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キューバ音楽を語るトークライブ「ティンバの歴史#01」

26755 ミュージシャン、DJ・ダンサー、レコード会社、キューバ旅行会社からの目線で、ティンバの歴史とその魅力を明らかにする待望のトークライブ・シリーズがスタート!以前、チェベレの相川等さんと行っていた「トーク・ティンクーバ」の発展系ですが、単発ではなく毎月開催とし、様々な視点でティンバの魅力を明ら..

2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

日本でソウル・ミュージックを
初めて語った男が
昭和25年生まれの紺野慧ではないかと
いうことになっています。

実は1990年代に私が
音楽雑誌でコラムを書いていたとき
「紺野慧復活」という鳴り物入りで
その雑誌にライター復帰されました。
私は世代が違いすぎて
どんな人かも知らなかったのですが
書いたものが音楽評論というよりは
リリカルな小説のようで
なんか格の違う人なんだなあと
ぼんやり思うくらい、当然
顔も見たことありません。

今思うとこれが1973年の
「ソウル・ミュージック・イン・ジャパン」
で名が知られた二十年後の
復活だったということですね。

そしてまた彼は数年書いて業界から
消えたように見えました。

つまり目に見える形で
評論活動していた時期が短すぎるのです。

今はどうしているのか分かりませんが
先日古本屋で出会ったのが
いまや一万円代で取引されている
紺野慧最初の初の著作です。

さすがにためらわれる価格だったので
遠くの図書館から
取り寄せてもらいました。

1972年に書かれた
日本人から見たソウル・ミュージックの
本は確かに貴重。

AIエモリのイラストで
横田基地周辺地図が載ってたりも。

紺野慧が基地周辺などの
黒人コミュニティに出入りするようになったのが
1960年代後半。
そういう場に出入りする日本人は
他にもいたのでしょうが、これは
黒人音楽は彼らの生活の中に入って
聴かなければ分からないし
意味もない、という紺野氏の
ポリシーで貫かれた一冊。

赤坂mugen が1968年オープンだから
世間の黒人音楽好きはムゲンに
通ってた時代とも重なるでしょう。

が、
例えば横田基地のゲート前に住んでいたという
紺野慧より10歳年下の山田詠美は
ジェーン・スーとの対談で

「やっぱり基地のそばって
ちょっとハードルが高かったから
私たちは赤坂のムゲンとかに行ってた。」

と言っているので濃さというか
敷居の高さは基地の中のクラブが
マックスだったようですね。自分が
実体験ないのでよくわからないのが
もどかしいけど、要するに
チャラチャラ流行に乗って
音楽聴いてたわけじゃないんだよという
一線の画し方がすごい。

基地でクラブで踊る彼らは
黒人であるが故に、例えば
勉強を頑張って進学しても
ブルーカラーの仕事にしか就けないという
背景を背負っている、だから
低学歴の者が多い。

戦地では前線に送られ
敵の弾も掠めるが、後ろで撃ってる
白人の弾が自分に当たることもある。

戦争が無くたって、普段の生活で
常に白人からの理不尽な
襲撃に怯えて暮らす毎日は変わらない。

先祖が奴隷であった彼らが
肌で感じている闘争の歴史。

そういう背景もわからないで
共に踊ることもできないで
ソウル・ミュージックなんか
聴いたことになるかよ、というのが
紺野氏の主張なのです。

黒人のバーに入っていって
彼らの個人的な話を聞き、ともに
旅してみたりする紺野慧。

そんなふうにバックグラウンドごと
ソウル・ミュージックを
聴いてきたかれがジェームス・ブラウンの
ライブに行ったときの
興奮はすごいです。

我々は情報のすれっからしすぎて
こんな興奮味わえないでしょ。

こうした黎明期を見てきた紺野慧が
今の音楽シーンをどのように見ているのか
ぜひともうかがいたいです。

そしてここまで仰るならば
黒人独特のビートに乗って
踊るということを紺野慧氏も
していたわけですよね。

そういう日本人が当時いたなんて
本当に素敵な事だと思うのです
だって、今みたいにヒップホップ教室で
習ってる若い子たちのダンスとは
何もかも違うはずです。

彼が踊ってるところも是非拝見したいなあ。

現在ご健在なのか
なにもわからないのです。

・・・

矢継ぎばやに唄い叫ぶ
ジェームスは永遠に燃焼する。

すべての解釈を
分析を拒否するように、ひたすら
自らの熱情を刺激し続ける。

マイクに、天井に
舞台の床に、彼の目の前にいる
幾百の未明の聴衆に向かって
はき出されるしわがれた肉声は熱い。

それは温かいと呼べるほどに
なまやさしくはない。

もう何度もレコード聴き
体中に染み込んだフレーズが
ぼくを翻弄し、のけぞらせる。

それは舞台構成が昨日と同じだったとか
ステージで卒倒する
ジェームス・ブラウンのアクションは
シャリコマ(コマーシャリズムの俗称)
のにおいがプンプンする、などという
計算高くショーを嗅ぎ分けようとする
解釈趣味などの遠く及ばない
生々しさで迫ってくる。

・・・

DJ KAZURU


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