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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

非色

120分で名著という番組で
フランツ・ファノンの
「黒い皮膚、白い仮面」
なる本を知ったのです。

ファノンが生まれた
マルティニークは文化的に
フランスの支配下にあるので
黒人である土着の人はフランス語を話し
現地の子供はフランスの絵本を読んで
育ちます。

絵本では金髪のお姫様、一方
悪役や野蛮な登場人物は
黒い肌で描かれる、そんな絵本。

当たり前に受けとるフランス文化から
育まれた「常識」は
自らも黒い肌をしているのに
黒いものは悪であり、白いものが
善だというもの。つまり
「心はフランス人」という気持ちを
植え付けます。

なのに
高等教育を受けるため
フランス留学したら
「わー、野蛮なニグロ」
と、子供から指差され
たいそうショックを受けたというのが
「黒い皮膚~」の作者の体験です。

マルティニークの人がフランス仕込みの
教育の結果、ねじれた構造を抱えている
事実にびっくりしたのですが
いやいや、他人事ではありません。

自分の姿と似た
黒髪直毛扁平顔のキャラクターではなく
ディズニーのお姫様を「最高に美しい」
と、思っている日本人も
まったく笑えないなと
我が身を省みました。
私の友人には
「可愛い子を生みたいから
白人と結婚したい」
などと言ってる人もいたのですから。

・・・

さて、ここで
有吉佐和子1967年初出の「非色」です。
最近文庫復刊しました。

戦後、進駐軍の施設で働くうち
黒人兵と結婚し子供をもうけたエミコ。
いわゆる「戦争花嫁」です。

進駐軍の物資が手に入るので
他の日本人がボロを纏うなか
住まいも着るにも食べるにも
困ることはありません。

が、当時は混血の子供に対して
めちゃくちゃ風当たりが強かったので
銭湯へ行っても好奇の目にさらされ
精神的な苦労が耐えません。

任務が終わり先にアメリカへ
帰国した黒人兵の催促で
子供と二人ニューヨークへ船で
二ヶ月かけて渡米したものの
夫はリッチな進駐軍ではなく
もうただの病院雑役夫になっており
住むところもお金もカツカツ。

日本料理屋で働き、なんとか
家族を支えるも
白人からはニグロと蔑まれ
プエルトリコはニグロよりひどい人種
ということを夫に吹き込まれ
また、もっと最低なのはイタリア系だと
言う人もいて
日本にいれば無関係であった
人種のマウント取り合いに
巻き込まれていきます。

どのコミュニティに入ってみても
生まれ持った肌の色による
差別から逃れられないエミコ。

1950~60年代が舞台の小説ですが
これが2020年になったとて
ブラック、ライヴズ、マターなる
運動があるくらいですから
根本的には変わっていないのです。

有吉佐和子の文章には
怒りのパワーがあります。

読者に
「あなたもこの件について
考えてみて!ひとりの人間として
差別について
怒ることを抱えているでしょう」と
迫ってくるようです。

DJ KAZURU


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