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2/1 イサックを語る

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Juan Manuel Ceruto – ¡Gracias,Formell!

1997
GEMINIS PRODUCTIONS

1.La Candela
(Michel Maza)
2.La Habana Joven
(Angel Bonne)
3.Mis Dudas
(Mayito Rivera)
4.Recaditos No
(Hayla Mompié)
5.La Habana Si
(Robertón Hdes)
6.La Titimania
(Tony Calá)
7.Tu,Tranquilo
(Issac Delgado)
8.De La Habana A Matanzas
(Aramis Galindo)
9.Ay Mama,Recibeme
(Paulito F.G.)
10.Somos Los Van Van

数あるオールスター企画アルバムの中でも屈指の内容といえる
名盤 「¡ Gracias,Formell !」 を紹介します。

このアルバムは、Los Van Van のリーダー Juan Formell の作品を
9人のトップ・ボーカリストが1曲づつ歌うというもの。

Charanga
Habanera の Michel Maza、Bamboleo の Hayla Mompié、NG La Banda の Tony
Calá、Adalberto Alvarez の Aramis Galindo、Paulito F.G.、Issac Delgado そして
Los Van Van からは Mayito Rivera と Robertón、
さらに元Los Van Van の Angel Bonneも参加しています。
まさに1997年当時のキューバ国内トップ・バンドのメイン・ボーカリストが全員集合という状態。

バンドもピアノの Melón を筆頭に、トランペットの Alexander Abreu、コンガの Anga と強力なラインナップ。
このメンバーについて語り始めてもきりのないところですが、本作の評価すべき点は豪華きわまりない参加アーティストの布陣以外のところなのです。

その1つは Juan Formell の楽曲。

Juan Formell は Los Van Vanという伝説的バンドを長年率いてきたリーダーということで充分な賞賛を受けていますが、実際にはひとつの型にはまることなく、様々に発展する可能性を秘めたタイプの曲を書けるという才能にも恵まれている作曲家です。
本作 「¡ Gracias,Formell !」 を通して聴くと、異なるアプローチの中でも楽曲の完成度が感じられ、名作曲者としての側面を評価されるべきアーティストだということを再認識できます。

そして2つ目はこの作品のディレクトールを担当した Juan Manuel Ceruto。

彼は1980年代後半、Opus13 のメンバーとしてサックスとフルートを担当し、その後、Paulito F.G. と共に Paulito y su Erite を結成。
この1997年の作品「¡ Gracias,Formell !」が評価され、イサックやハイラのアルバムのディレクトールを次々とこなし、今やキューバのトップ・ディレクターの地位を不動のものとしています。

彼の特色は、まず音楽的な自分のカラーが濃すぎないこと。
楽曲とボーカリストの個性を中心にしてティンバからポップスの間のトーンでディレクションを完成する手腕が、音楽監督の依頼を多くした要素なのではないでしょうか。


性的でサウンド・カラーが強い人は自分のバンドを持って、一からサウンドを創っていき、それが成功に繋がるわけですが、Juan Manuel
Ceruto はある程度の魅力を備えた曲と、実力のあるボーカリストを目の前にして、はじめて自分のサウンドが出来上がっていくタイプなのでしょう。
そういう意味で、Los Van Van の名曲を用いながらも彼らしい解釈で、別の曲ともいえる作品に仕立て上げたこの作品は、彼の最高のオリジナル・アルバムともいえます。

それぞれの作品を見ていくと、

1.La
Candela は Michel Maza が歌う素晴らしいティンバ・ナンバー。彼は現在ソロ歌手状態のようですが、良い楽曲を Juan
Manuel Ceruto にディレクションしてもらい、CDを製作すれば最高なものになることは間違いありません。

2.La Habana Joven は元 Van Van の Angel Bonne の歌うナンバー。原曲は1970年代のファースト・アルバムに収録されたクールな SONGO の名演奏です。

3.Mis Dudas は1990年のアルバム収録曲。Mayito Rivera が Los Van Van に加入したのは1994年。原曲のボーカルよりも Mayito には華が感じられます。

4.Recaditos No は1987年のアルバム収録曲。Hayla Mompié のボーカルがフィットしています。その後、Hayla Mompié のソロ・アルバムを Juan Manuel Ceruto が担当したことは前述のとおり。

5.La Habana Si は言わずと知れた大ヒット曲。Robertón が歌っています。

6.La Titimania は、1989年のアルバム収録曲。クールなアレンジと Tony Calá のボーカルが良い感じです。

7.Tu,Tranquilo は Issac Delgado の1997年のアルバム「Exclusivo Para Cuba」にも収録された曲。まさにイサック・サウンドそのものになっています。

9.Ay Mama,Recibeme は 1983年のアルバム収録曲。この楽曲はすっかりパウロの曲と化していて、原曲をしのぐ出来になっています。

この作品の後 1998年には、この CD のメンバー総出演のトップ・ティンバ・グループによる 「Team Cuba」 ライブが、ヨーロッパ、バラデロ、ハバナで行われますが、
Juan Manuel Ceruto は、その大きなプロジェクトでも、ディレクターとして中心的な役割を担っていました。

(福田 カズノブ ★ 2005/06/27)


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