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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

東大生が複数で女子大生に
強制猥褻した事件をもとにした
小説、「彼女は頭が悪いから」
姫野カオルコ 著、拝読。

ディテールはすべて
フィクション。

思い上がった東大生の
世のためになどまったくならない
日常と、そんな男のいいなりになる
女子大生の心情が綴られ
歯がゆい物語でしたが、なぜ
こんなことになったのかが丁寧に
書かれており素晴らしかったです。

実際の事件の公判では
三流女子大生である
被害者をバカにするような言動が
あったということ、また
被害者の自業自得論なども出たので
とても、気になっていた事件でした。

なぜなら、私も女子大生のときに
東京大学内の出版社で
雑用のアルバイトをしており、そのときに
接する人は「先生」と呼ばれる人が多く
学生とは喋ることなかったですが

「東大出てる人って
東大以外の人間を人間だと思ってない」

と、感じる機会が度々あったからです。

特に決定的な言葉を投げられた
ということは無いのですが
なんかモヤモヤとそういう印象を
それから20年以上持ち続けてきました。

だから私は東大ときくと
「どうせ人として問題あるやつだな」
と、色眼鏡で見てしまうようになったのですが
この小説はその「モヤモヤ」の
正体を解き明かしてくれたのです。

もう、あっぱれです。

人を見下しているようなのに
まったく悪気の見えない様子は
彼らが東大に入る前から着々と準備され
世間の「東大」に対する態度とあいまって
作り上げられたものなので
ちょっとやそっとじゃ動じない
なんとも
壮大な思い上がりなんですね。

また、私が女子大生のとき
周囲に「東大サークル」に入っている
人がいっぱいいて
意味がわからなかったのですが
彼女たちが何を求めていたのかも
ようやくわかりました。

役にもたたない自信だけが
膨れ上がって、自分は選ばれた人間だと
ガチで思っていた彼らも
それを助長していた女子大生はじめ
周囲の人間も可笑しいと云わざるをえないです。

問題は彼らの傲慢を
助長してきた
周囲の人間にもあるのでしょう。

私の大学入学直後に
アルバイトをはじめようとする
同級生も多かったのですが、そのとき
修道女(カトリックの大学なので
学長が修道女だった)の口から

「みなさんはアルバイトする必要なんて
ありませんよ。
そういう経済状況でしたら
ご両親はこの女子大学にあなたがたを
受験させていませんから」

そして
冗談混じりの口調ながら、

「ボーイフレンドを捕まえようと
焦ることもありません。
わが校の出身者は一番人気
お嫁さんにしたい女子大ナンバーワン
なのですから、絶対に
よい結婚相手に恵まれます」

という趣旨のことも言われたのですが
このとき感じたモヤモヤも
東大で感じたモヤモヤと
無関係では無かったのでした。

あれから時は流れ、
「お嫁さんにしたいナンバーワン」
女子大であった我が母校も
女子大の存在意義が揺らいだため
どっと偏差値が落ちたということを
最近知りました。

この小説で
ひたすら貶められる三流女子大生の
主人公のことはもう
他人事ではありません。

物語のラスト、事件の被害者が
自分の大学の生徒だと知った女学長は
実に痛快な言葉で、加害者の母親に
事件の真相をつきつけます。

私の母校の学長も
学生の尊厳が傷つけられたとき
このようなケアをしてくれるだろうか?

ぜひそうあって欲しいと
願います。

文庫版には複数作家の
解説がついており、どれも良い批評です。

伊集院静は
「この作品の一方の主人公である
大学生は、無知の典型」
と書き
桐野夏生は
「この国で女に生まれることは
とても憂鬱」と
書いていました。

本当にこの国って
なんでこんな悲しい国になったのでしょう。

DJ KAZURU


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