林真理子
「李王家の縁談」拝読。

のちに昭和天皇となる
大正天皇の皇太子と結婚するのは誰か。

当時皇族以外にも華族が
多く存在し、その娘たちから
選ばれるわけですが、これは
大事件なわけです。

紆余曲折あって
結局久邇宮家から良子皇后が
選ばれたわけですが
鍋島家から梨本宮に嫁いだ
伊都子妃という方が、自分の長女
方子をぜひ、と思っており
それが叶わないのならいっそ
朝鮮王朝の皇太子に嫁がせようと
画策し成功したわけです。

このあたりの時代の
皇族の結婚については
昭和天皇の弟
高松宮宣仁親王に嫁いだ
徳川家、慶喜の孫である喜久子妃の
友人だった岩崎藤子の著書でも
書かれています。

学習院の女子の間で
誰がどこへ嫁ぐのか。
家柄、美しさ、評判が評判を呼び
いつしか「ご内定」がおりる。

梨本宮伊都子妃は
自分が裏で動いた皇族の結婚について
詳細に日記に書き残しており
戦火でも失われなかったそう。

何事も記録は大事ですね、それをもとに
林真理子がノベライズしたというわけです。

華族制度が廃止になる戦後までは
皇族の結婚により、天皇を頂点とする
皇族の地位をより堅固なものにするのが
皇族のつとめ、それを信じて
幾つもの結婚を取り計らってきた
伊都子妃の人生です。

戦中は病院などで今で言う
ボランティアを頑張ってきた人でもあるようで
賢い女性だったと思われます。

夫の守正王は戦犯とされ
のちに皇籍離脱。
梨本宮は娘しかいなかったため
今は名乗る人もないけれど、最後の
貴婦人と言われた伊都子妃の物語は
大変面白かった。

皇族の歴史は大正天皇も
明治天皇も妾腹だったというのを
知ってから興味をもちました。

大正天皇の実母は公家出身の
柳原愛子典侍といって、出産したことで
勲二等宝冠章をもらったと
この小説でも書いてあります。

DJ KAZURU