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2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

18644 2025年現在timcubaのイヴェント休業中です。 コラムは随時更新していますので 各メニューを選択してくださいませ。 https://youtu.be/BELIZJu0ruM 2014年の過去動画ですが 六本木で思いきりダンスと音楽を味..

2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

2/1 イサックを語る

17586 下北沢ボデギータで 福田カズノブがイサックデルガードを語る マニア向けのイベントです キューバ料理もご注文いただけます ..

なにがおとしまえだ。
ひとが背負う階層の威勢だの
こけ威しなどに実質はなくなってしまった。
あるのは五体だけで、この足で
地を蹴って走り、この手で
兇器を握って操り
立ちはだかるものをたたきこわして
疾走するだけだ。

・・・

山口椿という人は
日本的な叙情の強い人でありながら
西洋的な耽美の香りも濃く
何を描くかといえば
エロスから見える人間、でしょう。

私は20歳前後で「雪香ものがたり」を
読み、なにかしらの洗礼を
受けてしまったようでした。

当時はチェリストでもあるとのことで
憧れの作家という感じでしたね。

改めて経歴を調べたところ
昭和8年生まれ、海外在住
経験も長く、その過程で戦争に
巻き込まれたこともあったとかで
同世代の人が日本で体験した
戦争経験を上回るものがありそうです。

こういう方が非常に耽美なものを
書いたわけですが、「逝く夏に」は
昭和20年に氏が経験したであろう
敗戦前後を舞台にした小説です。

暴力で生き抜く少年の目に映った
なまなましいむき出しの人間の
生と死、情欲、怒り、諦念。

日本という国が信じられなくなり
大人への怒りで満ち
何食わぬ顔で生きている
大人たちを殴りつけ血を流させることでしか
生きていけない。

ヘビをつかまえてきて
散々それで殴ったあと
失神した男に口にヘビの死骸を
ねじ込んでも飽き足らない。
彼らの憎しみ、衝動は
本当は国のありように
向かっているのです。

こういう事は実際に敗戦時に
少年だった人でないと書けないかもな
というより、70歳に近くなった
氏の心から溢れ出してこの小説に
なったような感じもします。

戦後、求められるままに
ジャズピアノを弾くようになり
チェロと出会ったのも
物語のとおりだとすれば、やはり
なにもかも変化せざるを得なかった
1945年だったのでしょう。

団鬼六の「ジャパニーズ・チェス」
なんかも見事でしたけど
山口椿のフィルターを通過した
「敗戦時の少年」を読めて大変良かった。

「終戦」とか言うな
このクソが、と
憤る気持ちがよく分かります。

・・・

父親を殺した戦争
教練で度外れになぐりとばされた記憶
軍の糧秣を盗んでみれば、戦さと
関係なさそうな酒が出てきて

「きさまなどは予科練にでも行って
死んでしまえ」

と言われ
高射砲はまばらで
B29には届かず、迎撃戦闘機は
めざましい空中戦を演じた気配もなく
下町一帯は焼けただれ、糧秣係の
下司官は空襲のさなかに女事務員といちゃつき
城崎はその女にせんずりを掻いてもらい
口封じをもらって…

では昨夜空襲にあったところは
いったいだれに対するなんの見せしめなのか。

一夜明けたら戦は敗けて
いや、それどころではない。とうに
敗け戦はわかっていたが、まさか
今日の午前中に決まったことではなかろう。
幾十日か、何ヶ月か、駆け引きをした挙句
このざまになったんだろう。

では、その間に家を焼かれ、戦死したやつは
どうなるんだ?

・・・

DJ KAZURU


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