稀曲の試みへ。

改装前の紀尾井ホールもこれが最後かな。

長唄のレア曲を
演奏する会で、どの演奏会でも
同じような曲が並ぶなか
意義ある会です。

偶然にも私の師匠と
友人の妹が一緒に参加しているので
応援の気持ちも。

配川美加氏の研究成果を
聞けるところもこの会の魅力。

各曲の初演時の情報
曲構成の分析、似た曲との比較
作曲者について、と非常に
専門的に深掘りした内容。

例えば
「今様班女」の二上り部分三味線の手は
「賎機帯」のフレーズが
そっくり使われているとか、聴けば
本当だ！と思うけれど
言われてなけれ聞き逃しちゃうので
素晴らしいガイドとなってます。

これらの曲をお稽古する時に
譜面とこの解説があれば
理解の深まる稽古になることは
間違いないですね。

これを記したものが
冊子でいただけるのですが
なにせレア曲しかないので
配川氏の有名曲解説も、ぜひ
拝読したい。
もう出版されてるのかしら。

稀音家義丸氏のトークは
ミュンヘンの酒場で
現地の客と
バッハが平均律を作ったから
音程がつまんなくなったと言って
盛り上がったとか
シャープ1と2の間には
あと3つくらい音程がホントはあるとか
前回と同じ話も‥。

新しいところでは
大正8-11年の間に
成立したという
三味線の3本線譜面の成り立ちについての話など。

邦楽がいかに譜面上で
表すことになったのかを
興味深く拝聴。

耳で伝承だと一曲弾けるようになるまで
半年から一年だったらしい。

今は譜面があるから
予習復習ができるので
そんなことはないですね。

しかし義丸氏95歳なのに
おしゃべりが止まらない、
時間押しまくり。

最後は
綱館の前篇にあたるという
羅生門をお囃子を中央に配置し
唄三味線は二チーム
上手下手に分かれて
問答の掛け合いというスタイル。

結局スピーカーから
音が出るので左右に振ってる感が薄いけど。

マイクが強すぎるんだよね。

いずれにしても
マニアックな会です。

DJ KAZURU