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2023イヴェント休業中、各コラム更新中《TIMCUBA動画有》

18644 2023年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

甘いためいき

「抱擁、あるいはライスには塩を」

江国香織氏の新作です。
読みごたえ抜群。

今までないタイプの家族の話というか
「一族の話」というのが相応しいでしょう。

風変わりな
「柳島家」の当主竹次郎と、そこに嫁いだ
ロシア人の祖母(1917年生)をスタートとして
子供の世代、孫の世代までの話が
1960年秋から、2006年晩秋まで23章が
時代を交錯しながらそれぞれの目線にて
語られるので、とても複雑。
家系図と、年表を書きながら
拝読いたしました。

大勢出てくる登場人物の視点が非常に
個性的で、引きこまれます。
常識的とはいえない彼らの言動も、その
魅力の前になんだか納得させられるものが。

柳島家の次女「百合」の半年間だけの
結婚エピソードは、やはり江国氏の
「思い煩うことなく楽しく生きよ」の
長女のエピソードに重なります。
家族を愛する人間ゆえの、悲しい崩壊は
江国氏お得意のパターンといえるでしょう。

最もぐっときてしまったのは
魅力的な遊び人キャラクター
柳島家長男の「キリ」。
56歳で病に倒れ、死に至った、彼の
葬式が行われるのが「2000年夏」。
彼の青春時代が描かれるのは
そのすぐ次の章「1969年夏」という具合に
時間軸をいったりきたりしますが、キリが
遊学している1969年、ニュー・ヨークで
バイトしているのはキューバ・レストランです。

「小さな、けれど夜毎賑わうキューバレストランだ。
ゴミ容器のならぶ従業員用出入り口から
一歩なかに入ると、エンパナーダの匂いがした。
それにタマリンドソースの。」

カングレホ・サラダというのですね
「冷たいかにサラダの下にソテーした
温かなすいかがどっしりと横たわった
珍妙な料理」は
こういった店では常識的な食べ物なのでしょうか。
「注文する奴の気が知れない」と「キリ」は
思っているのですが、同感です。

(DJ KAZURU)


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