デスカルガとされていましたが、前半の1時間は飛び入りなく
バンドのフル演奏でした。

ソンのクラシックや日本の民謡をレパートリーとし、
輪郭のくっきりしたキューバン・アンサンブルで
聴かせていく中、曲の中盤からどんどん変化していって、
最後は強力なティンバに変貌するという展開。
驚きの連続です。

メンバーはそれぞれ素晴らしいテクニックの持ち主で
誰かが目立つことはありませんが、
それだけにバンド・サウンドの一体感は
素晴らしいものがあります。

ピアノはクラシック畑出身でありながら、
メディコのツアーメンバーだけあって、
ティンバも弾きこなす幅があります。

ベースは、まさに今のキューバンベースを
そのまま聴けるというバンドの中核。
ベースだけで踊れます。

そしてテクニックも冴えわたる若きティンバレス。
キレキレな演奏が最高です。

ボーカル、トランペットはムラータ・ソンにもいた
ソンのツボを知るボーカルです。ダンスもなかなか魅力的。

サックス、コロは、派手さはありませんが、
このバンドをサウンド面でまとめています。

そしてリーダーのKono。
これほどのミュージシャンを率いてまとめる力がある
賢くも不思議な魅力の持ち主と感じました。

ソンからイラケレ系のジャズ、そしてティンバまで。
ホール公演がないことが悔やまれる素晴らしい内容で、
キューバ音楽の力をまざまざと感じることの出来た、
近来まれにみるライブでした。

福田カズノブ