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キューバ音楽を語るトークライブ「ティンバの歴史#01」

26755 ミュージシャン、DJ・ダンサー、レコード会社、キューバ旅行会社からの目線で、ティンバの歴史とその魅力を明らかにする待望のトークライブ・シリーズがスタート!以前、チェベレの相川等さんと行っていた「トーク・ティンクーバ」の発展系ですが、単発ではなく毎月開催とし、様々な視点でティンバの魅力を明ら..

2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

ORITO

1995年というのは
私がソウル・ミュージックに
どっぷりだった時代から
ラテン好きに完全移行する直前。

この年にデビューしたORITOという
日本人シンガーがいて、当時
「ギョーカイ」と付き合っていた私は
3曲か4曲入りのプロモーションCDで
聴いたのですが、いきなり
アル・グリーンのカヴァーにぶっ飛びました。

聞けば
ウィリー・ミッチェルのプロデュース
メンフィスのスタジオでレコーディングしたのが
デビュー作で、メンフィス名誉市民に
すでになっているとのこと。

これがその様子、たぶんニュースステーション
TVのなかでで特集されたみたいですね。
途中で伝説の音楽評論家、紺野慧も登場。

日本人でソウルな歌い手っていうのが
全くいなかった中で(今もいないけど)
突然でてきてびっくりしたものです。
当時30歳だった彼は、それまで
電通のサラリーマンだったと記憶してましたが
調べたところ
どうも商社マンだったみたいです。

「Let’s stay together」

この一曲だけでも凄いのですが
私もラテン音楽ばかり聴いていたので
43歳で彼が急逝したと知るまで、ほぼ
記憶のどっかに行っちゃってた人です。

先日、江守藹がアトランタ・オリンピックの
時期に出したアメリカ南部のガイドブックを
読んでいるときに
ORITOの名を見つけて、ふと彼の曲を
聴いてみたくなりました。

デビュー後は日本語での表現に
こだわったようで(そりゃ現地の
真似だけしてても仕方ない)それらの音源も
ようやく2024年に配信が解禁されたばかり
そのおかげで
彼の音楽を聴くことができました。

ソウル・ミュージックのマナーで
日本語の歌がのることの気持ちよさを
彼は20年も前にやっていたんですね。

信じられないクオリティ。

高松のライブハウスのオーナーが
ステージをフルでYouTubeにあげてくれていて
(ということは信じられないけど
大きな箱でやるようなことも生前
なかったのでしょう)スライや
マーヴィン、JB
ソウル名曲のカバーのすごさも
オリジナル曲の凄さも確認できました。

29分あたり、セックス・マシーン
37分あたり、ファミリー・アフェア
40分あたり、ワッツゴーイン・オン

なにより、アドリブで
曲間、間奏部分をつないでいくスタイル。
これは本当に日本人が苦手なところですが
最高に音楽を捉えながら
喋りまくっています。

こちらは高円寺ライブハウス

ここで6:30あたりから、七夕の曲を
入れてくるやり方のお洒落さ。
参りました。

こういう人はダンスもなぜか
上手なのですが、ORITOも
音を捉えて踊る人ですね。

そういう点で岡村靖幸との
共通点は多いです。

11:50あたりからのコール&レスポンスの
スタイルが奇妙なくらいそっくり。

くしくも
一歳違いの彼らがお互いを知っていたのか
どうか分かりませんが、喋りを
音に乗せてる時のスタイルがそっくりです。

これは日本語をソウル、ファンクの
ビートに乗せるなら正解はある種
ひとつであるということを
示しているのかもしれません。

セカンド・アルバムに当たるのかな?
soul food に収録されている
「とけあいたい」には感心しました。

こんなに格好いい
日本人のソウルがあったんですねえ
しかも「ぶんしゃからー」って
聴こえるし‥(岡村靖幸もよく
ぶーしゃかぶーしゃからーと言う)

この一曲だけでも痺れます。

岡村靖幸と同じく
物真似ではない音楽ですが
大きな違いは
曲やダンスやアレンジではなく
歌そのものでブラック・ミュージックの
いいところを伝えているところでしょう。

ORITOの歌には殆ど義太夫で言うところの
「イキ」みたいなものが備わっていて
それがソウルミュージックの名だたるシンガーたちと
同じ「イキ」、そんな感じなんです。
説明が難しいけど、けして
「息」「息遣い」のことではないです。

こんな素晴らしい人がデビューしてから
死んでしまうまで、私はラテン音楽ばかり
聴いてしまった‥いちどでも
ライヴで聴きたかった
悔やまれます。

彼が亡くなって追悼イベントが
何度も開かれたようですが、そこに
出てる人たちが束になっても敵わない
魅力と才能の人でした。

彼をリスペクトするシンガーが
プロ歌手に多いと聞きますが
オリト後継者は見当たらないです。

DJ KAZURU


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