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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

1993
SRCS 6849


1. 朝日のようにさわやかに
2. フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン
3. ゴールデン・イヤリング
4. 枯葉
5. 恋はいつも未知なもの
6. マイ・ファニー・バレンタイン
7. オール・オブ・ミー
8. ドリーム
9. チーク・トゥ・チーク

1990年を少し過ぎた辺りから
キューバ音楽の魅力に急激にとりつかれた
作家・村上龍氏は、その知名度もはたらき
ソニーに自身の名をかぶせたレーベルを持つに至り
キューバのアーティストの作品をいくつか
プロデュースすることとなりました。
レコード会社も景気というものが
現在に比べ、けして深刻でなかったので現実化したような
企画でしたが、商業雑誌でこれでもかと
氏がキューバ音楽の素晴らしさを訴え続けた割に
結局セールス的な成功は
収めることはありませんでした。

その’ムラカミズ・レーベル’の
代表的なアーティストとは、NGラ・バンダですが
NGラ・バンダが悪かったのから売れなかったのか
といえば、彼らは
当時から素晴らしい演奏をするバンドでしたし
では、その逸材を短期間でレコーディングさせて
深みの無いアルバムを作らせてしまった
プロデューサー村上氏が悪いのかといえば
それをもって有り余る「功」の部分もあるのですから
そうも言い切れないでしょう。

さて、本作は
当時、ほぼ無名であったシオマラを村上氏が
起用して、親交の深かったホセ・ルイス・コルテルに音楽面を
一任して作ったジャズのスタンダード・カヴァー・アルバムです。
そして、とても美しい作品となりました。

キューバ人のジャズが技巧的にも
キューバ音楽との融合性においても
レベルの高いものであることは、もはや周知のことですが
ここでもそれを十分に味わうことが出来ます。
フェリシアーノ・アランゴ、パンチョ・アマート、
カリスト・オビエド、ヘルマン・ベラスコ等々
キューバを代表するミュージシャンによるジャズ。
ポジティヴで生命力に満ちたジャズ。
何より、シオマラの説得力を持った歌声は
絶大な吸引力を持っているようです。

シオマラの2000年以降の活躍は
キップ・ハンラハンのディープ・ルンバや
イエルバ・ブエナの参加など
巷で知られるように、幅広いものとなり
ソロ・アルバムなどでも、彼女が順調に成長してきたこと
いえ、成熟していることを示しています。

今となっては、よくこのような作品を残したなと
感慨深く思うのですが、基本的にポピュラー・ミュージック
もしくはダンス・ミュージックとしての、キューバ音楽を
日本に紹介すべく発足したであろう、ムラカミズ・レーベルが
残した数作品のうち、現在ではこれが際立って
濃密なものに感じられます。
シオマラの可能性に惜しみなく投資したこの企画は
改めて再評価されてもいいくらいです。

(DJ KAZURU ★ 2007/01/22)


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