも
わりと当たり前になってきた昨今、
彼は頭一つ抜きん出た才能ですね。
ただ、
音楽として、
メロディやハーモニーとどう折り合いをつけるのかが
難しいような気がします。

彼を使いきれるバンド・リーダーや
共に演奏を向上していけるメロディ楽器の奏者なかなか
いないのではないでしょうか。

このDVDを観ていて、
LOS VAN VANの「ジェゲ・ジェゲ」を思い出しました。
鬼才チャンギートは35年前に
1台のドラムスで、
ボンゴ、コンガ、ティンバレスのアンサンブルを
演奏する実験に成功し、
ファン・フォルメルとプーピと共に、
楽曲として「ジェゲ・ジェゲ」を発表しています。

オスカリート・バルデスの才能が楽曲の形をとって、
表現されることを望んでやみません。

このDVDクリップは、
好意で特別にサンプル配布しているようですので
どうしても観たいと興味のある方は
BBSか、Informationのメーリング・リスト・アドレスで
福田カズノブ宛にご連絡を。


2006/02/24 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year 2005/総評


TIM★CUBA Music of the Year 2005はいかがでしたでしょうか。
全体的にはここ数年では稀に見るリリース・ラッシュで
内容的にも大豊作だったように思います。
レゲトンに押され、
ティンバ、キューバン・サルサは衰退の一途かという
キューバ現地からの話題が多かったのですが、
CDリリースでは逆に活況でした。

なぜでしょう。
これは、理由があるように思います。
ティンバ、キューバン・サルサ、ソンのアーティストたちは
ハバナのストリートの音楽、レゲトンやHIP HOPを
取り入れたり、追いかけたりして、
時代に乗り遅れまいとしていたところがあったのですが
ここにきて、もうストリートのサウンドは
レゲトンやHIP HOPに任せて
本来の音楽を
じっくり創ることに専念し始めたからなのだと思います。

ところで、このTIM★CUBA Music of the Year 2005は
福田カズノブの独断で決めている企画です。


(福田カズノブ)


2006/02/22 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year 2005/企画・特別賞

TIM★CUBA Music of the Year 2005/企画・特別賞を発表します。


企画賞第1位●FIDEL MORALES&Proyecto Nega 「 Salsa Son Timba 」
( Disc Review 44 参照 )

どこに行っていたのか、まったく音信普通だったフィデル・モラレスの復活作品は、キューバ音楽の良質な部分を集結させた大傑作でした。バックのメンバーは超オール・スター・メンバー。ティルソも、バンボレオのタニアも、それぞれのソロやバンドでの作品を上回る出来。個人的には全ジャンルで本年度NO.1です。





企画賞第2位●HARUHIKO KONO 「 A Cuba Gracias 」
( 観葉音楽 VOL.9 2005.11.19参照 )

日本とキューバ音楽の関係は、古くは東京キューバン・ボーイズがその基礎を築き上げましたが、1980年代からはこのHARUHIKO KONO さんの功績が大きく、日本にキューバ音楽を紹介するときの裏方をほとんどといって良いくらい担ってきました。日本の歌をキューバのトップ女性ボーカリストが歌うという企画もさることながら、KONO さんのパーカッションが全編で聴ける素晴らしい作品です。





企画賞第3位●CUBA LE CANTA A SERRAT 「 Cuba Le Canta A Serrat 」

Joan Manuel Serratの作品をキューバの各ジャンルのミュージシャンが演奏するという企画。楽曲のトーンは同一ながら、それぞれのアーティストの解釈、アレンジによって雰囲気は万華鏡のように変わります。意外にもチャランガ・アバネーラの出来が素晴らしく、肩の力を抜いた演奏が心地よいグルーヴを出しています。聴き所は、パブロ・ミラネス。作品と演奏、歌唱が結晶となったテイクです。





特別賞●NG LA BANDA 「No Te Compliques 」
( 観葉音楽 VOL.7 2005.4.19参照 )

NG LA BANDAのカセットのみで発売された幻のファーストの復刻盤。ティンバ創世記の音源としても貴重な存在といえる、奇跡的リリースです。20年近くたっても古臭さを感じさせない実験的な音源が詰まっています。





(福田カズノブ)

2006/02/20 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year 2005/キューバ国外部門ベスト5

TIM★CUBA Music of the Year 2005/キューバ国外部門ベスト5を発表します。


第1位●NIKA GARCIA 「 El Sueno Divino 」
( Disc Review 015 参照 )
国外のボーカリストがキューバのトップ・ミュージシャンをバックに制作したもの。ボーカルがキューバ人ではないのに、内容が素晴らしいのは、ルイス・エンリケ以来か。声に力があり、歌唱力も抜群。バックの演奏はイサック・バンド中心のメンバーで、クール
なキューバンを展開しています。





第2位●TITO SIERRA 「 La Nueva Ley 」
こちらはキューバ人パーカッショニストを中心にしたユニット。キューバ人でなくてはできないサウンドでありながら、国内のティンバ・バンドにはない都会的なセンスがあります。ボーカル、楽曲ともに素晴らしく、次作が望まれる存在です。





第3位●LA PVC 「 Olvidate del Resto 」
( Disc Review 027 参照 ) ( 観葉音楽 VOL.8 2005.7.21参照 )
2003 年発売ですが昨年日本に出回ったプエルトリコ発のティンバ。ソリッドなアンサンブルはキューバにはない魅力。日本のグルーポ・チェベレに近い感触があります。





第4位●TIEMPO LIBRE 「 Arroz con Mango 」
( 観葉音楽 VOL.8 2005.7.21参照 )
元NGのエル・キッドをボーカルに擁したマイアミ在住キューバン人バンド。2005年に2枚連続でリリースしました。90年代後半のティンバ隆盛期をそのまま再現するサウンドには、勢いを感じます。よい楽曲がやや少なめなのが気になるところですが、これからマイアミ・ティンバを引っ張る存在といえます。





第5位●LATIN DANCE BANDO 「 Movimiento 」
( Disc Review 057 参照 )
キューバ音楽好きなヨーロッパ人がティンバの有名曲を中心に録音した作品。ただのコピー・バンドではないアレンジ、演奏、ボーカルを聴かせます。やられました。カバーものでは稀に見る出来でしょう。




(福田カズノブ)


2006/02/16 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year/Son・Changui・Charanga 部門 1位 - 5位

TIM★CUBA Music of the Year 2005、Son・Changui・Charanga 部門ベスト1位〜5位を発表します。


第1位●YUMURI Y SUS HERMANOS 「 Salsa y Candela 」( Disc Review 046 参照 )
今やコンテンポラリー・ソンのトップ・ボーカリスト。ペドロ・カルボやアンヘル・ボンネより、立ち位置がしっかりしています。流行を追うことなく、名曲を歌い上げるその姿勢はご立派。ホアキンが仕切るバックのサウンドも最高です。1980年代キューバンの良いところをしっかりと再現しています。





第2位●ELIO REVE JR 「 Se Sigue Comentando 」( Disc Review 016 参照 )
故エリオ・レベの時代に迫るとも劣らない会心作。最強のバンド・グルーヴにティンバの要素を取り入れ、キューバ音楽シーンの最前列に並びました。いよいよ息子の時代が到来する予感がします。





第3位●CARLOS CARO Y SABOR CUBANO 「 Es mi Tumbao 」( Disc Review 052 参照 )
バイオリンのサウンドを全面に押し出したチャランガ・スタイルとティンバの融合は新鮮であり、斬新。優雅さやモダンさを失わずに、最新のグルーヴを出すことに成功しています。
エンビーディア・レーベルのおかげか、最近はチャランガ編成のバンドのリリース・ラッシュ。その中でも、際立った出来でしょう。





第4位●MARAVILLAS DE FLORIDA 「 Luchando Con Fe 」( 観葉音楽 VOL.9 2005.10.8参照 )
老舗バンドがティンバを取り入れバイラブレ・シーンの最前線に躍り出た意欲作。マノリート・シモネーをはじめ多くのミュージシャンを輩出した実力バンドの復活は、キューバ音楽の層の厚さと活性化を示しています。ヒット曲が出れば、バンド・グルーヴは申し分ないので、Aクラス入りも間近でしょう。





第5位●SONEROS ALL STARS 「 Dime Nague 」
参加メンバーが凄い。元オルケスタ・レベのパピ・オビエドとオデルキス・レベ、Los Van Van のサムエル・フォルメルとボリス・ルナ、惜しくも亡くなったシエラ・マエストラの名カンタンテ、ホセ・アントニオ・ロドリーゲス、そしてフランシスコ・パドロンなど名手が大集合。グループではなくユニットであるところを差し引いて5位としましたが、素晴らしいチャングイも聴くことができる最高の1枚です。




(福田カズノブ)

2006/02/14 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year/Son・Changui・Charanga 部門 6位−10位

TIM★CUBA Music of the Year 2005、Son・Changui・Charanga 部門ベスト6位〜10位を発表します。


第6位●ARAMIS GALINDO 「 Tiem Pos Que Cambian 」( 観葉音楽 VOL.8 2005.9.6参照 )
ボーカルが突き抜けているところが最大の魅力。ソンよりのキューバン・サルサにぴったりな声です。バックも勢いがあってなかなかしっかりした演奏。2曲素晴らしいナンバーがありますが、良い楽曲をさらに揃えることができればAクラスのバンドになれる要素を持っています。





第7位●DONALDO FLORES 「 Abran Paso 」
ADALBERTO ALVAREZ Y SU SON の元看板歌手のセカンド。ARAMIS GALINDO よりソンの度合いが強いキューバン・サルサです。ファーストよりも楽曲が良く、聴き応えがあります。ENVIDIA レーベルとは相性が良いですね。





第8位●JESSIE MARQUEZ 「 Sana locura 」
2005 年初めに発売になった作品。バイラブレではありませんが、モダン・ソンのアルバムとしては出色の出来。OSDALGIA のようなタイプで、声の艶、歌唱力も最高レベルのものがあります。掘り出し物といえる内容で次作を期待してしまいます。





第9位●ADALBERTO ALVAREZ Y SU SON 「 Mi Linda Habanera 」( 観葉音楽 VOL.8 2005.9.6参照 )
大御所の新作。メロディの良さには抜きんだものがあり流石ですが、1980年代から1990年代初頭くらいまでの全盛期からすると、まだまだ復活とまではいきません。バンドの演奏がやや軽いのとそれに伴ってボーカルが軽いことが欠点になっています。ファンとしてはもう少し重厚さがほしいところです。でも近作の中では最も秀作といえる内容。





第10位●ODERQUIS REVE Y SU CHANGUI 「 Changuisero de Cepa 」( 観葉音楽 VOL.7 2005.4.24参照 )
オルケスタ・レベの元ディレクトールのデビュー作。故エリオ・レベの兄弟ですが、本体のレベはエリオ・レベの息子に渡し、自身のバンドで活動を続けています。音楽的にはこのODERQUIS REVE Y SU CHANGUI がオルケスタ・レベの後継者でしょう。純度の高い、チャングイが詰まった作品でファンには理屈ぬきに楽しめる内容です。





( 福田 カズノブ )


2006/02/05 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year/Timba・Cuban Salsa 部門 1位-5位

TIM★CUBA Music of the Year 2005/Timba・Cuban Salsa 部門ベスト10を発表します。

第1位●LOS VAN VAN 「 Chapeando 」( Disc Review 006 参照 )
年間ベストは名実共に圧倒的な存在感を誇るロス・バン・バンに決定です。
特に今年は、10数年ぶりになる来日コンサートで日本全国を興奮の渦に巻き込み、話題性でもNO.1。
キューバのバンドはライブが凄いというのはもはや定番ですが、こうしたスタジオ録音盤にも力をいれてこそ世界に評価されるといえます。
この作品、ロス・バン・バンの長い歴史の中でも節目となる傑作といえるでしょう。





第2位●ISSAC DELGADO 「 Prohibido 」( Disc Review 034 参照 )
久しぶりの新作となったイサック・デルガード。
前2作はヌエバ・トローバやジャズをはじめ様々なスタイルの音楽を取り入れた内容でしたが、今作は王道のキューバン・サルサに原点回帰。
イサックのボーカルと素晴らしい楽曲、そして洗練された演奏で極上のキューバン・サルサ・アルバムとなりました。





第3位●JUAN KEMELL Y LA BARRIADA 「 Adios a la Tristeza 」( Disc Review 026 参照 )
予想以上の作品だったケーメル。
衰退気味だったティンバ系のアレンジを更に一歩進めた内容は高評価されるべきでしょう。
バン・バンのジェニーも参加し、素晴らしいボーカルを披露しています。





第4位●PUPY Y LOS QUE SON SON 「 Pupy el Buenagente 」( Disc Review 024 参照 )
1月に海外向けの「 Pupy el Buenagente 」を、3月にはキューバ国内向けにエグレムから「 Mi Timba Cerra 」を立て続けにリリース。
どの作品もレベルの高い内容で、バンド・グルーヴは現在キューバ NO.1 。





第5位●MICHEL MAZA 「 Que Hablen Los Habladores 」
( Disc Review 058 参照 )
年末にリリースされたミッチェル・マサのセカンド作。
自身のバンドが崩壊したのか、レベにゲスト参加したりして相変わらず1匹狼ですが、ボーカリストとしての魅力は依然として抜群。
歌唱力、声どれをとってもティンバ界では、NO.1 です。
ブレーキの利かないミッチェル・マサを押さえ気味なエンビーディア軍団の演奏が熱く支えています。
楽曲はチャランガ・アバネーラ時代のセルフ・カバーが多いのですが、なぜか新鮮みも感じる快心作です。





(福田カズノブ)


2006/02/05 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year 2005/Timba・Cuban Salsa 部門 6位-10位

TIM★CUBA Music of the Year 2005/Timba・Cuban Salsa 部門
ベスト10の後半を発表します。


第6位●PEDRO PABLO Y SU REBAMBARAMBA 「 Yo Tengo El Don 」
( 観葉音楽 VOL.7 2005.6.22参照 )
初期チャランガ・アバネーラのベーシストから、チャランガ・フォーエバーのディレクトールの1人として活躍、ついに自身のバンドを結成したペドロ・パブロ。チャランガ・マナーなティンバらしいティンバを演奏しています。





第7位●PEDRITO CALVO Y LA JUSTICIA 「 Raices 」
( 観葉音楽 VOL.7 2005.5.16参照 )
ロス・バン・バン卒業組からは、ペドリート・カルボ。
息子のボーカルを全面に押し出したティンバ・マナーなバンドになりました。まさに世代交代中ですが、内容はなかなか。





第8位●NG LA BANDA 「 Oye Siiii... 」
( 観葉音楽 VOL.7 2005.4.5参照 )
革新的なアンサンブルを提示し続ける鬼才ホセ・ルイス・コルテス。またもや時代の一歩先を行くアレンジを展開中。





第9位●BIMBO G 「 Ahora me toca a Mi 」
( 観葉音楽 VOL.7 2005.5.18参照 )
( 音の向こう側 2005.4.29参照 )
Sello LA 出身のBIMBO G 。1曲素晴らしいナンバーを含んだデビュー盤をリリース。





第10位●BAMBOLEO 「 Metallic Velvet 」
( 観葉音楽 VOL.9 2005.11.4参照 )
存在感ある女性ボーカル、タニアを中心に、ラサロ・バルデスのアグレッシヴなアレンジが展開する新生バンボレオ。ミニ・アルバムなので次作を期待。





( 福田カズノブ )


2006/01/07 
▲TOP



 
 TIM★CUBA Music of the Year 2005

新年明けましておめでとうございます。

本年もDJイベント 「Dance! TIM★CUBA 」 と
サイト 「 TimCuba.com 」 をよろしくお願いします。

それでは、新年恒例、ティンクーバ・コムの独自企画 「 TIM★CUBA Music of the Year 2005 」 の発表をスタートします。

この企画は本年で3回目。
ネーミングを Music of the YEAR にリニューアルしました。

キューバ国内や日本での評判は聞こえて来ますが、ネット販売も含めた実売数など客観的なデータがないので、
選択基準は、あくまでも福田カズノブの主観によるものになっています。


エントリー作品(購入月別)

■1月: LOS VAN VAN 「 Chapeando 」

□1月: PUPY Y LOS QUE SON SON 「 Pupy el Buenagente 」

□1月: JESSIE MARQUEZ 「 Sana locura 」

■2月: NIKA GARCIA 「 El Sueno Divino 」

□2月: YUMURI Y SUS HERMANOS 「 Salsa y Candela 」

□2月: CARLOS CARO Y SABOR CUBANO 「 Es mi Tumbao 」

■3月: ELIO REVE JR 「 Se Sigue Comentando 」

□3月: NG LA BANDA 「 Oye Si 」

□3月: LA CARO BAND 「 Cola Lok 」

□3月: PEDRITO CALVO Y LA JUSTICIA 「 Raices 」

□3月: ANGEL BONNE 「 Por Favor Escuchame 」

□3月: PUPY Y LOS QUE SON SON 「 Mi Timba Cerra 」

■4月: ODERQUIS REVE Y SU CHANGUI 「 Changuisero de cepa 」

□4月: BIMBO G 「 Ahora me toca a Mi 」

□4月: NG LA BANDA 「 No Te Compliques 」

■5月: JUAN KEMELL Y LA BARRIADA 「 Adios a la Tristeza 」

□5月: TIEMPO LIBRE 「 Arroz Con Mango 」

□5月: LA PVC 「 Olvidate Del Resto 」

■6月: ISSAC DELGADO 「 Prohibido 」

□6月: PEDRO PABLO Y SU REBAMBARAMBA 「 Yo Tengo El Don 」

■7月: CUBA LE CANTA A SERRAT 「 Cuba Le Canta A Serrat 」

□7月: ADALBERTO ALVAREZ Y SU SON 「 Mi Linda Habanera 」

□7月: MARAVILLAS DE FLORIDA 「 Luchando Con Fe 」

□7月: LATIN DANCE BANDO 「 Movimiento 」

■8月: FIDEL MORALES 「 Proyecto Nega 」

□8月: ARAMIS GALINDO 「 Tiem Pos Que Cambian 」

□8月: SONEROS ALL STARS 「 Dime Nague 」

■10月: BAMBOLEO 「 Metallic Velvet 」

□10月: HARUHIKO KONO 「 A Cuba Gracias 」

□10月: EL ZORRO 「 Somos Hermanos 」

□10月: DONALDO FLORES 「 Abran Paso 」

■11月: TITO SIERRA 「 La Nueva Ley 」

■12月: GUACO 「 El Sonido De Venezuela 」

□12月: MICHEL MAZA 「 Que Hablen Los Hablandores 」


以上34作品。2005 年は昨年前半の観葉音楽でもコメントしましたが、近年稀に見る大豊作。

キューバン・サルサは、レゲトンに押されていると言われながら、
CDリリースでは逆に量、質共に活況といえる一年でした。

(年末にリリースされた、PAULO FG と CUBANITO 20.02 は2006年度対象作品としています。)

福田カズノブ


2006/01/01 
▲TOP



▼観葉音楽 Vol.9

本サイトに掲載されている画像・文章等、全ての内容の無断転載を禁止します。
Copyright © 2006 TimCuba All Rights Reserved.
No reproduction or republication without written permission.

TIMCUBA