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キューバ音楽を語るトークライブ「ティンバの歴史#01」

26755 ミュージシャン、DJ・ダンサー、レコード会社、キューバ旅行会社からの目線で、ティンバの歴史とその魅力を明らかにする待望のトークライブ・シリーズがスタート!以前、チェベレの相川等さんと行っていた「トーク・ティンクーバ」の発展系ですが、単発ではなく毎月開催とし、様々な視点でティンバの魅力を明ら..

2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

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2/10 復活TIM★CUBA

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ミシンの見る夢

イタリア
サルデーニャ出身の作家
ビアンカ・ピッツォルノの
「ミシンの見る夢」拝読。

19世紀末のイタリアで
貧乏ゆえに貴族や裕福な家の
お針仕事で生計を立てている娘の物語です。

中山エツコの翻訳も
なめらかで素晴らしい。

ミシンがまだ高級品だった
時代、既製服というものもなく
ベッド周りのリネン類から
赤ん坊の産着、子供服
ゴージャスなパーティー用ドレスまで
すべて人の手によって縫われていたんですね。

その縫い子を雇う金を出さない
ケチな家では対面を保つために
フランスの店でドレス一式
誂えていると世間に吹聴し、実は自宅内で
奥様も娘たちも総出で針仕事を
しているなんて話も書かれていて
さもありなん。

主人公は親を流行り病で亡くし
縫い子だった祖母に
お針を教わって、祖母亡きあとも
立派な技術で生きていきますが
どこかの家の専属になれば
その家に住んで食事も出るので
ありがたいようですが
祖母は、それはやめておけというので
掃除の仕事も兼業して
自分の部屋を借りています。

住み込みとなれば
その家の主人や息子の
てかけになるからです。

お手つき女中のまま
50年を過ごした女性の悲しい物語も
描かれています。

一度そうなってしまえば
性欲のはけ口として
扱われるだけではなく
妊娠でもしようものなら邪魔にされ
誘惑された、この女は
罪深い娼婦だということにされ
本物の娼館におくられることもある。

これって昭和の前半くらいまでの
日本の小説にも
よく書かれることですよね。

世界中の住み込み女中は
主人からの強姦を
絶えず恐れてきたのでしょうか。

きっとそうなんです。

縫い物の技術で
生きていける女性は素晴らしいと思うけど
様々な選択肢の中で
それがあったわけではなく
この時代、女の仕事は
縫い子か下働きの女中しか
なかったんですよね。

そう思うととても悲しい
物語にも思えます。

仕事のあとハギレを
くれる家はありがたい。それで
自分の持ち物の修繕が出来る…なんという
いじましい生活。

主人公は字を読めるようになりたい
という願いから本を読み
教養を身に着けていきますが
なぜ貧乏な女というだけで
勉学の時間もわずかしか取れないのでしょう。

女が自由に学べるようになったのなんて
ここ数十年のことなんですよね。

素敵な表紙絵が縫い物が趣味の
自分に重なり手に取った本ですが
内容はそんな気楽な物語では
ありませんでした。

DJ KAZURU


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