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2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

18644 2025年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

一九四五年に生まれて

池澤夏樹は著作をいくつか読んでいて
好きな作家ですが、それよりも
言うべきことをバシッと言ってくれる
信頼の言葉の紡ぎ手という印象です。

例えば石牟礼道子に寄せた
朝日新聞での追悼文などが記憶に新しいです。

近年では世界文学全集
日本文学全集の編纂を15年かけてやっており
このシリーズからも、私は
大いに学びを受けました。

しかし来歴というのを
福永武彦の息子というほかは
あまり知らなかったと気づきました。

これは尾崎真理子による聞き書き
「一九四五年に生まれて」
池澤夏樹の歴史です。

戦後の歴史とぴったり重なる
池澤夏樹の人生は、作家としては
むしろ後半戦で、国内外問わず
中心部ではないところに移住して
そこから世界を眺めて
考えるってことをしていたんですね。

翻訳者として大きな仕事もおおく
テオ・アンゲロプロス「旅芸人の記録」の
翻訳が池澤夏樹だったと初めて知りました。

母親の、のちに池澤姓の男性と再婚する
原條あき子という人がまた
キレッキレの感性豊かな詩人で
英語とフランス語を学んでいた。
こういう部分は環境として大きかったでしょう。

福永武彦の方の大叔父については
新聞連載小説にもなっていて
読んでいましたが、係累の複雑さと
面白さ、この聞き書きをもとにして
宮本輝の「流転の海」みたいな壮大な
小説が誕生しても良さそうです。

福永武彦の後妻さんと
交渉が拗れに拗れて、遺品の文筆関係のものが
池澤夏樹に渡されなかったのは無念ですね。

日本の型にはまった教育や
考え方を逸脱して大きい視点と
細やかな感性で考えることのできる
稀有な人と存じます。

不安に陥ったとき
世界が揺らぎそうになったとき、言葉で
導いてくれる人、という
印象はますます深まりました。

DJ KAZURU


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