ブーランジェリーで見つける
アップルパイにも素敵なものが。
こちらは春日の名店
「アトリエ・ド・マヌビッシュ」のもの。

・・・

宮尾登美子の「寒椿」があまりにも
印象深かったので
映画では見ていた「鬼龍院花子の生涯」を
読んでみました。

「玄人衆の挨拶は禅問答より難しい」
なる一節が出てきますが、この
禅問答のごときやりとりの数々が、私には
美しい日本の言葉の遣り取りのように
思えて、面白いことこの上なし。

熱血の志士は輩出しても侠客は育たない、と
言われた土佐においてその名を馳せた
鬼龍院政五郎。
実際にモデルになった人物が
いるそうですが、自分の身を削っても
義理に生きる姿には感激すら覚えます。

これを「ほんの数十年前」の出来事としてみると
日本は素人も玄人も無く、義理も礼も欠くような
人間が横行する時代に変わってしまったんですなあ。

夏目雅子嬢が啖呵を切った

「わては高知の侠客
鬼龍院政五郎の、鬼政の娘じゃき
なめたら、なめたらいかんぜよ」

これは
原作にはない科白だったんだと
初めて知りましたが
血のつながりも無く、貰われてきて
家のもめごと全般を押しつけられ、いわば
貧乏籤を引かされ続けてきたような主人公が
いつの間にか、真の親子の絆で
鬼政と結ばれていたのだと思える、いい科白。

主人公は女性であった故に、教育やら
跡目やら、結婚やらと幾つものチャンスを逃すのですが
女だからこそのひたむきで美しい
心を見せてくれます、ああ
また映画も見たくなりました。五社監督大好き！！
岩下志摩が壮絶だったよね。

(DJ KAZURU)