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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

緋の河

桜木紫乃 著
「緋の河」拝読。

カルーセル真紀の伝記小説の
前半部分。

今年80歳だというカルーセル真紀を
TVで目にしたとき、相変わらず綺麗だし
面白いこと言うし衰えてないな!と
思ったものです。
この小説については

「すっごく面白かった
自分のことなのに忘れちゃってるから」

だそうで、そんなところも
可愛い。

釧路の生まれで貧乏家庭
正月の神社で落ちた小銭を拾い集め
小学生で新聞配達
お金の苦労を知ってる人なんですね。

小学生で自分を「あちし」と言うので
周りから苛められ「なりかけ」と呼ばれ
はやされた、というのは
TVでも言ってました。

「オカマ」ではなく「なりかけ」と
言う同級生たちも
幼いカルーセル真紀に何かを
感じていたと言うことでしょうか?
この子はいずれ別のものになる、その
途中なんだって。

学生時代は強い男の子に常に
庇ってもらい、なんとかきりぬけ
15歳で家出、シスターボーイとして働き
恋もし、遊びもし、人気者になり
芸能界へ。

華やかな容姿、サバサバ喋りながら
ふっとドスのきいた男の声で
啖呵を切るのは芸としてやっている面も
あるでしょうが、そうやって
生き抜いてきたんだなあと、切ないですよ。

酒場でバカにされながら這い上がった、
といっても
今から60年前ですから、女装に
人権なんてなかったと想像できます。

周囲のシスターボーイは
美しいものに憧れてこの世界に入るけど
鏡を見ればやりきれなくなって
死を選ぶ者も多い、そこで
生き抜けたのは母が美しく生んでくれたから
というのも本当のところなのだと思います。

あの容姿でなければ
今の形での成功も無かったのでしょう。

カルーセル真紀の姉は
非常に弟思いで生まれたときから
家族の犠牲になって兄弟の面倒を
みてきた人ですが、不幸な結婚で
辛酸を舐めています。

戦中生まれの女性って
こんな人も多かったんじゃないかと
これもまた興味深いヒストリーでした。

これは男から女になって成功した
カルーセル真紀の物語ではあるけれど
北海道の釧路に生まれて、土地から
家族から自由になるとは
どう言うことか、の物語でもあるのです。

桜木紫乃の真骨頂ですね。

続編読まなきゃな。

DJ KAZURU


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