差別言葉を敬称に変える。

そういう流れ、というか
考え方に最近ちょくちょく出会うようになったと感じます。

例えば黒人における
カラード（敬称というより
敢えて使う例を「うつくしい実験」で知った）。

性的マイノリティの
ダイク（レズビアンの蔑称だけれど
近年レズビアンが進んで使っている、と水上文の本にあった）。

そして作家における
「女流」ですよ。

山田詠美「三頭の蝶の話」。

思えばバカバカしい
作家を性別で分類する風習。

芥川賞の選考委員も
80年代になるまで
男性で固められていたというから
ごく最近まで女性の作家は
女流という檻に
閉じ込められていた事になります。

一方それを良しとし誇りにしていた
女流作家がいたのも事実で
悪くない感じもあった。

そのモヤモヤ感に切り込むのは
山田詠美の世代だから
出来たことではないかしら。

その「女流」作家、そして編集者の
生き様をズバッと描いた感じですね。

後半、瀬戸内寂聴のように
子を捨てて恋に走った
作家が自分が傷つけた人たち
全て作品に昇華する
生き様を語るところもありました。

河野多恵子、寂聴あたりがモデルらしい。

また
山田詠美が先日の
芥川賞選評で
死を作品中で便利グッズのように
扱うな、と
苦言を呈していましたが
そのことも書かれてました。

それにしても弔辞で
「愛することを教えてくれたあなた、
今度は忘れることを教えてください」
と読み上げるなんて
すごい人がいたものですねえ
これ実話な気がする。

DJ KAZURU