今年、最も
親しんで読んだ作家は
宮尾登美子。
日本画家、上村松園の人生を
モデルにした「序の舞」も
素晴らしい長編でした(さきに
映画を見てしまったので、完全に
名取裕子イメージ・・・)。
26歳でふたりの娘を抱え
後家となった母。
人様から蔑まされる事のないよう
気を張って生きる必至さに
打たれましたが、明治という時代に
女ばかりの家というのが
如何に生きにくい存在であったか・・・
涙が出ます。
京都での生き方として
主人公の母が
「暮らしはつましく、それも
人さんに判るように 明らさまにするのは下手、
言葉はずばりと芯を言うのは はしたない、
まわりをぼかし 言うのが礼儀、
何事も用心深うに
見も知らぬおひとなら 疑ごうてかかるのが無難」
と
「十重二十重に囲んだ世渡りの方法」
を
語る個所がありますが
息苦しい生活であったことでしょう。
賢い母の支えがあったとはいえ
女の身で画壇に打って出る主人公。
懸命に教養を身に着けていくものの
ねたみ、そねみ、
どこまでも辛い仕打ちが待っていて
まさに「数えきれないくらいの迫害」。
実際の上村松園も
比類のない
優美な美人画を書いてはいますが
壮絶な人生であったことが
察せられます。
この長編小説を絶え間なく
支配しているのは
「世間」という魔物に食い殺されないように
いかに自分を律していくか、ということ。
今の時代ならば
風評などどこ吹く風で、生きていくことも
可能ですが
登場する女性たちは
「女所帯だからと付け入られることのないように」
だとか
「家の恥を漏らしてはならぬ」
など
ことごとく、「世間様」を意識してるわけです。
思うように行動もできず
歯を食いしばって
枕を濡らして、血のにじむような思いで彼女たちが
守ってきたものって
今ならば
霞のようなもの、ともいえます。
けれど
そんな霞に固執していた
人達だったからこそ
あんな美人画、生まれたのでしょうね。
小唄の本の表紙が
偶然松園でした。
(DJ KAZURU)
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