サントリーホールにて
青木涼子の能オペラ「二人静」と
マーラー「大地の歌」。

このところ追いかけて聴いている
青木涼子の演目「二人静」は
小編成オーケストラに
ソプラノ歌手がつく編成。
サントリーの大ホールデビューだそうで
広く存在を知らしめることに
なるだろうなあと思います。

日本語と英語で繰り出される
言葉はほぼ謡の発声なので
まさに西洋と東洋のスパークです。

持ち味の低音がソプラノとの対比で
より明瞭になり
あの世とこの世の不思議な出会いを
表現していました。

通常西洋楽器の奏でるようなメロディに
のって能が行われることはないけれど
謡の発声は西洋の音楽に
新しいなにかを与えます。
鼓の連打を思わせる箇所もあって
素敵な曲でした。

青木涼子のコンサートに行くことは
新しいことが起きている現場に
立ち会うような気持ちです。

小さな編成のソロコンサートが
続いていたので、海外公演で評判の良い
「二人静」をようやく聴けて最高でした。

ところでサントリーホール自体
久しぶりでしたが、かつて
ものすごく若い頃は毎月
読響の定期演奏会に行って
アフターで向かいのポールボキューズ
「ルマエストロ」でディナーということを
やっていたのです。

気鋭のシェフ
最高のメーテルドテルに
ソムリエ。
彼らのことは忘れられません。

ワインの師匠のお陰で
そんな贅沢ができていました。

蝦夷鹿ってポムロールと合わせると
最強だ！に始まって
テーブルの上で起こること
すべて学び体験しました。

ボルドーワインの素晴らしさを知ったし
最高のサーヴィスがレストランの価値を
どれだけ高めてくれるかも知りました。

あのとき若きシェフだった市川知志氏は
あっという間に独立して
立派になっちゃいましたが
当時の料理はキレッキレで
今思い出してもまた食べたい気持ちになります。

今はその店があった場所も
気軽なレストランになっているようで
見る影もありませんでした。

時は流れたなあ
そんなこんなの思い出が脳裏を
駆け巡ったので、大地の歌は
ゆったり聴いていました。

昔はマーラーも大好きだったのですよ。

DJ KAZURU