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2014-0129mon

明治43年新聞連載された
夏目漱石の「門」。

学生の頃に読んだきりだから
殆ど初めて読むようなものです
集英社文庫の
このシリーズは、読みやすい
文字サイズであることに加えて
著名人による
「解説」と「鑑賞」や
作家年表もついており
再読をしてみようと
思わせてくれます。

特に小説は
連載時の段組みと
単行本になったときとで
印象が変わることがあるので
まず、読みやすい作りであるってことは
すごく大切。

さて
京大の学生だった主人公が
親友の妻を奪って
下級公務員として
貧乏暮らしに陥る、という
ストーリーの「門」ですが
明確に
「寝取った」
という記述があるわけでもないながら
「そのこと」が明かされるくだりは
なかなかインパクトがあり
好きな箇所です。

「曝露の日がまともに
彼らの眉間を射た時、彼らは
すでに徳義的に痙攣の苦痛を
乗り切っていた。

彼らは青白い額を素直に前に出して
そこに
焔に似た焼印を受けた。

そうして無形の鎖でつながれたまま
手を携えてどこまでもいっしょに
歩調を共にしなけれならないことを
見出した。

彼らは親を棄てた。

親類を棄てた。

友達を棄てた。

大きくいえば
一般の社会を棄てた。
もしくはそれらから棄てられた。」

・・・男女が孤独を
分け合うようにして
これからの人生を生きていくのだ、という
現実とも決意とも感じられる
いい描写!

主人公は例によって
経済力はとぼしくとも
学はある人間なので
悩みを抱えきれなくなった時には
禅寺にこもって修行でもしてみるか
などという
お気楽な行為にでたりもします。
その時、女房に言うセリフが

「少し脳が悪いから
一週間ほど役所を休んで遊んでくるよ」

であるのが傑作・・・

主人公夫婦が
金銭的に窮乏しているのには
親が死んだときに親類に
遺産をごまかされたという点も
影響を及ぼしているのです。

「こころ」においても似たような感じで
漱石は
「親切顔の親戚に気をつけろ!
親が死ぬ前に遺産を明確に把握しておけ」
といった警告を発してますが
確か
漱石自身がそういった経験を
しているのですよね。

はっ、また漱石言ってる!
よほど悔しかったんだなー、と
思ってしまいました。

(DJ KAZURU)


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