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TIM★CUBAフライヤーヒストリー

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2/10 復活TIM★CUBA

17568 2/10 麻布トロピで久しぶりに ティンクーバやります。 DJ KAZURU が昔作った キレッキレのリミックス中心。 翌日が祝日なので ゆっくりお楽しみいただければ幸いです ************** La Tropi Azab..

太田治子の「手記」には
その後、太宰治の津軽の生家訪問記
「津軽」も収録されていまして
これがまた良い文章でした。

瑞々しさ溢れる少女の手記

帯で川端康成が書いていること
私も賛同します。

18歳。
母親から伝え聞く父のことは
誇りに思っていても、世間では
愛人の子と揶揄され、自分の存在に
胸を張りきれないような思いは

「母の犯した罪は、私をここまで
育てたことによって救われるが
私が生まれたという罪は、どんなことをしても
ぬぐい去ることができないことを発見し」

という言葉からも良くわかる。

そんな彼女に舞い込んだ
TVクルーと共に津軽へ行ってみないかという
誘い。

同行は奥野健男と婦人公論の記者
そして、弘前高校の教師。

ここでも
「瀬戸内晴美さんに買っていただいた
ばかりの格子のツーピース」
が活躍しており
瀬戸内晴美の暗躍ぶりが感じられるのは
ちょっと面白い。

津軽に降り立ち2日経った彼女の思いは

私がやらなければいけない
英語の勉強やアルバイトをほうり出して
津軽に来たのは、父の生まれ育った津軽を
この目で確かめたいという
中学のころからの願望があったのに加え
もしかしたら、自分の生まれ方についての悩みが
津軽へ行ったら解消されるかもしれないという
大それた考えが閃いたからだった。
それだけに、まだ実感がわかないというのは
実に惨めなことだった。
私は、父の『津軽』に出てくる
「信じるところに現実はあるのであって
現実は決して人を信じさせる事が出来ない」
という言葉を心の中で何度もつぶやき
自らを慰めていた。

というものであって、本当に
小説から懸命に父が自分に語ってくれたであろう
言葉を探しているのがいじらしい。

このあと、太宰の尻ぬぐい係りだった
中畑慶吉、太宰の下の兄とその妻
上の兄、太宰の乳母、と会っていくうちに
皆が自分を好意的に迎え入れて
また、血縁の娘と認めてくれたことで
心境が変わっていく。

太宰の「信じるところに現実〜」の
言葉がふっと腑に落ちる体験もあり
頭のなかで考え続けていたことの
答え合わせのような旅になっていくのです。

ふと英治おじさまが父のような
錯覚を覚えた。
もし父が生きていて、偶然今遭ったとしたら
父は、
「治子、父子の盃だ」
といって私に盃を差し出すだろうか。それとも
逃げ出してしまうだろうか。
私はそのどちらかだと思った。
間違っても「治子、大きくなったなあ
よかった、よかった」などといって
泣いたり、わめいたり、大騒ぎはしないと思った。

私もそう思う。
治子少女は小説を通過して
太宰を理解していたということでしょう。

そして、津軽の祭り、イタコの口寄せ
太宰治の碑、を見た時の感想も秀逸で
この少女のストレートに感じたままを
衒いもなく、装飾もなく書きとめていける
才能に脱帽です。

津軽の、岩木山の風景は
もはや彼女にとってこの旅で知り合った
人々同様大切なものになっているのです。

旅を終えた少女の言葉は
もう君は作家になるしかない、と誰もが
感じるであろうもので、私は
これからでも遅くない、太田治子を
読まねば、という気持ちでいっぱいに。

・・・

ああ、この山には
ほかの山には見られない、優しさ
情緒といったものがある、そう思った。
そしてそれは、そのまま、私のお逢いした
津軽の方達に、言えることだと思った。
瞬間、私は、そういった方達に取り囲まれ
愛されて育った父を、幸福な人だと思った。

(中略)

しかし父は、死ぬまで孤独であった。
それを思うと、父は、非常に
不幸な人なのかもしてなかった。

私は、家に帰って母の顔を見るなり、
「ママ、私、生きていてよかった」
とだけいうと、おいおい泣き出してしまった。
泣きながら私は、これからはもう、何も
考えずに、生きていかれるような
気持ちになっていた。

・・・

DJ KAZURU


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