映画「マルクス・エンゲルス」を観た。
会場は大学の元教授や若い頃に学生運動をしていたような
如何にもという初老の男女で満席だったが、
内容は「資本論」を読んだことがない若者にも
何かを感じさせるものになっていた。
主人公達は肖像画のような年齢ではなく
24歳のマルクスと22歳のエンゲルス。
自分たちのアイデアを実現にしていくまでの勢いと葛藤を、
恋愛や生活と絡めた物語。
その流れで、共産主義のバイブルとなって世界を席巻する
彼らの共著「共産主義宣言」や
「資本論」執筆の前夜を描いていた。
それから約180年、
今になってみればどうだろう。
権威や偏った所有に疑問を感じて、
産業革命から生まれた資本主義の仕組みや欠陥を分析し
搾取のない人間社会を目指した若者の理想は、
世界史を見ると形を変えた新たな権威を生み出し、
対象だった資本主義はグローバル金融資本という
新たな化け物を生み出している。
とはいえ映画で描かれた時代から見ると、
その思想が影響して社会が改善されたことは事実。
IT技術も大企業に対抗する若者のアイデアとエネルギーが
起爆剤になって社会を変えているが、
そこにマルクスやエンゲルスが感じたような
人々が幸せになる社会正義が入ってくるのか
問われているような気がした。
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