
篠田正浩監督が亡くなった後
自殺ばかり考えていたという岩下志麻。
二人で作り上げた過去作品を
見返すうちに、その素晴らしさを再確認し
二人の道のりを振り返る本が出たという
経緯です。
私は大ファンなので、すでに
知ってることばかりといえば
そうなんだけど、過去作品をこうして
たどると、岩下志麻じゃないけど
いい作品ばかりだなあと、感慨ひとしお。
新事実として
「悪霊島」の自慰シーンは、岩下志麻が
キャラクターを考えた上で、自分から
提案したシーンだということがわかり
ちょっと衝撃でした。
デビュー直後、言われただけの芝居をしてた時代に
山田五十鈴が楽屋で用意された衣装が
登場人物にそぐわない、と
自分で衣装を用意したりするのを横目で見て
女優は演じる人物について、深く
考えなくてはならないと
悟ったことも書かれてましたが
そうした経験がここに実を結んだのでしょう。
「写楽」は皆川博子の原作を
持ってきたものかと思ってましたが
写楽の映画構想ができた時に
英泉に詳しい皆川博子に脚本を
書いてもらおうということになったという
記述が出てきたので、「写楽」あとがきを
確認したところ、経緯が書いてありました。
皆川博子が
監督と主演のフランキー堺氏に
請われて、脚本を引き受けたところ
映画のノベライズではなく
小説として、「写楽」も書くべきだと
編集からアドバイスがあり小説も
書き上げたとのこと。
写楽ももちろんいいんだけど
私のなかで
篠田監督✕岩下志麻といったら
なんといっても「心中天網島」。

これは「楷書の演技」だから出来たこと、と
篠田監督は言ったそう。
う、上手い表現。
思えばそういう岩下志麻の演技に魅了されつづけて
ずっと見てきたのかもしれません。

五社監督のエピソードでは
結婚発表した時に
「結婚したら女優は終わりだよ」
とすごい勢いで言われたので
そうかー、と思っていたら
極妻のときに
「僕が今まで岩下くんに出ていなかった
粋と仇っぽさを出してあげるから」
「僕に任せなさい」
と口説いてきたという話が出てきました。
自信たっぷりに語る五社監督の
その姿が目に浮かぶようです。
しかし改めて全作品を並べられると
知らなかった映画も多く、大事な作品を
見落としているのではないかと不安になりますね。
いい作品はちゃんと
味わっておきたい。
DJ KAZURU
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