「横溝正史の日本語 」
という本を読んでいたら、版を
重ねるごとに、余りにも
表記が変化しているのに
おどろきました。
横溝正史くらいの人気作家になると
出版社によって選集や全集
文庫と形を変えて同じ小説が
何度も出るわけですが
一つの小説で5パターンも6パターンも
表記の異なるものが出てるのです。
例えば
ちゃうど ちょうど
構はず 構わず
やうに ように
匂(にほい) 匂い
生えてゐて 生えていて
横溝正史が執筆活動していた当時に
設定された、当用漢字
現代仮名遣い、が影響して
変化したものが多いのでしょうが
一箇所ニ箇所ならともかく
全編にわたって変化があるわけで
読後感の違いにつながるでしょうね。
これをすべて当たって
羅列し、考察した著者も
すごいですが、確かに
こうなると、では
活字になる前の原稿段階では
どのような表記だったのか、も
ぜひ知りたくなるものです。
しかし、こんな執念のような
研究は自分には到底できないな、と
思います。
著者は今野真二という
清泉女子大の日本語学の先生らしいですが
お疲れ様でした…というしかないな。
他にも作品内での
表記の統一の問題や
オノマトペからも、横溝正史の
独特な作風に切り込んでる本でした。
表記統一問題に関しては
横溝って割と
適当にやってると私は思ってました。
その時のノリを大切にしてる気がするというか
深く考えない部分も多い人のような…
違ってたらすみません!
DJ KAZURU
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