やっぱこの演目大好き。と
再認識した「加賀見山旧錦絵」。

簡単にいうと、官庁で
激務についてる人が
上司からのモラハラパワハラが原因で
自殺してしまい、その理不尽さに
激昂した新入社員が上司を殺す話です。

「草履打ち」の段のねちねちさは
本当に岩藤の権高さ、恐ろしさ嫌らしさが
印象深く、今後自分の身にこんなことあったら
使ってやろうと思う台詞満載でしたが
今月は
織太夫&藤蔵の段が冒頭からずーっと
ハイテンションでヤバいくらいでした。

最後盆が回る寸前に
太夫は三味線に座布団ごと
ちかづくのですが、その瞬間も
ハイテンションな語りは続くので
すーっと近づくのではなく
ドッシャーンていう勢い。

今藤蔵さんほどガッツリした三味線
聴かせてくれる人もいないので
本当に見に行けてよかった。

その時の人形は勘十郎さんのほぼ
独壇場で、これも大きな動きで
狂気に転じて行くお初を堪能できました。

国立劇場の二月文楽公演は前半が
技芸員の疫病陽性者が10人以上でたため
中止でした。
そうなってくると
快復したとはいえ後半も観劇を
ためらう気持ちはありました。

そこで
色々考えて前後左右が空席の席を
前日にゲット。

今後は「周囲に人のいない席が
良席」ということにもなりそうです。

さて、終幕はお初の復讐というか
仇討ちの段ですが、ここでは
若手の咲寿太夫が素晴らしいタイミングと
発声で驚くような成長を見せてくれました。

なんか伸び悩んでるような時も
あっただけに、実に嬉しかったです。

国立劇場には梅も咲いております。

DJ KAZURU