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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

「ベイルート961時間
(それに伴う321皿の料理)」
関口涼子 著、拝読。

日本人による文章にも関わらず
違和感を最初覚えたのですが
この本はフランスで2021年に出版され
あとから作者自ら
日本語に翻訳した形なのだそう。

なんとなく翻訳っぽいなと
思ったのですよね。

これはレシピ本でも
グルメ本でもなく、わずか
十行程度の文章で次々に切り取られてゆく
ベイルートの321の断片です。

細かな断片を読むうちに
遠いベイルートの街の匂いが
わかってきそうな不思議な本でした。

レバノンの首都というと
どうしても内戦のことは切り離せないけれど
パリ経由で此の地へたどり着いた
著者が食と料理にフォーカスしてこの街を
語りたいというと、歓迎されたそうです。

【レバノンのように
オスマン帝国文化を隣国と共有しながらも
多民族国家であることで食の多様性を持ち
しかも、ディアスポラがもたらす他国からの
食文化が入り交じる地において、食を
通して国を観察することは最も良い
ケーススタディーズになるのではと思われました】

と、あとがきにありますが
その意味でも成功しています。

2020年ベイルート港爆発事故では
彼女が出した食のガイドブックに
掲載された店の50数軒が
被害にあい、食料不足も
深刻になったといいます。

著者は、戦争のさなかにあって
内戦をくぐり抜けてきた人たちは
例外的状況が限界まで引き伸ばされていたような
ものだったと語るのを聞いています。

常に命の危機に脅かされつある
密度の濃い情況に「日常生活」はなく
それは「祝祭」となっているのだと。

・・・

私は谷崎潤一郎の「細雪」を思い出す。
第二次世界大戦中に執筆された
この小説において、主要登場人物の
四人姉妹にはどんなドラマも起こらない。

プチブルジョワの家庭に生きる
女性たちの日常のディテールが
退屈なルーティンとともに描かれること、
それ自体が平和な社会を象徴している。

強度のある生。

「毎日が祝祭」である生活は
それ自体が例外状況の証なのだ。

・・・

本書の終わりに差し掛かると
著者の日本での子供時代の想い出を
振り返るのだけれど、そのなかにも
大切なことが書かれています。

彼女がパリやベイルートで
異国文化にさっと交われるのは
そういう時代になっているからではなく
彼女の真っ直ぐさと
しなやかさがあったからこそと
思えます。

DJ KAZURU


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