芥川書の流れで
村田紗耶香の「殺人出産」拝読。
「コンビニ人間」よりも
題材としてはショッキング。
出産そのものが管理化された
近未来において
10人子供を産んだ者にだけは
合法的にひとりを殺すことが許されている。
そんな社会で
命がけの出産というものを
10回経験しても、まっとうしたいと思う
殺意ってどんなものだろうね。
誰でもいいから殺したいという
衝動を抱える人もいれば
婚約者に二股かけらたことを
恨みに思って、それから26年の歳月をかけて
元婚約者の娘(!) を殺すことに成功する人もいる。
この娘は直接の恨みの対象ではなかったけれど
結果として26歳で政府の承認のもと
殺された、ひーん。おっそろしい!
冒頭
「(十人を)最短でも10年はかかるのに
そんなに一人の人を
思い続けられるものかなー」
というようなセリフが出てきます。
人を殺したいと念じる気持ちが
まるで恋心のように語られる部分が
印象的でした。
たいていの人間は
長い期間恨みを持ち続けることに
耐えられないかもしれないけど
その期間
絶え間なく恨みに浸っているわけではないからね。
意外と20年位は
恨みは消えずに残って
何らかの形で
恨みをはらす、ということを
できる人間は多いのかも。
出産が管理化された
この世界では
たとえば障害者はどうのような
存在のか、とか
産み人になったら日々の生活は
どんな感じなのかとか
ディテールに物足りなさを感じたので
倍の長さにして
書き足してほしいなー。
*DJ KAZURU*
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