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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

なんて世の中だ!

桐野夏生 著
「路上のX」拝読。

家庭という居場所を失った女子高校生が
渋谷をさ迷い、大人たちに
食い物にされていくことから
必死に抵抗するストーリー。

2018年初出だから、まあ
「今」を浮き彫りにしていると
言っていいでしょう。
行き場のない少女の保護活動をしている
仁藤夢乃さんに取材もしたということです。

女子高生が
自らを性的な売り物にすることが
取りざたされるようになったのは
90年代ですよね。

1995年に岡村靖幸氏が

「あなたはただ服を脱ぐ 今週も連休も
たまんないよ 大人に声かける
わかんないよ あなたに情がでる」

と、歌った
「ハレンチ」は援助交際を
ポップミュージックにした
唯一の曲らしいですが
LINEもなかったその頃とは
異なり2018年は
「ビジネス化」がとんでもなく
進んだのですね。

親がマトモに機能していない家に
生まれてしまった女の子が
ネグレクトの果てにどうなるかを
リアルに書き出している小説ですが
暗澹たる気持ちになりました。

人間は幼くとも、少女であっても
プライドというものがあり
それゆえに大声で助けを求められない。

そこを見込んで搾取ビジネスに巻き込む
悪い大人がわんさかいるわけですね···もう
どん底まで落ちていくための
コースが出来上がってしまっている。

なんとまあ良くできた構造でしょうか。

逆に一度踏み外した女子が
安全安心を得られるよう
社会で守る構造は出来ていないのです。

主人公の真由は
両親と連絡がとれないのは
事業に失敗し借金取りに追われてるためと
言い含められている。
だから踏ん張って
ひとり生きていかなくては、いつか
両親と一緒に暮らすため、と
思って路上をさ迷い頑張っている。が
真相は
母親が間男したことに激昂した父親が
間男を差し、父親は拘置所行きになっており
母親はその間男と一緒になって近々
子供まで生まれるということが
露呈。

常軌を逸しているのは
女の子を食い物にしてる
大人だけではないのです。

善人の顔で世間に紛れ込んでいる
「普通のお父さんお母さん」も
このていたらく。

真由を絶望から救い出すものなど
見当たりません。

みんな好き放題して
その結果には責任を持たない。

1989年「ハレンチ」に先駆け
岡村靖幸氏は「boys」という曲で
便利な社会で責任なく遊ぶだけの
毎日を謳歌する生活を歌いながら

「僕たちの生き方って正しいのかな?
僕たちは子供を育てられるような
立派な大人になれんのかなあ?」

と疑問を投げ掛けています。

そこから30年の時を経た今、
その危惧は正しかったよ···と
ため息がでるような小説でした。

DJ KAZURU


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