
書肆「ひぐらし」の店主
有馬氏の文章にはいつも唸らされると
何度も書いてきたけれど、今回も
知らぬ詩人の一節が引用されていたので
思わず青空文庫で全文を確認してしまいました。
伊東静雄の「わがひとに与ふる哀歌」
という詩です。
・
とき偶たまに晴れ渡つた日に
老いた私の母が
強ひられて故郷に帰つて行つたと
私の放浪する半身 愛される人
私はお前に告げやらねばならぬ
誰もがその願ふところに
住むことが許されるのでない
遠いお前の書簡は
しばらくお前は千曲川の上流に
行きついて
四月の終るとき
取り巻いた山々やその村里の道にさヘ
一米メートルの雪が
なほ日光の中に残り
五月を待つて
桜は咲き 裏には正しい林檎畑を見た!
と言つて寄越した
愛されるためには
お前はしかし命ぜられてある
われわれは共に幼くて居た故郷で
四月にははや縁つば広の帽を被つた
又キラキラとする太陽と
跣足では歩きにくい土で
到底まつ青な果実しかのぞまれぬ
変種の林檎樹を植ゑたこと!
私は言ひあてることが出来る
命ぜられてある人 私の放浪する半身
いつたい其処で
お前の懸命に信じまいとしてゐることの
何であるかを
・
これを支えに若き日
故郷には帰らぬと
神保町で頑張っていた氏、いまは
五反田の古本市に
出店するため電車で揺られつつ
大岡信の新聞に載っていた文章
「破裂しそうなくらい詰まって沈黙を
そっと相手に伝えるのが俳句。
気配や吐息を表すために、わずかな
言葉を使うと言ってもいい」
に感心し(私もなるほど、と感心しました)その
流れですっかり手土産さゝまの
モナカを電車に置き忘れてしまったという
文章でしたが、ごく短い文章に
名文からアイロニーまで色々詰まっていて
個人的に大好きな文章です。
ひぐらし日記はだいたこんな感じなので
まとめて書籍化してほしいものです。
DJ KAZURU
2025年現在timcubaのイヴェント休業中です。
コラムは随時更新していますので
各メニューを選択してくださいませ。
https://youtu.be/BELIZJu0ruM
2014年の過去動画ですが
六本木で思いきりダンスと音楽を味..
2/10 麻布トロピで久しぶりに
ティンクーバやります。
DJ KAZURU が昔作った
キレッキレのリミックス中心。
翌日が祝日なので
ゆっくりお楽しみいただければ幸いです
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