漱石と芸能。

という講演会に行ってきましたよ。

漱石など近現代の
文人には能や邦楽のおこのみが
少なからずあったということで…

国立劇場会員の催しです。
申込みに往復ハガキ使うのが
古めかしくてすてき〜

早稲田の近現代文学の
教授の司会で
能のワキ方と一中節の家元の
お二人の実演とお話をきくという流れ。

わたくし自身が
近現代文学を好んで読む中で
三味線音楽を聴き分けたい、長唄の
歌詞が小説内で引用されていたら
そのメロディが脳内で鳴るようにしたい
という思いから
三味線を稽古しているのですが
早稲田の先生が
「清元も浄瑠璃も聴き分けがつかない」
と
発言されたのには
少々がっかりしますね…

さて
一中節は250年前に歌舞伎と
決別したそうで
現在ものすごい少人数団体だと思います。

時代から想像するに
エロもグロもやりたい放題だった
歌舞伎に反して
上品な三味線音楽をめざしたと
いうことでしょうが
実際
格調高い調べでした。

ざっくばらんに言えば
大衆ではなく、経済界の大物あたりを
相手にしたんですね。

ホテルオークラの先代などは
相当、一中節に入れ込んだそうだから
小さなパイでも
大物相手に演奏や指導を続けてきた
（そんな話のフシブシに
庶民相手の清元や浄瑠璃への
嫌味が感じられるんですが。笑）

家元は、盛んに
教養としての一中節ということも
言われていたのですが
教養とはそれを身につけることにより
自然に、自分も周りも
幸せにする態度しかとれなくなるということ…

みたいな解釈であるようで
奥深さに感じ入った次第です。

教養ってともすると
頭でっかちにになるけど
こんなふうに捉えると
いいですね。

DJ KAZURU