「誰よりもつよく抱きしめて」
新堂冬樹　著、拝読。

珈琲店でマスターから
おすすめ本として回ってきた作品ですが
読後まず思ったことは

マスター、ロマンチストだなあ。
です。

子供ができない身体になったのは
若い時分にウイルス性の風邪で
高熱を出したせいだと思い込んで
潔癖症になってしまった絵本作家の夫。

ラップ越しにしか夫に
触れられてないのだから、当然
セックスレスになり
以来7年間それに甘んじている妻。

妻の経営する書店で知り合った
若いゲイのバーテンダーは
悩み多き妻に言い寄る（ゲイなのに?）。

夫と同じ治療を受けている
若い女性は、自分が彼のそばにいて
助け合って生きていきたいと言い
夫婦の破綻は避けられないと思われたけど⋯

そういう話で、
最終的に
元鞘に収まるのですが
やっぱりこういうストーリーに
疑問を抱かないのは
男性が圧倒的に多いような…

自分も病気とはいえ
アラフォーの心療内科通いの
オッサンに心惹かれる
ハタチそこそこの女性なんている?

見た目も格好良くて
女性に親切なゲイというのも
都合よすぎるな。

奥付見たら
女性自身で連載された作品みたいですが
女性週刊誌を読むような人たちって
意外と夢のような恋愛話が
好きなんでしょうか。

夫との積もり積もった悩みを
丁寧に聞いてくれて、かつ
あなたは最高の女性だから
一緒にフランスに行ってやり直そう
とか言うゲイはきっといないよ。

まあこうして
知らない作家の本と出会えるのは
ありがたいことです。

そして自分も潔癖症気味な
ところがあるので、これを
病的なまでには進めたくないと
思った次第。

DJ KAZURU