群ようこ 著
「きものが欲しい!」 拝読。
有名エッセイストである
群氏が、40歳を過ぎて
小唄にはまって
名取にまでなったということは
いくつかの著書で知っていました。
ですから
きものも、小唄と同時に
つまりは中年以降に
お揃えになった、と思っていたのですが
本書によれば
高校生の頃から
自分の意志で着たり買ったり
していたということです。
ちょっと珍しいタイプかも。
群氏が
購入したきものにまつわる
エピソードが中心ですが
「呉服店」との
「独特のねっとりとした関係」
が書かれていて
やっぱり
きものの世界、コワイ! と
しみじみ思いました。
洋服とはけた違いの
商品を売るのに
価格はいつもぼんやりとしている。
それが呉服の世界。
わたくしも
きものを着る習慣のある
先輩諸氏に
「呉服屋は
基本、ぼったくりと考えろ」
と
散々注進されているのですが
あながち
脅かしでもない感じ。
著者は
8万円の反物を10点売る努力をせずに
80万円の反物を一点売ってきた
呉服店の傲慢さ、の
ような
感じで語っておりますが
それを
「そういうもの」として
受け入れてきた
消費者も考えてみれば
ヘンなのですよね。
とはいえ
群氏の呉服にかける
情熱は深く、すごい価格帯のものも
購入していて
ひゃーっとなります。

ご本人所有の
きものや
帯も写真で紹介されておりまして
これがまた、どれも
ユニークな地味ごのみ。
洋服以上に
「わたしはこうありたいの」という
意志が明確に出るのが
きもの、という感じも致しました。
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