「抱擁、あるいはライスには塩を」
江国香織氏の新作です。
読みごたえ抜群。
今までないタイプの家族の話というか
「一族の話」というのが相応しいでしょう。
風変わりな
「柳島家」の当主竹次郎と、そこに嫁いだ
ロシア人の祖母(1917年生)をスタートとして
子供の世代、孫の世代までの話が
1960年秋から、2006年晩秋まで23章が
時代を交錯しながらそれぞれの目線にて
語られるので、とても複雑。
家系図と、年表を書きながら
拝読いたしました。
大勢出てくる登場人物の視点が非常に
個性的で、引きこまれます。
常識的とはいえない彼らの言動も、その
魅力の前になんだか納得させられるものが。
柳島家の次女「百合」の半年間だけの
結婚エピソードは、やはり江国氏の
「思い煩うことなく楽しく生きよ」の
長女のエピソードに重なります。
家族を愛する人間ゆえの、悲しい崩壊は
江国氏お得意のパターンといえるでしょう。
最もぐっときてしまったのは
魅力的な遊び人キャラクター
柳島家長男の「キリ」。
56歳で病に倒れ、死に至った、彼の
葬式が行われるのが「2000年夏」。
彼の青春時代が描かれるのは
そのすぐ次の章「1969年夏」という具合に
時間軸をいったりきたりしますが、キリが
遊学している1969年、ニュー・ヨークで
バイトしているのはキューバ・レストランです。
「小さな、けれど夜毎賑わうキューバレストランだ。
ゴミ容器のならぶ従業員用出入り口から
一歩なかに入ると、エンパナーダの匂いがした。
それにタマリンドソースの。」
カングレホ・サラダというのですね
「冷たいかにサラダの下にソテーした
温かなすいかがどっしりと横たわった
珍妙な料理」は
こういった店では常識的な食べ物なのでしょうか。
「注文する奴の気が知れない」と「キリ」は
思っているのですが、同感です。
(DJ KAZURU)
ミュージシャン、DJ・ダンサー、レコード会社、キューバ旅行会社からの目線で、ティンバの歴史とその魅力を明らかにする待望のトークライブ・シリーズがスタート!以前、チェベレの相川等さんと行っていた「トーク・ティンクーバ」の発展系ですが、単発ではなく毎月開催とし、様々な視点でティンバの魅力を明ら..
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https://youtu.be/BELIZJu0ruM
2014年の過去動画ですが
六本木で思いきりダンスと音楽を味..
2/10 麻布トロピで久しぶりに
ティンクーバやります。
DJ KAZURU が昔作った
キレッキレのリミックス中心。
翌日が祝日なので
ゆっくりお楽しみいただければ幸いです
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La Tropi Azab..

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