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2/10 復活TIM★CUBA

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滅びの文学が救い

滅びの文学、バタイユとセリーヌ

地方の某古書店目録に
添付された文章を拝読したところ

バタイユの〈エロティシズム〉に

「エロティシズムは人間を獣からわかつものである」

と書いてあるらしく
それをマンディアルグが
ベルメールの〈カタログレゾネ〉の序文で

「どれほど高い知性であっても
なにがしかの疵痕なしというわけにはいかない」

と補足してる文章があるみたいで
これはなんだか面白そう。
全部読みたいなー、と思ってしまったので
詳しそうな書肆ひぐらし店主に
質問しにいく。

思った通り
この文章を翻訳した方をご存知で
色々経緯もわかったのですが
カタログレゾネは市場でも高価で
あまり入ってこないそう、残念。

かわりに
宇野亜喜良の装丁がお洒落な
生田耕作の
「滅びの文学、バタイユとセリーヌ」を押収。

生田耕作 1988年の著作です。

バタイユの交友関係のなかに
興味深い才能の女性がいたり知らないことだらけ。
やはりちゃんと著作を読んで、そのうえで
この生田耕作のガイドを参照したいもの。

生田耕作は最後に

現代人は生き延びたい栄えたいだけで
文学者も芸術家も社会に身売りしてる。

「生命尊重だけで魂は死んでもいいのか」
と言ってるのは三島だけ。

こんな時代だからこそ
戦前戦中に戦争不参加を唱えたセリーヌと
第三次世界大戦を予見し予防策を教えようとする
バタイユこそ人類の救いの途。


書いてます。

「滅びの文学」と言われる
彼らこそが希望を握っているというのは
よくわかる。

生田耕作の文はけっこう
遠慮ない物言いっていうか
辛辣に文壇批判をするのが、痛快ですね。

「論」ばやりの世の中である。
小説家が批評家づらして
手前味噌な小説論に浮き身をやつし
大学教師のお株を横取りして
退屈なしろうと言語論を講釈する最近の傾向は
どう見ても文運衰退の現れとしか
受け取りようがない。
中身の空疎を新奇の仮面でつつみかくした
自称〈前衛〉文学がまかり通るのも
えてしてこういう衰退の時代だ。

わかるよ…時代の流れの
軽薄さにイラついていたのだろうね。

ここに収録されている
セリーヌ会見記もツボでした。

〈最近の書物は読むに耐えん。
どれもこれも出来損ないで
中途半端で
文章になっとらん…

百科事典と漫画雑誌を読んでるよ。
漫画雑誌も面白くないけど。

ヘミングウェイはインチキ
カミュはお説教屋、そんなのは
教会のやることさ。

私のは文体、それ以外の何物でもない。

どれだけのやつが私の文体を
模倣しようとしたか知れん…だけど
奴らには出来ん〉

セリーヌには作家の本分を突き詰める人よりも
人気者になりたい人が目についたのかな
そんな感じのお苛立ち。

この日は
盛夏、ミントジュレップを飲みたいと
思いついて、ひぐらし店主を
オーセンティックバーへお連れするも
どうも落ち着かないご様子。

文学の話はずーっとしていられても
お互い世界が違う生き物なのかしら。

移動して餃子とビールにしたら
ようやく調子が出てきた感じ、私は
町中華も好きなので
問題ないけれど、あちらは
私のエリアが居心地悪いらしい。

なかなか難しいな。

が、帰宅してお土産代わりに戴いた
同人誌に掲載されてる彼のエッセイを
立て続けに読んでいると、どれもこれも
素晴らしく、その文章の
魅力にまたまた参ってしまい
面倒くさいことすべて忘れて
読みふけりました。

古書街にしか生きられないような
人々を鋭く捉え、その時代時代の出来事とも
からめて味わい深いものにしたこのエッセイを
まとめたらこの40年の神保町の
歴史のひとつとして、語り継がれる
一冊になるのではないかしら。

生田耕作ですら結局我慢ならず
自分で出版社を立ち上げたわけだから
世の出版社は本物の文章を
避けて通っているのかな、と思うことはありますが
それにしてもこの名文家を業界が
放っておいていることが信じられません。

DJ KAZURU


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