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キューバ音楽を語るトークライブ「ティンバの歴史#01」

26755 ミュージシャン、DJ・ダンサー、レコード会社、キューバ旅行会社からの目線で、ティンバの歴史とその魅力を明らかにする待望のトークライブ・シリーズがスタート!以前、チェベレの相川等さんと行っていた「トーク・ティンクーバ」の発展系ですが、単発ではなく毎月開催とし、様々な視点でティンバの魅力を明ら..

2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

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2/10 復活TIM★CUBA

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河内音頭にのって告白

町田康 著 「告白」

正月からずっと読んでいました
文庫一冊ですが
普通の3~4冊分あるのでは。
相当な力作でありました。

町田氏の特色として
常に音楽に乗っているような
節回しを持っている文章、ということが
あると思っているのですが
今回は河内弁なのでさらに
その魅力が高まっているような。

主人公が窮地に追い込まれて
歌う音頭

「凶状持ちの急ぎ旅
知らぬ他国をにーしひーがーしー
ソラーヨイトヨーイヤマカドッコイサノセ」

などは、なんというか
これしかない!という音節が
読み手の中にわきあがってくるから
不思議というほかありません。

これは
明治初期を生きた熊太郎なる
男の物語なのですが
文章がは完全に現代調の河内調。

「爽やかなクールミントのような顔」
とか
「村の若者が一斉に
メルヘン化してしまったのは恋のため」
などという調子で
ガンガン話が進みます。

熊太郎は
ハタからみると
百姓なのに百姓仕事もせず
博打に現を抜かす怠け者で、女にも
縁が薄い。が
異様な思弁癖があり
心で思うことと
現実に口をつく言葉の
かい離に悩みます。

最終的に
神のような存在を感じ
自分を軽んじた村人や妻を
大量虐殺する復讐に至りますが
そこは物語のほんの一部であって
少年時代から、なににつけても
うまいこと行かない自分というものを
もてあます
熊太郎の心の描写が見事。

働いてマトモになろうと思っても
ちょっとした横やりが入ることで頓挫。
金作って家人を喜ばそうと思えば
つまらない博打に巻き込まれて文無しに。
気に入った女を口説こうとしても
「直線的な欲望を表明することを
途轍もなく恥ずかしい」ゆえ
上手いセリフのひとつも出てこない。
「腹の奥から酸のような敗北感が湧き上がる」
毎日なのであります。

そんな熊太郎の脳内での
あれやこれや悶絶ぶりがこれまた
尋常ではないのですが
ああ、他人ごとではないなあと。

(DJ KAZURU)


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