KAZU FUKUDA

KAZU FUKUDA
観葉音楽
Vol.12
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Habana Abierta
2006年9月16日(土)

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ホーベネス・クラシコス・デル・ソン
2006年9月9日(土)

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ティンクーバのライバル
2006年8月24日(木)

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スール・カリーベ
2006年8月20日(日)

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Los Van Van 大阪公演 その3
2006年8月17日(木)

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Los Van Van 大阪公演 その2
2006年8月15日(火)

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Los Van Van 大阪公演 その1
2006年8月13日(日)

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ティンクーバ主義
2006年8月8日(火)

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ティンクーバ☆デラックスで思うこと
2006年7月27日(木)

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TIEMPO LIBRE
2006年7月21日(金)

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インテラクティボ一派から「テルマリー」のソロ作発信
2006年7月18日(火)

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観葉音楽 By KAZU FUKUDA

観葉音楽 By KAZU FUKUDA

▲INDEX  
 Habana Abierta

アバナ・アビエルタの 2005 年作はセンス良いです。



ソン、サルサ以外のキューバ音楽が
世界に飛び出していくときに
このバンドは
その1つに入るだけの音楽的な要素をもっています。

いろいろなサウンドをミクスチャーして、
個性にまで昇華している曲が数曲あって、
今、話題のインタラクティボの
一周先をいっています。

アプローチはいろいろでも
リズムはキューバ人しかできない捻じ曲がったビート。
これが心地よいと感じるには
ソン・サルサ側からくるのが早いか
ワールド・ミュージックから辿り着くのが早いか、
いったいどちらなのでしょう。


2006/09/16 
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 ホーベネス・クラシコス・デル・ソン


ホーベネスの新譜はまさに先人に敬意を表した
トラディショナル・ソン・アルバムでした。



デビュー以来、
古くから続いている音楽に
新しさを加え続けてきた彼らですが、
ここにきて原点を見つめ直した感じです。

ソンの大きな流れは、
トラディショナル・ソンから、
アルセニオ、チャポティーン・スタイルのコンフント・ソンと
ソノーラ・マタンセーラのソノーラ系の
3派に大きく分かれていきますが、
その源流である
トラディショナル・ソンの先端を歩んでいるのが
ホーベネスであることは間違いありません。

次作がどうなるか、
また進化を続ける姿勢を期待したいところです。


2006/09/09 
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 ティンクーバのライバル

イベントが近づくと何か締め切りが迫った作家のような
気持ちになります。
メインDJのリハやセッティングの度合いからみると
DJイベントではなく、確実にバンドに近いですね。

そもそも、僕がバンド名にするつもりだった
「TIMCUBA」という名称をDJイベント名として提供し、
DJ KAZURUが、★をつけて出来たものなので、
形を変えたバンドともいえます。

現在の120%サルサ誌のイベント欄では、
★、☆、だらけですが、
ティンクーがサルサとして初めて採用したのは6年前。
いろいろ、DJイベントとして、
ダンサー、VJ、トークと実験、初採用を重ねてきましたが、
それがいつか一般化していくのは
時の流れとして当然のことです。

でも、老舗と言われることもありながら
最前線で新人のごとく突っ走っています。

自分でもこのエネルギーは何なのか、と思うことがありますが、
一回、一回がその時点での最高となるように、
安易に回数を増やしていないことがその理由のひとつ。

そういう意味では、ハコDJや
いろいろなイベントに呼ばれるDJとは
まったくスタンスが違います。
バンドにシンパシーを感じるのは
そんなことからなのかもしれません。

明後日26日土曜に、そんなティンクーバがあります。
DELUXEの再現となるか、それをも超えるか。
ティン☆クーバのライバルは、TIM★CUBAなのです。

■ 2006年8月26日(土)    20:30 - 24:00
□ Studio Pepe 2  (03-5474-8019)
□ 六本木 7-17-12 ビジネスアパートメンツB1(明治屋ウラ)
□ ¥2000/w1d


2006/08/24 
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 スール・カリーベ


サンチャゴ・デ・クーバからハバナに出てきて、
そのライブの実力で人気バンドの仲間入りをはたした
スール・カリーベ。
3作目となる「Credenciales」は骨太の快心作。
いよいよトップバンドに近づいてきたといえます。



そのサウンドは、
レベ、バンバン、プーピ、パチート・アロンソに共通する
チャングイ系のリズムがベース。

レベが 1960 年代に考案したこのリズムの原点は、
サンチャゴ方面で生まれたもの。
ソンの後半にあるアフロな部分は、
原始チャングイが基本ともいわれているので
ソンより先にあったリズムなのです。
だから、ソンから始まったであろう
ヨーロッパから来たカシーノ=ペア・ダンスは
チャングイ系では踊りにくいのです。

同じビートが永遠に続いていくのは
キューバ・バンドの特徴のひとつですが、
スール・カリーベはまさにそれが武器。
バンド・グルーヴが他のバンドに比べ半端ではないので、
現地のキューバ人に受けているのも頷ける内容です。

曲はリーダーの Ricardo Leyva が全て書いていますが、
一度、他のディレクトールに
サウンド・ディレクション任せてみると
面白いことになるかもしれません。
というのも
Van Van のメンバーが参加したナンバーが
このアルバムの中で特にモダンなアレンジで
スール・カリーベの音楽的な幅を広げているからです。


2006/08/20 
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 Los Van Van 大阪公演 その3


おおかたのアフター・パーティは、
メンバーが来て、飲んで、少し踊ってという内容なので、
特に面白いことはありませんが、そこで、
ジャム・セッションとなると話は違ってきます。





今回のLos Van Van 大阪公演のアフター・パーティは、
ゴージャスなライブ・クラブ「ベロニカ」で、
在阪のラテン・ミュージシャン、ベース山田氏とフルートの福留氏、
そして東京からチェベレ・デルソルのティンバレス美座氏のセッションに、
マジートがお約束で飛び入りするというスペシャルな内容だったのです。

1曲目はLagrimas Negras。
前半、バンドとマジートのリズム感が合わず、ギクシャクしていましたが、
モントゥーノでマジートがミザリートに指示をだしてから、
一気にリズムに躍動感が生まれ、ボーカルと演奏が合致しだしました。
そこからはマジートの独断場。
2曲目のBilongo では、アドリブも爆発。
稀有なシンガー、マジート・リベーラの生ボーカルが
きちっとした演奏に乗るという願ってもない展開になりました。

キューバ人の歌と日本人の演奏の違いは何なのかが、
まさに目の前に出現した瞬間に立ち会ってしまったようです。
誤解を避けるために補足すると、決して
日本人ミュージシャンの演奏能力が劣るという訳ではありません。
彼らは日本の中ではトップのラテン・ミュージシャン。
他の人ではマジートについていけなかったでしょう。

マジートの歌と日本人ミュージシャンの差は
コラソン、サボールというふうに表現されているもの
なのかもしれませんが、
僕には音楽的にもっと具他的なものであったと感じました。
キューバ人はああいうふうに歌うのかと
あらためて感心した一夜になりました。


2006/08/17 
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 Los Van Van 大阪公演 その2


ロス・バン・バン大阪公演を見て感じたことをまとめてみます。


ライブは、会場の大きさ、音響、オーディエンスの数や盛り上がり、
そして個々人のバンドに対する思い入れに左右されるので、
いろいろな感想があってよいと思いますが、
僕は、今回のライブ
明らかに昨年より出来が落ちると感じました。

理由は1つ。
ピアノのRoberto Carlos Rodrigues “Cucurucho”が
参加していなかったことが
サウンド面で重大な影響を及ぼしていたからです。

えー、名手Boris Lunaが大活躍していたじゃないですかーという
声が聞こえてきそうですが、
そのとおり、Boris Lunaは素晴らしいピアノ奏者で
ククルチョの穴を埋めるどころか、中心的な活躍でした。

では、なぜか。
それは、シンセ奏者Boris Lunaの存在が
Los Van Van からいなくなることで、
Los Van Van が持っている魔術的な魅力が
消えてしまっていたからです。

昨年は曲の後半、
怒涛のモントゥーノに入ると頭の中にグルーヴが入ってきて、
腰が自然に回り、わけがわからなくなる快感に浸りましたが、
今年は1曲もその感じがありませんでした。

フルート奏者がシンセを務めていましたが、
Boris Lunaの代役を果たせるわけがありません。
以前、Pupyと最強のツイン・キーボードを組んでいた
シンセ奏者Boris Lunaの音楽的センスが
Los Van Van サウンドのマジックを担っていたことが
図らずも露出してしまったのが今回の公演だったのです。

そのためもあってか、
昨年より比較的元気だったJuan Formellが
ベースにコロに前面に出て、
バンドを引っ張っていたことが印象的です。

とはいえ、天下のロス・バン・バン。
メンバーが欠けても何もなかったように演奏する実力の持ち主。
福岡公演では、
オーディエンスの盛り上げでLos Van Van から
最高の演奏を引き出してはいかがでしょう。




2006/08/15 
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 Los Van Van 大阪公演 その1

大阪公演の報告です。

全11曲、2時間強のライブ。
Juan Formellも元気そうで、
ベースを弾いていない時はコロで参加していました。
広い会場もほぼ埋まり、
昨年よりやや少ないものの充分な集客といえる状況。

感想は「定番VanVanサウンドが堪能できた」
というところです。

サウンドの詳細分析は続報としますが、
大阪で特筆すべきはアフター・パーティ。

ベロニカというかなり大きいゴージャスな
ライブ・クラブで行われたのですが、
LosVanVan一行が全員到着し食事した後、
関西のトップ・ベーシスト山田、
ティンバレス美座、フルート福留のセッションに
マジートがお約束で呼ばれ、
フルに2曲を歌い上げたのです。
これが、実に素晴らしく、
LosVanVan公演のちょっとしたアンコール曲のようで
アフター・パーティとしては最高の内容でした。
この様子も続報で。

今回は東京から大阪公演に駆けつけたTIMCUBAの友人達
が大勢いて、一団となってライブ、ダンス三昧。
大阪のキューバ派を圧倒する勢いでした。


2006/08/13 
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 ティンクーバ主義


今回のティンクーバ・デラックスは
緻密な準備と計算のもとに成り立っていて、
ある意味予定通りの盛り上がりなのですが、
イベントというのは時としてオーガナイザーの手元を離れ、
会場のエネルギーを吸収して
意思を持った存在になることがあります。
今回のデラックスはまさにそんな感じでした。

ここでイベント・ティンクーバを取り巻く状況を
あらためて考えてみたいと思います。

現在音楽としてのサルサは、若いラティーノスにとって
最も楽しめる音楽ではなくなってきているようです。
これはキューバでも同じ。
それに同調して、サルサ・ダンスは音楽と共に
興味の対象ではなくなってきているのでしょう。

反対に日本では、サルサ・ダンスが音楽から独立し、
人気を得て、多様化、複雑化の一途をたどっています。
ON1、ON2…LA、NY、CUBAN…、スタイルが分かれ、
さらに同じスタイルでも教えているイントラごとに
分派しているかの様相です。

ペア・ワークも以前から比べるとより複雑にかつ高度になり、
パフォーマンスとして
人に鑑賞してもらうことが目的のダンスも多くなりました。
もう、
現地ラテン諸国と日本、音楽とダンス、様々なダンス・スタイルを
一括りにできない状況です。

そんな中「TIM★CUBA」は、
あらためて音楽主義を宣言したいと思います。

ダンス・トラック志向のDJをメインに
キューバ音楽を追求するコーディネーターで
構成するイベント。
それが、ティンクーバです。

ダンスは否定するどころか、イベントそのものと考えています。
ただ、踊り方はそれぞれオーディエンス1人1人のもの、
質の高い自由なダンスが
DJと共にティンクーバを創っているのです。

おそらく世界でも類をみない、
独自のカラーをもったイベント「TIM★CUBA」。
今後も皆さんとともに進化していきたいと考えています。


2006/08/08 
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 ティンクーバ☆デラックスで思うこと

ティンクーバ6周年記念イベントを開催します。

6という数字にはあまり意味はありません。
稀有なDJ、KAZURUのここ1年の集大成。
ベスト盤リリースといった感じです。
会場はかなり広いので、思い切り踊りたい人向きですが、
広さより、ストイックなイベント・クラブの空間に
ティンクーバ・サウンドがどのように鳴り響くのかが、
興味あるところ。
実験的かつ挑戦的な企画となりました。

デラックスといっても、てんこ盛りの出し物はいっさいなし。
DJ KAZURUのバイラブレ・トラックと、
スーパー・デラックスの空間、そして
ダンサー・TOMOKOと
会場のオーディエンスが発するエネルギーが
どう混ざり合うか。

その時にしか生まれ得ない時間。
記憶に残る一夜になりそう、とだけお伝えしておきます。


2006/07/27 
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 TIEMPO LIBRE

ティエンポ・リブレ、3 作目が 6 月に出ましたね。
ファースト、セカンドとかなりのセールスがあったようで、
立て続けのリリース、まさに快進撃です。



いよいよ、
マイアミでもティンバが解禁され市民権を得たようにみえますが、
ファンはラティーノよりは白人が多いように思います。

先日、
元バン・バンのイスラエル・カントゥールが若くして亡くなりました。
彼がマイアミのキューバン・シーンを音楽的に仕切っていたので、
これから力関係がかわり、
ティンバやキューバン・サルサの活動が
メインになってくるのではないでしょうか。

Vannesa のセカンド・アルバムもなかなかでしたし、
キューバン・ティンバ・オール・スターズ
ダニー・ロサーダ
カルロス・マヌエル
そして、
マノリン・エル・メディコ・デ・ラ・サルサ
と CD リリース・ラッシュをぜひ期待したいところです。


2006/07/21 
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 インテラクティボ一派から「テルマリー」のソロ作発信

映画 「 MUSICA CUBANA 」 の東京ライブでは、
マジート、エル・ネネ、オスダルヒア、ティルソらに混じっても
引けを取らない程の魅力を放っていたテルマリー。

待望のデビュー・アルバムがでました。





他国同様、キューバでもラップはストリート性が強く、
若者の不満を発散することが主目的なジャンルですが、
彼女は少し趣向が異なっています。

かつてイギリスのトーキング・ヘッズがデビューしたときの
空気間に似ていて、
芸術系の学生が音楽をやっているような感じです。
また、ルンバをはじめとするアフロ・キューバンにも
アプローチをのばしている点も特徴的。

レゲトンや米国のラップからはかなり距離を置いているのは、
本人の方向性とともに
インテラクティボのロベルト・カルカセスとジューサが
音楽監督をしていることも大きな理由でしょう。

でも僕は、
このタイプのサウンドは全体的にメロディが弱すぎてだめですね。

アルバムの中で気にいった数曲は全て、
歌モノに近いナンバー。
コロがメロディを歌って、そこにラップが入る曲は最高です。

今後はそういった曲が増えてくることを期待してしまいますが、
はたして次作はどうでしょうか。


2006/07/18 
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▼観葉音楽 Vol.11

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