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キューバ音楽を語るトークライブ「ティンバの歴史#01」

26755 ミュージシャン、DJ・ダンサー、レコード会社、キューバ旅行会社からの目線で、ティンバの歴史とその魅力を明らかにする待望のトークライブ・シリーズがスタート!以前、チェベレの相川等さんと行っていた「トーク・ティンクーバ」の発展系ですが、単発ではなく毎月開催とし、様々な視点でティンバの魅力を明ら..

2025イヴェント休業中★各コラム更新中(↓スクロールで読めます)

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

夏芙蓉、金色の小鳥

中上健次「奇蹟」拝読。

学生の時に読んで以来の
再読だと思います。

「路地」というのは
被差別部落を示していますが
そこに「荒くれ」、つまりは
極道者の男たちがおり、
濃い血縁ゆえに運命が彩られている
とでもいうように
早死にする一統の物語です。

むせかえるような夏芙蓉の香り
飴芋の煮詰まる匂い
獣の皮を剥ぐ臭いは
嗅いだことがないものなのに
容赦なく読んでいる間じゅう
意識せざるを得ないし
新宮周辺の「闇市も落ち着いた」時代の
ことであるのはわかるのですが
どこか遠い外国の話のように
感じてしまう不思議な小説です。

歌舞音曲を愛し
外国の俳優のように美しい顔を
もちながら、柿の木で頸れたイクオ。

9歳のときから極道者の道を
疾走し、誰よりも輝いていたのに
簀巻きになってダムで見つかったタイチ。

すべて路地の子たちを
取り上げ、その生年月日をそらんじる
産婆から語られる彼らの人生は
刀を振り回し、ヒロポンを打ち
女の籠抜けを手伝うようなものであっても
たまらなく美しいのです。

46才で没した作家ですが
生きていれば70歳代···今の
日本の文学の薄まり具合を
どう見たでしょうか。

···

路地に生まれ生きるのは
元来、仏の蓮花の台の楽土に
生まれて生きているのだと諭すように
裏山の立ち枯れたような夏芙蓉の方から
長雨の頃は声音一つだに漏らさなかった
金色の小鳥が柔和な日の光より優しく
耳に当たる澄んだ高い声を出し
路地の空の上を飛び交い
路地の女衆らが植えた空地や
木枠の花に止まり
あるかないかの蜜をさぐる。

タイチが自ら若死にすると定めた
十八の歳に、イクオが死んだのだった。

今から振り返れば、イクオはその
大暴風雨の日に他所から戻って
三月三日の雛の日に路地の家の柿の木に
首を頸って死ぬまで一気に、四人の
中本の若衆のうち一等先に
若死にする者として、人ではなく神仏の
神々しさを放つように
中本の高貴にして澱んだ血の人をひきつける
魅力も、人が疎ましいと目をそむける
穢れも一身に顕したのだった。

···

DJ KAZURU


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